一休み
「ただいま! エ…メ…」
青龍は吐血した後、 怪物化を解除した。 解除した場所が空中だったため頭から落下し地面に叩きつけられた。 エメラルドはその場から飛び降りて青龍の元に向かう。
「お兄ちゃんダメだよ…私を一人にしたら…」
エメラルドが見た物は頭が割れて中から脳みそが見えていて眼球が飛び出している青龍の姿だった。 エメラルドは青龍の脳味噌を掬い水を飲むかのように飲みだした。 エメラルドが青龍の眼球を食べようとした瞬間、 青龍の頭が再生して起き上がる。
「何があった?」
青龍はエメラルドにそう聞きながら飛び出した眼球を引きちぎり別の眼球を作り出した。 引きちぎられた眼球は一瞬で灰の様な物になった。 それと同時にエメラルドは喉を抑えながら口から灰の様な物を吐き出す。
「おい! 大丈夫か?」
青龍が起き上がりエメラルドの背中を擦る。 エメラルドは涙を流しながら頷く。
「ねぇねぇ一緒にお風呂入ろ!」
エメラルドは青龍に顔を近づけてそう言うと青龍の顔を赤らめ焦り始めた。
「おーい蛇之、一緒に温泉入ろ!」
玄武が青龍を誘う。
「ダメ! お兄ちゃんは私と一緒に…」
「いいよ!」
青龍がそう返答するとエメラルドは虚ろな表情で青龍を見つめる。
「んじゃあの場所で!」
玄武は足早に去って行った。 玄武が去った事を確認するとエメラルドは青龍の胸ぐらを掴む。
「ねぇどういう事?」
エメラルドは青龍に圧力をかけながら首を傾げ質問する。
「だって気まずいし…」
「私を抱いたのに?」
エメラルドは目を瞑り青龍の顔に顔を近づける。
「だってあれはお前が…」
「でも抱いたのには変わりないんでしょ? みんなに言いふらしちゃうからね!」
「それだけは…」
青龍が止めようとするとエメラルドは胸ぐらを離し抱き着いた。
「じゃあ私の言う事聞いてね。」
エメラルドは小声で青龍の耳元で囁く。
「わかった…」
青龍は固唾を飲む。
「じゃあ一緒に…」
「今日は無理! 別の日に!」
「しょうがないなぁ~」
エメラルドがそう言うと青龍はため息をつく。
「抱っこして!」
「えー」
青龍はそのままエメラルドを抱きかかえ、 翼を生やし豪邸の入り口で舞い降り、 玄武と合流する。 合流すると翼を灰の様な物にした。
「お待たせ!」
「遅かったな! 何かあったの?」
玄武がそう聞くとエメラルドは虚ろな表情で青龍を見つめる。
「いや別に…は…早く行こう」
青龍は足早に豪邸内に入る。
(蛇之の奴…とんでもない怪物を拾って来たな…)
玄武も豪邸の中に入って行った。
「そういえば俺達っておかしいのかな~?」
玄武は青龍にそう聞く。
「おかしくないよ…むしろ普通の奴らの考えがおかしい…」
「そうか…気にしすぎか…」
玄武は嬉しそうに軽く笑う。
「そういえばあの二人誰?」
青龍は玄武にそう聞く。
「また明日話すよ…」
玄武は目を瞑り顔を赤らめた。
「てか温泉ってどこだよ!」
「通りすぎてるよー」
「え?」
青龍は足を止め振り向くと玄武が「ここだよ」と指を指す。 玄武が指を指した場所は木製の引き戸に、 白字で男湯と書かれている青色の暖簾が吊り下げられている。
「女湯は?」
「そこの通路を右に曲がると女湯だよ…蛇之お前行くなよ」
玄武は青龍をじーと見つめる。
「行きたいけど行けねーよ」
青龍はしれーと行こうとしている。
「いや行こうとするなよ!」
玄武がツッコミを入れると青龍はつまんなそうな顔をして玄武の所に向かった。
「じゃあエメまた後で!」
青龍がエメラルドを降ろすと奥の方からドレスの少女が走って来て玄武に抱き着いた。
「亀ちゃん!」
「ハイハイ…どうしたの?」
玄武が少女の頭を撫でる。
「一緒にお風呂入ろ!」
少女がそう言うと玄武は険しい表情をする。
「また今度ね……」
玄武は少女を降ろして青龍を連れて行った。
「カメキチアゲナイ!」
「ヘビユキアゲナイ!」
「「喧嘩するな早く入れ!」」
エメラルドと少女が言い争っていたので青龍と玄武が注意をする。
「「ハーイ…」」
二人は女湯の方に向かって行った。
「俺も行きたかったな~」
青龍がそう言うと玄武は青龍の頭を軽く叩き男湯に連れ行った。
「やっと休める…」
玄武はため息をついて服を上着を脱ぐ。
「そんなに疲れたのか?」
青龍が服を脱ぎながらそう聞く。
「色々と大変だったよ…気候変えたり、 敵国滅ぼしたり…」
「あーそう」
青龍が下着を脱いで腰にタオルを巻くと玄武が下半身を見つめる。
「なぁお前のアレ見せろよ! 」
「はぁ? バカ!」
青龍と玄武が取っ組み合いをする。
「俺のも見せるから…」
「え?」
「同じくらいだね」
「だな…てか早く入るぞ」
二人は引き戸を開け辺りを見つめる。 公衆浴場は露天風呂の様になっていて濃い湯けむりが立っていて奥の方は見えない、 竹で作られた仕切りがあって女湯は見れない。 端の方にシャワーがいくつかあってそこで青龍と玄武は体を洗う。
「猫都お姉ちゃんのお毛々無い!」
女湯の方からルキナの声が聞こえた。
(え?)
青龍が体を洗いながら困惑する。
「雀お姉ちゃんはお毛々生えてる!」
「やかましいわ!」
朱雀がルキナを叱る声が聞こえた。
「おいおい」
青龍は髪の毛を洗い始めた。
「亀吉、 あの子の名前何?」
青龍は玄武にそう聞く。
「アクーラ」
玄武はそう言うと髪を洗いだした。
「へぇーじゃあもう一人は?」
「キャビア」
「高級食材!」
「怒られるからやめなさい!」
「亀ちゃんもお毛々生えてたよ!」
アクーラがそう言うと女湯から殺気が飛んでくる。
「お兄ちゃんは生えてなかったよ!」
エメラルドがそう言うとさらに強い殺気が飛んできた。
「どうする!?」
玄武は青龍にそう聞く。
「早く着替えて自室に戻る」
青龍は焦りながらそう返答する。
「それもそうだけど…せっかくだし温泉に浸かるか…」
「まぁせっかくだしな…」
二人は同時に湯船に浸かる。 二分ぐらいすると二人は湯船から出て身体を拭き近くにあった浴衣を着る。 玄武は変えの下着を持ってきていたが青龍は持ってきてなかった。
「あっやべ、 変え持ってくるの忘れてた」
青龍はそう言うと自分の下着を穿き服を回収して自分の部屋に戻った。
「蛇之の奴大丈夫かな?」
玄武はコーヒー牛乳を飲みながらそう呟く。
「お! 亀吉どうした?」
急に麒麟が玄武に話しかけた。 すると玄武はコーヒー牛乳を吹き出し咳き込む。
「脅かすな!」
「悪い悪い」
麒麟はヘラヘラしている。
「亀吉お前早く部屋戻った方がいいぞ」
「どうして?」
「雀と猫都が風呂から出てくる」
麒麟がそう言うと玄武は服を回収して急いで部屋に戻った。
「まぁでも蛇之の方が大変だと思う」
麒麟は大きい欠伸をした。 その頃青龍は下着を穿き部屋に鍵をかけベッドに眠りについていたが何故か鍵が勝手に開きそこからエメラルドが入って来てベッドに潜り込む。
「翡翠…」
青龍が寝言でそう言うとエメラルドは虚ろな表情で青龍の浴衣を脱がし髪を鷲掴みにして青龍の部屋の風呂場に引きずりながら連れて行き扉を閉める。
「翡翠って誰?」
「知らないてかお前何して…」
青龍がそう言うと中から殴られるような音が聞こえた。
「これはおしおきが必要だね!」
エメラルドの楽しそうな声が聞こえると同時に縛られるような音が聞こえた。
「ちょっと待って! 俺は何も…」
「電気で焼いてあげる!」
「やめて! 言う事聞くから!」
「ダーメほら早くしないと…ね!?」
「やめてええええ!!」
青龍が叫ぶと同時に肉が焼けるような音が聞こえた。
少ししてルキナとルナが青龍の部屋に入ってきた。
「何か嫌な予感がしますね…」
ルナがルキナにそう言うとルキナは首を傾げる。
「気のせいだよ!」
ルキナがそう言うと二人はベッドに入る。
(何か焦げ臭いな…)
ルナがそう思いながら眠りにつく。 二人が眠りにつくと下着を穿いた青龍とエメラルド風呂場から出てきた。
「データファイルでなきゃ死んでた…」
へとへとな青龍がベッドに入る。
「よく頑張りました」
エメラルドはベッドに入り青龍の頭を撫で抱き着いた。
「ごめんなさい…許してください」
青龍はエメラルドを強く抱きしめる。
「いいよいいよ!」
エメラルドは笑顔で目を閉じる。 青龍はエメラルドの表情を見て涙を一滴流し眠りにつく。
(もう私だけのお兄ちゃんだよ!)
エメラルドは目を開き虚ろな目で青龍を見つめニヤリと笑う。




