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9話 地下室

 疑問に思うこともあったが取り敢えず俺は寝ることにした。けれど変なテンションに入っていて寝ることはできなかった。あー寝れねーなって思っていたら眠っていた。


 俺は急にトイレへ行きたくて目が覚めた。この部屋にはトイレがあったのでそこへお花を摘みに行った。はーい、気持ち悪いとか言わない。


 気持ちよくなったので急いで部屋へ戻ろうと思いドアに手を掛けると、ガチャガチャと音は鳴ったがドアは開かなかった。

 それからしばらくの間は無言で焦りながら勢いよくドアをガチャガチャしていた。


 しばらくガチャガチャしていたらドアの真ん中から刑務所みたくご飯が出されてきた。ご飯はご飯では無かった。あ、哲学じゃないですよ。

 

 そのご飯は色々なものをグチャグチャにして混ぜた物みたいな感じで気のせいか食べ物が笑って見えた気がした。


 だが、見た目とは裏腹に結構いける味であった。きちんとスプーンが出もついていたが使おうと思ったら直ぐに壊れてしまったので使えなかった。


 なので手で食べた。こんなことならきちんと手を洗っとけばよかったと思ったのは忘れえておこう。


 ご飯も食べ終わったので俺は本を読み始めることにした。図書館の本は違う文字の物が3種類程あったが全部読めたので転移時の勉強のおかげだと改めて感じられた。


 本を見てみると鬼人、魔人、亜人の事について書かれている本や戦術について書かれている本、武器の扱い方や魔法、戦闘技術について書かれている本など歴史より楽しそうな本だった。


 そして暫く勉強をしていて気づいたことがある。誰も見回りに来ないのだ。時間になったらご飯が出てきて回収して終わり。勿論風呂もない。幸いそんなに暑い気候ではなかったので汗は掻かなかった。


 部屋はある程度は光が上のほうから射しているので感じ方によっては少しおしゃれだった。


 やっぱり長い間1人でいると寂しくなってくるなあと思っていたら、寂しさを紛らわす本が出てきた。この本の内容は寂しいなら何個か人格を作っちゃえばいいんじゃねって内容だった。


 これは魔法に分類されるらしいが魔力が必要なく魔法陣を書けば出来るっぽいので素直に上からなぞり書きをしてみた所2人の人格が出てきた。

 

 悪魔君と天使君だ。文字通り天使君は性格がよくて、悪魔くんは性格が悪い。

 しかしこの2人は性格が合わなかったのでいつも喧嘩していたが、たまに入っている女の落とし方みたいな本を見るとキレていたのでやっぱり相性がいいのかもしれない。


 不思議に思いつつも疑問に思って考えたらやばそうな気がしたので深く考えることをやめておいた。


 日に日に悪魔君と天使君の喧嘩は凄いものにいなっていくが声を消せないかなって思ったら声を消せたので問題なかった。


 ある日格闘術の本があったので少し練習していたらコツンと足に何かが当たった。思わず痛っとこえをあげてしまい、うざいなと思いながら下を見てみたら床が少し浮いていた。


「ナニコレ」


 ゴ〇リ君みたいな声に自分で驚きつつも浮いた床を持ち上げてみたらそこには階段が続いていた。真っ暗だったので不気味である。


 『この階段降りちまえよ』


 『いやいや、何があるかわからないし危ないだろ』


 といつも葛藤した時に出てくる悪魔君たちの会話だ。

 残念ながら天使君が勝ったところを見たことが無い。何故って?それは俺も悪魔君側の人間だからですよ。


 なので俺は階段を下りて行った。明かりは全くなかったので怖かったのだがいつも通り悪魔くんと天使君が煩かったので怖さは半減して何とか門の前まで着いた。


 ここボス部屋かなと思って扉をこっそりのぞいていると、広辞苑レベルの厚さの本が6冊と刀と絵本が置かれてあり部屋はとても広く十分に闘いの練習ができそうだった。


 刀近づいてみると置手紙が保管されていた。置手紙は綺麗な字の日本語で書かれていた。


 私はこの世界に転移してきた者です。ここには転移者しか通れないので、貴方は恐らく転移者でこの世界は再び混沌の渦に巻き込まれているでしょう。


 そこで私から人生で集めた知識と切っても錆びない名刀を与えましょう。理由などは特になくただの老婆心ですから遠慮することはありませんよ。


 そう読み終わると目の前が青白く光り様々な魔法陣が浮かんできた。これはとても幻想的であり上の本で覚えた歴史や戦闘術、戦術の記憶が全部消えていた。


 嵌めやがったな。と言ったら、別にいいだろと天使君が言っていた。


 そうして宝箱が出てきた。そこには絵本とまた手紙が出てきた。


 手紙には、どうかこの絵本を大事に保管しておいてください。


 その絵本は小さい子が描いたようだ、パパ、ママ、おばあちゃん、おじいちゃんありがとう。と、とても汚い字と下手な絵で書かれていたが、時間を込めて描いたのだろうなと愛情を感じられた作品であった。


 俺も小さい頃こんな絵本を書いたよなと思いつつ、分厚い本に手を出した。これら6冊は1~6と数字が書かれており順番に見ていく。本を読み始めると


 『初めに、上にある本はいらない知識で寧ろ非効率な事を書いている本なんです。けれど寂しさを紛らわす本の記憶は消して無いので安心してくださいね。


 昔からここはいらない人間を腐らせて、追放する為に作られていた施設なんですね。上の階は魔法で部屋の物を変えることができないので動かすことができずにいたんです。


 ですが私は強引に魔法で改変して寂しさを紛らわす本を置いて孤独での精神をむしばんでいく事を止めようとしたのです。


 そして上の部屋は外からしか開けられないので実質監禁みたいなものですね。そして、現代でいう所の窓際社員を作っていくという事です。ですから、ここで勉強と訓練をしていっては?』


 という内容である。もとよりそのつもりだったので勿論本の言われた通りのことをしていくのだった。


 『知識チートで無双するとか言って、ハーレム作ったらどうしようとか考えていたのに残念だったな』


 俺が必死に目をそらしていたところに悪魔君の渾身の一撃が入る。


 『ちょwおまw止めてあげろよ』


 とツボっている天使君のほうが、たちが悪いと思うのは俺だけだろうか。

 とにかく、思考まで読まれていたのはとおっても恥ずかしかった。そして、心には悪魔しかいなかった。


 取り敢えず今日はメンタルにいいダメージが入ったから、寝る。

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