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27話目 訓練場!

すみません、2時間遅れました。

 いつも通りに目が覚めた為、直ぐに準備をして仕事をしに向かい、いつも通りに仕事をこなして昼になるころには砦の中へと帰る。


 門をくぐると、ルドルフさんが腕を組んで壁に寄りかかっていた。


「おはようございます、ルドルフさん。」


「ん?おお、誠かご苦労だったな。ギルから訓練場を自由に使って良いって言ってたからよ、俺についてこい。」


 ギルさんの後をついて行くと、10分くらいたった頃に訓練場へと着いていた。

 訓練場の大きさはサッカー場のグランドほどの大きさであり、一面は土が敷き詰められていた。


 観覧席などは無く、屋根もついていない。更にここの訓練場で訓練をしている兵士は1人もいない。


「ここが訓練場だ、お前らもほどほどに頑張れよ。それじゃあな。」


 俺はありがとうございますと言うと、ルドルフさんは来た道を返していったので早速訓練に取り掛かる。

 俺は近接の人と遠距離の人で分けて、指示をした。


 ここでの訓練の目的は個人、個人が強くなっていく事である。 


「よし、それじゃあ近接戦の人は1対1で戦って、エルフたちは弓や魔力の精度を上げる練習をやってくれ。」


 俺が言うと各々訓練の準備に取りかかるのだが、近接戦をする人数が9人と奇数なので、俺はロイに刀術を教えることにしようと思った。


「それとロイは俺の所に来てくれ。」


 ロイは首をかしげてこちらへと駆け寄って来た。


「まこと、なんですか?」


「ロイに刀を教えようと思う。一人余るから丁度いいと思って、俺と一緒でもいいよな?」


 ロイは万遍の笑みを浮かべてうんと、大きく頷いた。

 そして彼らに言語を教え始めてから、これまで以上に亜人族と打ち解けた気がする。


 俺はロイと打ち合いながら、指導をしていく。

 ロイの力は俺とほぼ同等で、大人にも引け劣らないぐらいの強さがあった。


 力は互角なのだが、技術は俺の方が上なので、教える側がボコボコになるなんて言う展開にはならなかった。


 しかし、ロイの一撃は一撃は手にズシリと重みもくるし、背が低いため偶に死角から攻めてきたりするので、ヒヤッとする場面が何度もあった。


 驚いた事に、ロイは刀の基礎を会得していたのでほとんど何もいう事が無かった。

 これが職業補正なのだろうか。因みにロイの職業は浪人であった。


 時間が経つにつれて俺も戦いに白熱してしまい、アドバイスをすることを忘れてしまった。


 ロイも段々と俺の刀を見切ってきているので、段々と攻撃をかわされている気がする。

 獣人はとても身体能力が高いのだろうと、身を持って実感させられた。


 気が緩んだのか一撃が甘かったので俺は見逃さず、右から高出来を力を込めてはじき返し、腕が上がったと所で手首をつかみ背負い投げをする。


 そうしてロイは地面に叩きつけられ、それと同時に、訓練場が「うおおお」と沸く。

 どうやら他の皆は先に戦闘が終わっていたらしく、俺たちの戦いを見ていたらしい。


 けど、この状況どう見ても大人げないよなーと思ったのだが、深く追求はしないでおくことにした。


 他の皆も怪我などはしておらず、少し汚れているくらいでありホッと安心する。


 周りを見渡してみると、まだ出来そうだったのでもう1回同じ組で戦わせた。

 俺は呆然としているロイに手を差し出して起こした。


 ロイと戦っていてとても正々堂々と戦っていることに気づく。流石は子供と言ったところだ、正直である。


 ロイはの顔を見てみると考えにふけっている表情をしていた。

 邪魔してはいけないと思い黙ってロイを見ていると、5分くらいたった頃だろうか、何かひらめいた様子で、俺と目を合わせた。


「まことさん、俺に最後投げ飛ばした技を教えてください。」


 ロイは前触れも無く、お願いをしてくる。頼むときにきちんと敬語を使えるところに、俺は好感を抱いた。


「どうして、柔術を教えてほしいんだい?」


「俺、さっきの戦いで刀だけに頼っていたから負けたと思ったんだ。

 だから、使える手が少なかったから、色々な事を教えてほしい。」


 上手くは纏まっていなかったが、伝えたいことは分かった。

 纏めると、攻撃手段を増やして戦いの幅を広げたいという事なんだろう。

 下手な大人よりも良く考えられている。


「わかった。それじゃあ、教えていくから頑張ってついて来いよ。」


 うんと言ったので俺は、柔術言わば柔道の基本的な受け身や、投げ方を教える。

 受け身を教えたら、痛みが違うと言って感動していた。

 

 俺は気づかなかったのだが、受け身とはかなり痛みを軽減してくれるらしいので、訓練場にいる皆に声をかけて受け身の練習をさせる。

 

 因みに俺は無意識のうちにやっていたらしい。

 骨折をしなかったことにも納得である。


 やはり受け身を教えさせると、飛ばされた時の痛みが和らいだと言っていた。

 

 柔術の練習をしていたら、かなり時間が経っていたみたいだったので、これもまた2時間ほど表記魔法の授業をして、地下へと向かい檻へと入れる。

 勿論、洗濯魔法を俺にも亜人にも掛けることを忘れていない。


 俺はギルさんの所へと感謝を伝えに行ったのだったが、ルドルフさんとお取込み中だったのか、大きな声を出していたのでそっと自分の部屋へと戻って、ご飯を食べて寝た。


 このような生活が1ヶ月ほどたった頃、俺たちに事件が起こる。それはとても唐突であった。


 ある日いつも通りに訓練場で訓練をしていたら、バカにされたような笑い声が聞こえてくる。

 

 声の主に目を向けてみると、指をさして笑っている。


「ハハハ、あいつら見てみろよ、亜人何かが生意気にも剣なんか振るっているぞ。

 人型の魔物が、何もやっていても人族よりか劣っているのに、滑稽なもんだなあ。」

 

 この砦には相応しくない、今にもパーティーに出かける様な服装をしており、いやらしい顔つきをした貴族らしき男だった。


 俺は無視をして、訓練を続けていると


「なんだよあの、だっさい装備、、しかもへんてこな剣、此処は戦場ですよお、僕。

 おもちゃでお遊びをするんだったら、早くおうちに帰りましょうね。」


 と煽ってきて、俺は師匠たちを否定されたかのように感じて悔しく思うが、何とかしてこみ上げてくるこの怒りを鎮める。


 暫く黙って無視していると、面白くないのか俺たちのいる所まで近づいてきた。


「ぐふふ、お前たちご苦労。」


 上から目線で話しかけてくる白豚だが、俺は貴族だろうと思って頭を下げる。

 そうすると他の亜人たちも頭を下げた。


「おお、良いエルフがいるじゃねえか。」


 そう言って隣のマリナの胸やお尻を揉みしだく。

 こいつは多分このことを目的に、近づいてきたのであろう。

 俺は頭を下げたまま、発言をする。

 

「貴族様、無礼を承知で申し上げます。このエルフは元々が性奴隷でして、もしかしたら病にかかるかもしれません。

 やめたほうが良いのでは?」


 「そ、そうか、ならいい。」


 そう言うと、貴族はビビッて手を離した。

 この世界にも地球と同じく、性感染症の概念があるようだ。さらに貴族は、話し続ける。


「お前らみたいな何で汚い、連中がこんな良い所で訓練をしているんだ?

 ただの肉壁には、囮になってくれるだけで十分だから、亜人どもを育てる意味は無いだろう。

 なあ、そこの野蛮人?」


 俺は野蛮人と言われたので沈黙を貫いていると、面を上げて良いと言ったので、顔を上げる。

 しかしそれは俺に言っているだけであって、亜人族に言っていなかったのだ。

 最悪なことにメイが顔を上げてしまった。


 貴族は気に入らなかったのか、メイを蹴り上げると、メイは倒れてしまい。顔や体を踏みつけている。


 メイはごめんなさい、ごめんなさいと何回も繰り返してた。


 俺は少し固まってしまったものの、貴族に掴みかかろうとするとロイが空を飛んで、貴族の顔を殴りつけていた。

 ロイの顔は久しぶりに殺気を帯びた目をしていた。


「ブフウ、き、貴様どうなるかわかっているだろうな?今度お前を公開処刑してやるよ、このクソガキが。」


 三下のようなセリフを言って、男はこの場所から去って行った。

 しかし、マリナの顔は腫れあがっており、俺は咄嗟に水魔法で晴れているところを冷やした。


 内臓も蹴られていただからだろうか、血も吐いてしまっている。

 俺は取り敢えず治癒室に行こうとしたのだが、マリナが制止した。


「私、最近回復魔法を扱えるようになったので少しどいてもらっていいですか?」


 納得してので、マリナに治癒魔法を使うように伝える。

 ロイを見てみたが、先ほどの殺気は無く、妹を心配しているのか、半泣きになっており、メイの手を握っていた。


 そこでマリナは、ヒールと叫んで回復魔法を使う。

 そしてメイの周囲に緑色の魔法陣が出現し、緑色の粒子を放つ。

 まさに神秘的なものであった。しかし、マリナはとても悲痛な表情を浮かべて、顔をしかめている。


 1分くらいたつと、緑の魔法陣が消えてメイが起きるのと同時に、マリナの意識が落ちたのだった。

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