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ノート……
「ノート見せて」
「嫌だ」
「なんでよ、実は昨日の数学の宿題やってなくてね。貸してくれたっていいじゃん」
「嫌だ。だいたいこれは……」
「なによ」
「なんでもない」
「……あっそ、いいよ別に。他の人に借りるから──なんつって!」
「あっ」
「ふっふ〜ん。最初から素直に渡しておけば良いものを、出し渋るから……って何この絵? ……うわ、すご、いっぱい描いてあんじゃん」
「ちょ、ちょっと返して!」
「やーよ、もっと見せて。うわぁ、すご〜い、あれ? これわた」
「うわああああ?!」
「あっ」
「──っ、もう良いだろ。……だいたいこのノートは数学じゃない。……ほら、こっちだ」
「あ、……ありがと」
「あと、悪かった。君の絵は消しておく」
「え、消しちゃうの? なんで?」
「……気持ち悪いだろ。そこまでよく知らない相手に似顔絵を描かれてたら」
「あ、あー、そっか。絵が凄過ぎて、全く気になんなかった」
「……」
「なんか、最初自分だと思わなかったや。すっごくキレイな絵で……良いよ別に、」
「……え」
「消すくらいなら、そのページだけちょうだい?」
「いや、それは、ちょっと」
「ふふふ……」




