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異世界でスキル『インターネット』をもらいました  作者: ゆうじ
第8章 Cランク冒険者を目指して
57/83

57.ダンジョン攻略の課題

ブックマークならびに評価レビュー、誤字指摘いただきまして、ありがとうございます。

更新は基本的に毎日10:00前後です。

「最初のダンジョン挑戦から帰還した訳だが、課題が多いな」


「そうだな」


「何より敵が多いし、遭遇する頻度が高い」


「そうなると魔力の消費も厳しいです」


「これまで『鼓舞の奇跡』に助けられたが温存するか…」


「良いのか?バルト。一番影響を受けるのはお前だぞ」


 これまで、『鼓舞の奇跡』で戦場を広く見渡せる冷静さを保てるから連携も取りやすかった。戦闘指示をだすバルトが一番その恩恵を受けていただろう。それが無くなっても大丈夫だろうか。


「大物ならともかく、小物ならな。それにみんなも俺の指示が無くても結構動けるだろ」


「そうだね…」


「分かった。これまで以上に連携には力を入れよう」


「そうですね。ある程度のパターンは出来ていますし」


「指示が行き届かない所は頼む」


「「「了解」」」


「それでも魔力の回復が課題だな、戦闘後俺とギルベルト、ユリアは必ず低級マナポーションを飲むか?」


「もったいなくありませんか?」


「全滅するより良いだろ」


「そう、ですね」


「野営の間隔を短くしたらどうかな」


「どうするんだ?」


「4時間進んで、4時間眠休息で繰り返すんだ。交代でも2時間は眠れるよ」


「時間の把握が必須だな」


「魔道具屋にいってみるか時刻を知る魔道具が有るかもしれない」


「高そうだな」


「まあ仕方が無い」


「魔道具と言えば竈の魔道具が欲しいね」


「燃える物を集めるのが大変だったな」


「明日、冒険者向けの魔道具屋を探してみようぜ」


 明日は買い物だな。あまり金がかからないと良いんだが


「打撃力が不足している気がするぞ」


「ユウトは魔力さえ維持できれば『シャープネス』で間に合いそうだね」


「ギルベルトは『アイシクルランス』の乱発はキツイか?」


「そうだね。それに動き回る相手には当てにくいよ。手数なら弓だね」


「威力の高い矢って無い物かね…」


「打撃力で課題はバルトとユリアじゃないかな」


「俺は盾がメインだからまだ良いが」


「私ですね」


「魔力は消費するが『シャープネス』の打撃版を探してみるか」


 今出来そうな課題は出そろったようだ。


「じゃあ、まとめるぞ。


 魔力は温存、『鼓舞の奇跡』は状況に応じてだ。戦闘終了後、低級マナポーションをとる事。


 それから一日を8時間毎の3回行動だ。4時間ダンジョンを進んで4時間休息。時間の把握のために魔道具屋を探そう。ついでに竈の魔道具だな。


 打撃力の強化にユリア用の付与を探す


 それじゃあ、明日は魔道具屋探しからだ。その後俺は錬金術師ギルドに行く」


 翌日、俺達はまず冒険者ギルドに向かっていた。冒険者向けの魔道具屋の場所を教えて貰おうと言う訳だ。実際のところを言えばマップ検索で場所は分るんだが、冒険者ギルドの雰囲気は嫌いじゃない。思わぬ出会いもあるからな。


「よう、『光の翼』じゃないか?ダンジョンに挑戦したんだってな」


 ほらね。ジェフリーさんの明るい声が冒険者ギルドの中に響く。


「今日は、どうしたんだい?」


 アランさんも一緒だ。


「ダンジョンに挑戦してみて魔道具がいくつか欲しくなりまして、魔道具屋の場所を聞こうと思って」


「それなら俺達が案内してやるよ。欲しい魔道具はなんだ?」


「時間が分かる魔道具と竈の魔道具が欲しいんです」


「なるほど。ダンジョンに挑戦するとみんな欲しくなるものだね。案内してあげよう」


 俺達はアランさん達に魔道具屋『空飛ぶ魔女』に連れて行ってもらった。


「姐さん、時示しの魔道具と竈の魔道具を見せてくれ」


 ジェフリーさんが『空飛ぶ魔女』に入るなり、注文する。


「挨拶くらいしな。馬鹿ジェフリー!」


 遠慮のない声が返ってくる。


「あれがこの店の店主のペトラだよ。魔道具なら大抵ここで揃う。


 ペトラ。お客さんを連れて来たよ『光の翼』だ」


「いらっしゃい。あたしはペトラ『空飛ぶ魔女』の店主さ」


 魔女と聞いて連想するお婆さんでは無く。オーバーオールを履いた闊達そうなおばさんだった。


「バルトッス」


「ユウトです」


「ギルベルトです。よろしくお願いします」


「ユリアと申します」


「ははーん、この子らがアラン達が面倒見てるって話の『光の翼』かい?良さそうなパーティじゃないか」


「子は止めてやってください。彼等もベテランのDランク冒険者で、ダンジョンに挑戦し始めたんですよ」


「そいつは失礼したね。いやね、あたし等が『明けの星』の世話を焼いてやったころを思い出してね」


「「ちょっ!」」


「アランもジェフリーも、今じゃ一人前の冒険者面してるけど。あたしが冒険者をやってた時には親鳥の後について来るヒヨコみたいなモンだったさ」


 アランさんもジェフリーさんも赤くなって、あらぬ方向に顔を逸らしている。


「で、時示しと竈の魔道具かい?ダンジョンに入ったら真っ先に欲しくなる魔道具だね。大方、空が見えないから時間感覚が狂ったんだろう」


「はい」


「それで、野営しようにも火をつける薪にも困ったと」


「御明察です」


「ちょっと待っといで、出してきてやろう」


 ペトラさんは奥の倉庫に入っていった。


「アランさん、相談があるんですが」


「うん、なんだい?」


「休息のタイミングはどうしたら良いですかね。魔力が切れてから慌てて野営したんですが」


「パーティの構成にも依るし階層でも変わってくる、君達は何か考えがあるかい?」


「魔法を節約して、一日を8時間の3回行動にしようと思います。4時間探索して4時間休息をとります」


「それも悪くない手だな。深く潜るようになったら、休息を長くとるようにした方が良いかもな。いずれにしても試行錯誤しかない」


「試行錯誤ですか」


「そうだ、ダンジョンは時々で魔物の構成が変わる時もある。無理そうなら撤退も考えた方が良い」


 俺がアランさんにダンジョン挑戦のコツを聞いていると、ペトラさんが倉庫から出てきた。


「あんまり世話焼き過ぎるんじゃないよ、アラン。ダンジョン攻略はパーティで考えてナンボだよ。でないといざという時に対応できないよ」


 アランさんは肩をすくめて、敵わないといった様子だった。


「ほら、これが時示しの魔道具だ。同じようなものは高級品を扱う金持ち向けの宝飾店を兼ねた方にもあるが、コイツは冒険者向けだ。とにかく頑丈にできている」


 確かにゴツイ懐中時計と言った見た目で、多少乱暴に扱っても大丈夫そうだ。


「それから竈の魔法具だ。このツマミで火を点けたり火力の調整が出来る」


 うん、まんまカセットコンロだ。動かすのは魔石だけどな。


 俺達は支払いを済まし、店内でちょっとした相談をしている。その様子をペトラさんが懐かしそうに眺めている。


「時示しの魔道具は、普段ギルベルトに持ってもらったらどうだ?頑丈でも近距離戦で壊すといけないし」


「分かったよ。僕が持とう」


「竈の魔道具はユウトだな」


「そうだな。壊すといけないしマジックバッグにしまっておこう」


 俺が竈の魔道具をマジックバッグにしまうと、ジェフリーさんが呆れていた。


「やっぱりマジックバッグを持ってたよこいつ等!」


「少し前からマジックバッグを使った輸送をやってる冒険者がいると聞いていたけど、やはり君達だったか」


「そんなに有名になってましたか?」


「有名もなにも俺達に商業ギルドのトマーゾさんが教えてくれたのさ。直接君達の事は言わなかったが、そう言う提案があってマジックバッグを持つ俺達に輸送を受け負わないかってね」


「…あの、タヌキ親父…」


「『明けの星』のマジックバッグは背嚢4つ分くらいだから、それなりの稼ぎにしかならないけどね。君達の容量はどのくらい有るんだい?」


「馬車2台分くらいです」


「へー、背嚢2つ分くらいか…」


「ジェフリー…現実逃避は良くない。馬車2台分と言ったぞ」


 時間停止機能がある事は黙ってた方が良さそうだ。


「アラン、今度のダンジョン攻略に『光の翼』を連れて行ってみないか?」


「ジェフリーもそう思ったか」


 アランさんとジェフリーさんの目が獲物を見つけた猛禽類の様に光っている。なんだかおかしな話にならなきゃいいが

読んでいただきまして、ありがとうございました。

引き続き読んでいただければ幸いです。


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読んでいただければ幸いです。

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面白かった、先が気になると思って頂いた方がおられましたら

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― 新着の感想 ―
[良い点] ダンジョンでの先輩の戦いを経験するのも悪くない [気になる点] 「「「了解」」」今更ながらニチアサの戦隊ものっぽいw [一言] つまりアランさんは先輩のレッド
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