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23話目 治療室

昨日は投稿できずにすみませんでした。

 気づいたらベッドの上で目が覚める。昨日お酒を飲んでから記憶が無いので、酔い潰れてしまってそのまま運ばれたんだろう。

 

 そんなことよりメチャクチャ頭が痛い、これが二日酔いっていうやつなんだと思う。本当に頭が割れそうだ。


 しかし悲しいことに仕事は休むことが出来ないので、俺はフラフラになりながら亜人奴隷の元へ向かっていく。

 俺はふと転移前にcmでやっていたへ〇リーゼは聞くのだろうかと疑問に思う。


 因みに今みたいに頭が痛い状態でもステータスに表記されるらしく、光魔法の回復で頭の痛さが取れるらしいのだが、生憎俺は光魔法を使うことが出来なかった。


 俺がフラフラと廊下を歩いていたらルドルフさんに出くわす。

 とてもすっきりしている顔だ、何かイラっとくる。


「誠、お前さん凄い顔をしてるな。大丈夫か?

ま、ここに来る前の頃と違って、そんなにひでえ顔はしてねえけどなあ。」


「ありがとうございます。昨日呑みすぎただけです。」


「それは良かった、てっきり流行り病にかかっちまったのかと思ったぜ。」


 ガハハ笑って去って行ったが、俺は何もよくないと思った。けれどなんやかんや言って人を良く見ている人なんだと感じた。


 いつも通りに亜人たちを引き連れて、魔物を狩りへと行くために砦から移動している、しかし昨日は雰囲気に呑まれてしまったのだが、魔人族と和平を結ぶのに、魔人の配下である魔物を狩っていいのだろうかとふと思った。


 けれどまた今度聞けばいいかと思うと共に、最近亜人たちがレベルアップしていくのを数値で見るのが楽しくなってきている自分がいたので、狩りを辞めっれなかった。

 

 亜人たちのレベル上げで必死だったので忘れてしまっていたのだが、やはり俺はレベルアップをしていなかった。

 しかし、体感ではあるのけど日に日に強くなっていっていることは実感できたのだ。


 そうこうしているうちに、広い砦を抜けて森へと入るが、今日は体調が悪いため鎧は着つけていない。最近魔物に苦戦することが無いからだ。

 

 これもまたいつも通りにゴブリンやオークたちと出くわして戦闘になり勝って行く、森の中で魔物の解体をしている途中に、メイに話しかけられる。


「誠さんは、この前悪魔さん達と何を話していたんですか?」


「ああ、それはね、戦争を終わらせたいねって話をしていたんだ。」


「じゃあ、メイたちも元の国に帰れるってこと?」


 俺は表情を崩さずにうんと頷くと、メイの顔がパッと明るくなってロイの元へと駆け寄り、今の聞いたと語っていた。

 その姿はとても微笑ましい、他の亜人たちも微笑んでいた。


 そして他の亜人たちも少しづつは表情が戻っており、そこまで絶望している感じは無い。

 少しづつゆっくりではあるが生きる希望を感じ始めたのだろう。


 けれど俺は頭が更に痛くなってしまったので、座って休んでいると


「誠さん、お肉の準備が出来ました。良かったら食べてください。」


 エルフのマリナが言いて来たのだが気分がすぐれないから要らないと返す。

 そう言う表情を一切変えずに去って行き他のエルフと喋りながら食べている。


 頭痛いなと思っていたらまた話しかけられる。


「魔人族との和平、誠さんはどう考えているんだ、ですか?」


 話掛けてきたのはドワーフのドナウドだった。


「俺は言われた通りに動くだけだよ、だから何も考えていないな。それと、敬語じゃなくていいよ。」


 おうと言うと、色々と俺に話を聞いてきたので俺は不思議に思って何でそんな急に話し始めるのか聞いたところ


「いやあ、誠さんが魔人族たちと和平するって聞いてな、これなら俺たちも何とか生き残れるって思ってな。協力していこうと思たんだ。」


 なるほど、奴隷解放されるから協力をするらしい。この事はだれにも言わない様に命令した。

 それと同時に俺は、亜人たちに情が生まれない様に気を付ける。


 食べ終わったのでまた狩りに出ようとしたところ、ゴブリンと出会っいやっとこれで帰れると思いボーっと目の前の風景を眺めていた。


 俺が戦うことが出来ずに眺めていたら、俺は脚に強烈な痛みを感じ、目を向けてみると矢が刺さっていた。


 不意にウワアアと情けない声を上げてしまう。


 人間不思議な事に目で見た瞬間にとても痛くなってしまい、俺は蹲ってしまう。

 脚を抑えていても、少しづつ血があふれてきて、直ぐに手を真っ赤に染める。


 次に俺は危ないと言われたので顔を上げてみると、そこには宙に浮かんだゴブリンが棍棒を上にあげて、今まさに俺の頭を叩きつけようとしていた。


 俺は生きたい、死にたいよりも目の前の世界がゆっくり動き始め、頭の中に色々な記憶が映し出されていく事を奇妙に思うのだった。

 

 しかし、どれもくだらない思い出ばっかで、ゲームや小説の事ばかりである。

 そうくだらない人生だったなと思い目を閉じると俺は横に吹っ飛ばされていた。


 ああ死んだのかと思ったら、他の人間の悲鳴が耳にこだました。

 目を開けてみて見ると、目の前に頭が潰されたドワーフの死体があった。


 そのあとすぐにエルフの弓でゴブリンが射抜かれて戦いが終わる。

 俺は申し訳ない気持ちよりも助かったという気持ちが上回っていた。


 直ぐに亜人たちに肉の剥ぎ取りをやらせ、火葬をさせると、久しぶりに同胞が死んだからだろうか、少し表情が暗くなっていた。


 この矢をどうしようかと思ったが、地下室で勉強したことを思い出し、何もしないでおく。


 そして俺はドナウドの肩を借りて砦へと向かう、矢を抜いても応急処置をすることが出来ないので痛みを我慢しながら歩いて行く。

 

 助かったという気持ちもあるけれど、鎧を着ていたらこんなことにはならなかったのにという罪悪感を感じた。

 どの様に償えばいいんだろうか。

 

「誠、お前なんか落ちこんでいるな、あれは仕方がねえ。」


 ドナウドが励ましいてくれた、どうやら顔に表情が出てしまったらしい。

 更にしばらく歩くと俺は砦に着くいて、医務室に連れて行かされる。


 医務室は少し汚れていて幾つもベッドが並べられており、殆どのベッドが人で埋まっていた。

 しかしベッドの上にいるのは人族だけで亜人族はいなかった。


 更に、うめき声が酷くまさに地獄の様相である。俺も少し汚れたベッドに寝かされて医者が来るのを待つ。


「ああ次は矢の治療だね、よく自分で抜かなかったな偉かったぞ。」


 師匠たちの所で書いてあった本が意外なところで役に立った。

 そう言った老齢の医者は救急箱みたいなのを開いて、酒を取り出す。

 俺は不安に思って、医者に聞く。


「あの、回復魔法とかじゃないんですか?」


「当たり前だよ、回復魔法を使える人間は限られているし、最近魔物がどんどん狂暴になってきてけが人も増えたから、回復魔法は使えないんだよ。」


 そう言って俺は屈強な男たちに取り押さえられて身動きが取れずにいた。

 そこで医者は思いっきり俺の脚から矢を引っこ抜く、俺はとてもビリっとした強烈な痛みを感じたので思わず動こうとしてしまうが、やはりびくともしない。


 まだ終わらずに、医者は酒を俺の傷口に容赦なく掛けてきた。

 俺は焼かれるような痛みに、声にならない悲鳴を上げていたがその後は包帯で巻かれて、安静にしておくようにと言われ、やっと治療が終わった。

 そして異世界って痛かったのか、そう思った瞬間だった。


 医者はそそくさと去って行って、隣に連れてこられた人の治療を始める。

 隣で大の男が大きな悲鳴を上げていた。俺は頑張ってみない様にしていた。

 入って来た時の悲鳴はこの治療している時の音なんだろう。


 隣の男の治療も終わりったので上半身を起こして周りを見渡してみると、腕や脚のない者、目の周りを包帯でグルグルと巻いていたりと見ていて痛々しい人たちばかりであった。


 辺りは血の匂いが充満しており、見るも耐えない光景である。

 しばらく時間が経つと食べ物が運ばれてきたのだが、食べ物は離乳食みたいな見た目であり味もとても不味かった。

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