68.ちょっとした事件
ブックマークならびに評価レビュー、誤字指摘いただきまして、ありがとうございます。
更新は基本的に毎日10:00前後です。
そんなこんなで課題をこなしていた俺達だが、ギルベルトが20歳になった日に夕食の席で突然告白した。
「僕達、付き合い始めたんだよ」
ギルベルトの隣りにはユリアが赤い顔をして寄り添っている。
「へ、へぇ…おめでとう…」
「お、おう。おめでとう…」
俺もバルトもなんとなく2人の様子の変化にはなんとなく気付いてはいた。気付いてはいたが…
・・・・・・・・・・
「何だよ!ギルベルトのヤツ1人で幸せになりやがって!」
バルトが気炎を吐いている。男の嫉妬だ。
「分っちゃいたが、改めて言われるとモヤモヤするな」
俺も大して変わりはしない。2人で夕食後に適当な理由をつけて、酒場に繰り出した。男2人でベロンベロンである。
「はあ…モテてぇなぁ…」
「バルトはガタイが良いし、モテるんじゃないか…」
「モテた事なんて無いぞ。それもこれもユウトが悪い!」
「なんでだよ!」
「依頼依頼で忙しすぎるんだよ!出会いが無いんだよ!」
「知るか!休みの日にナンパでもすりゃあ良いだろ!」
「斥候ギルドで忙しいんだよ!」
「俺だって錬金術師ギルドで忙しいわ!」
「「…」」
お互い似たようなものなので、虚しい言い争いだった。
「おい、ユウト何処へ行くんだ?」
「トイレだよ!」
俺がトイレから戻るとバルトが居なくなっていた。通りがかった給仕に聞くと。
「お連れさんなら、冒険者風の方と出て行きましたよ」
バルトのヤツ勝手に消えやがって。仕方なく俺は1人でパーティハウスに帰ったが、後になって考えると失敗だったかもしれない。
・・・・・・・・・・
「女の匂いがするよ…」
半眼になったギルベルトが、朝帰りしたバルトにストーカー女のような事を言って追い詰めていた。バルトを見るユリアの視線も冷ややかだ。
「ねぇ、バルト…昨日の夜は何処へ行っていたのかい?」
「ユウトと酒場に行って…」
「酒場に行って、それから?」
「…娼館に行きました…」
あちゃー、やっぱりか…部屋の温度が下がった気がする。空気を読まずにエリルが入ってくるが、教育上よろしくないので。
「エリルは算術の勉強しよう。な!台所で!」
慌てて俺がリビングから遠ざける。と言う口実で逃亡する。
「…!」「…!」
リビングからギルベルトがバルトに何か言っているのが聞こえるが、聞こえない、聞こえないったら聞こえない。
その日はなんだか、ギクシャクした雰囲気だった。
その夜、今度はギルベルトに酒場に連行されていた。
「バルトのヤツ!英雄を目指すのならもっと品行方正じゃなきゃ!」
「そ、それは英雄に夢を見過ぎなのでは…?」
「ユウトはバルトの事を庇うの?」
「いや、英雄は清く正しくないとな!うん」
どうやらギルベルトは絡み酒のようだ。
「バルトは僕にとって英雄なんだ。子供の頃、体が弱くって家に籠っていた僕を外に連れ出してくれたのもバルトなんだ!」
「そ、そうか」
ギルベルトはバルトに憧れを持っているのだろう。それだけに娼館に行ったことが許せないのか。
「大体、バルトなら相応しい女の人が現れるはずだよ!それなのに商売女なんて!」
なんで俺はこじれた男女の仲を仲裁をする第三者みたいになっているんだろう。ギルベルトが怖い。誰か助けて!
「おう、ユウトにギルベルトじゃねぇか、バルトはどうした?」
救いの神の『明けの星』のジェフリーさんが登場した。やっぱり最後に頼りになるのは先輩だぜ。
「ジェフリーさん!聞いてくださいよバルトのヤツがですね…」
ギルベルトが何度となく繰り返した愚痴をジェフリーさんにも繰り返す。
「…あー悪い。バルトを昨日、娼館に連れて行ったの俺だ」
ジェフリーさん貴方が犯人だったんですか…
「なんでそんな事を!」
「まあ、落ち着けギルベルト。話は聞いたがユリアちゃんと付き合い始めたって告白したんだって?」
「はい、まあ…」
「バルトだって男だ、弟分のように思っていたお前に先を越されたようで羨ましかったんだよ」
「だからと言って、娼館なんて行かなくても」
「冒険者なんていつ死ぬかわからん、因果な商売だ。後腐れの無い関係ってのも悪くは無いんだぜ」
「ジェフリーさんも行くんですか?」
「まあ、ほどほどにな。それに英雄色を好むとも言うだろ。許してやれよ」
「…」
「それにな、お前等結構モテててるんだぞ」
「「え?」」
「Dランクでも抜群に稼いでいる出世頭だ、特にバルトのヤツはリーダーで花形の前衛職だ。モテない方がおかしいだろ。それに、金目当ての変な女に引っ掛かるより、割り切った娼館のお姉ちゃんにチヤホヤされてるくらいの方が安心出来るだろうよ」
「う、うーん…」
「女で身を持ち崩すほど金遣いが荒くなったら問題だが、そこはギルベルトが諫めてやればいいだろ」
「ま、まあジェフリーさんがそう言うなら…」
ギルベルトが丸め込まれているが、俺も聞き捨てならない事を聞いた。
「ジェ、ジェフリーさん!お、俺は?俺もモテてるんですか?」
俺は思わず勢い込んで聞いてしまった。
「ユウトは…変人ぞろいの錬金術師だからなぁ…ちょっと敬遠されてるというか…」
そんな事、聞きとうなかった…錬金術師ってモテないんだ。
読んでいただきまして、ありがとうございました。
引き続き読んでいただければ幸いです。
新作、「お人好し大賢者と借金取り~大精霊に気に入られた俺は国を作る~」を投稿しました。
読んでいただければ幸いです。
https://ncode.syosetu.com/n4637gn/
面白かった、先が気になると思って頂いた方がおられましたら
ブクマや下の☆☆☆☆☆から評価を頂ければ幸いです。




