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異世界でスキル『インターネット』をもらいました  作者: ゆうじ
第9章 ダンジョン攻略に向けて
65/83

65.ダンジョン攻略に向けて:ギルベルトの場合

ブックマークならびに評価レビュー、誤字指摘いただきまして、ありがとうございます。

更新は基本的に毎日10:00前後です。

 僕は今まで『フラッシュバン』に頼り過ぎていた。この間のダンジョン攻略ではそれが裏目に出てしまった。地上では無類の強さを発揮する『フラッシュバン』だけど、ダンジョンでは大きな音が他の魔物を呼び寄せてしまう。


「やっぱり拘束系の魔法かな。それに広範囲の攻撃手段、後は『ピック』だね」


 幸い、懐は温かい。大商人の輸送依頼はこれまで以上の儲けになるし、『フラッシュバン』の権利を買ってもらってパーティとは別に定期収入もある。それに装備にあまりお金がかからないからね。


 僕は通いなれた魔術師協会の門をくぐると、受付のお姉さんに相談する。


「購入したい魔法を探したいのですが、一覧のようなものはありますか?」


「それならば、こちらになります」


 受付のカウンターから奥まった書庫のような場所に案内される。


「こちらに様々な魔法の資料がありますので、ご自由にお調べください。購入したい魔法が決まりましたらカウンターに声をかけてください。習得のスクロールをお持ちします」


「ありがとうございます」


 僕はさっそく必要な魔法を探していく。僕は『アイシクルランス』の改造で水、特に氷系の魔法に詳しくなっているようだ。まずは氷系の拘束魔法を探す。


「『アイスバインド』か…」


 氷の足枷で対象を捕縛する魔法。しかも狙った範囲の複数の対象も拘束できるのか。まずはこれだな。


 次に、広範囲の攻撃魔法だな。ダンジョンの魔物は数が多い時があるから、単体で威力を求めるなら『アイシクルランス』で十分だけど、広範囲での殲滅魔法が欲しい。


「…『アイシクルプリズン』これだな」


 広範囲の地面から氷の杭を生やして対象を引き裂く魔法だ。


「そして『ピック』と…」


 僕はその3種類の魔法を購入して帰った。さっそく市壁の外で魔法を練習していたけど、適性があるのか、数日も練習すれば直ぐに使いこなせるようになる。

 だけど、これでダンジョンを攻略するのに、それだけで十分なのだろうか?疑問が頭をもたげる。


 『明けの星』とダンジョンを潜った時に、魔法を使う魔物が多いことに驚いた。それに魔法によく似たブレスや視線を使うものも居た。『明けの星』はどうやって魔法を防いでいただろうか?魔法使いのエルザさんは素早く魔法を発動させて殲滅することを主眼に置いていたけれどでは防御は?


 魔法を防いでいたのはアランさん!そうだ、アランさんはダンジョン上層階層主のヴァンパイアの攻撃を盾で受けるときに盾に魔力を込めていた。おそらくあの盾もダンジョン攻略で手に入れた物なんだろう。


「やっぱり一朝一夕に上位のダンジョン攻略者のマネなんて出来ないのかな…」


 僕達『光の翼』のリーダー、バルトは魔力量が少ない。もしもアランさんと同じ魔力で強化できる盾があったとしても同じようには動けないだろう。僕が魔法を無効化出来ればな…


 …いや、出来る。僕には『アンチマジック』の魔法があった。今まで強力な『フラッシュバン』への対抗手段としか考えていなかったけれど。


『なるほど。ギルベルト、ガンガン魔法買って防げるようになろうぜ』


 ユウトの言葉が思い出される。そうだ、僕が全ての魔法を無効化出来れば良いんじゃないか?その思い付きに僕は魔術師協会に走って行った。


「これで様々な属性の色々な拘束や状態異常、それに攻撃魔法を買えるだけ下さい」


「…は、はいお待ちください」


 受付のお姉さんが困惑している。金貨を山積みにしてこんな魔法の買い方をする魔術師なんていないだろう。僕は片っ端からスクロールを読み込み、頭に収めていく。


「それから、ダンジョンで魔物が魔法に似たブレスを使ったりしていたんですが、それについての資料はありませんか?」


「残念ながら魔物にそなわったブレスのような攻撃手段については資料がありませんね」


「そうですか…」


 それでも、僕には確信があった。ダンジョンの中層階層主の従者ブラックドッグに『アイシクルランス』を放った時に一度目は衝撃波で防がれてしまったが、あの衝撃波には魔力が込められていた。つまり魔法と原理は同じはずだ。


・・・・・・・・・・


「ユウト、ユウトにお願いしたいことがあるんだけど」


「なんだ?ギルベルト」


 僕は夕食後のお茶をしていたユウトに相談をしていた。


「前に、ダンジョンでブラックドッグと戦った時の事覚えてる?」


「ん。ああ、覚えてるよ」


「僕の一度目の『アイシクルランス』を防いだ衝撃波、あれは何だと思う」


「んーブレスってやつなんだろうけど、魔力を感じた気がするな」


 ユウトは記憶を探るように言葉を紡ぐ


「やっぱりユウトもそう思うかい」


「それが、どうしたんだ?」


「僕はダンジョンで魔物が使ってくる魔法を無効化しようと思う。それは魔法だけじゃなくてブレスのような魔法現象も含めてね」


「そ…それは難しいって言ってなかったか?」


「でもダンジョンで魔物が使ってくる魔法を防ぐのに他に手段があるかい?」


「…ないな」


「そうでしょ」


「でもユリアが何か魔法に対抗する奇跡を授かるかもしれないぞ」


「でも可能性の話でしょ。それにユリアは支援魔法だけで手一杯だよ」


「そうだなぁ」


「それでね。ユウトには魔物が使う魔法現象を『アンチマジック』で防げないか錬金術師ギルドで調べて欲しいんだ」


「まず、魔術師協会ではどうだったんだ?」


「資料自体が無かったよ」


「分かった。調べてみよう」


「お願い」


・・・・・・・・・・


「ギルベルト分かったぞ」


 ユウトは数日後、錬金術師ギルドから帰ると教えてくれた。


「魔術師が使う魔法の根幹に関わるんで、ここだけの話だ。魔法はダンジョンの魔物に対抗するために人間が魔物から奪ったのが始まりだ」


「…それは公には出来ないね」


「もちろん。魔物から奪った後、洗練されて現在の魔法があるんだろうから言っても誰も信じないだろうけどな」


「でも、これで魔物が使う魔法現象にも『アンチマジック』が効くかもしれないって訳だね」


「そうなるな」


「ダンジョンでブレスを使われたら魔法の構成を読み取ってやるよ」


「安全に倒すのが優先だぞ」


「分ってるよ。でも機会があれば躊躇わない」


 僕は次の目標を見つけたのかもしれない。


 それでも、まずは既存の魔法を素早く無効化する訓練だ。沢山買い込んだ魔法を頭の中で順番に展開していく。発動せずに構成を読み取るだけなら、魔力の消費は極わずかだ。毎日、それを繰り返して習熟を重ねていく。


 そして同時に『アンチマジック』にも改良を加えていく。『アンチマジック』は魔力を練り上げるのを阻害して霧散させるものだけど、その魔力を暴走させて暴発させることができたら?


 今はまだ魔物のブレスへの対抗手段も『アンチマジック』の改良も頭の中での構想に過ぎない。だけど僕は自信があった。


『伝説の賢者のような思考ですな』


「伝説の賢者か…そんなものでパーティのみんなが守れるなら成ってみせるよ」

読んでいただきまして、ありがとうございました。

引き続き読んでいただければ幸いです。


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読んでいただければ幸いです。

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面白かった、先が気になると思って頂いた方がおられましたら

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― 新着の感想 ―
[一言] いろいろな知識を持つから賢者ではなくいろいろな知識を使いこなす者こそが賢者 ギルベルトにはその資格が備わりつつあるのかもしれないね
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