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第1話 知識を得た少年

これは、少年が知識を使い世界を変える始まりの物語である

在る世界の話をしよう


「僕はアンタの手を取って生きるだけだ」

お互いの意地を1対1で通し抜く戦いはこの言葉から始まり、この言葉で終わりを告げた。

その言葉にあの子は「なら君の手を取ろう僕達は分かり合えた。敵とだって分かり合えるその最初の二人になろう」


そうして人と人魔の戦いは終結し、共に手を取り合える未来が作られた。人の勇者が人を諭し、人魔の王は人魔に生きるための術を教えた。そして全てを成した二人は奇しくも同じ日に死を迎える。ただその時に偶然か必然か死の間際に勇者と王は同じことを思った。「来世があるなら、アイツ/彼と最初から共に生きていたい」と、そしてそのささやかな願いは確かに叶うこととなる。



前世というものを見たのは今の自分より大きな獣を弟のような少年と二人で工夫して倒した後だった。そこで勇者として戦い敵と分かり合って世界を変えて死んだのだと、前世の名はガーデ、今の名前はヒイロ。この世界に生きる平民の身分から生まれた一人息子だ。僕は今11才の時に受ける護身のテストを受ける中で偶然大きな獣と遭遇、何とか逃げていたときに対処の方法がいきなり頭の中から出てきた。いきなりのことで混乱したが対処できる条件が揃っていたからその通りに対処し終えたとき前世の記憶が頭の中に入ってきた。

「兄さん?大丈夫ですか?」そう心配そうに聞いてくるのは弟のような少年レヘア・ライア、貴族であり僕の最初の友達である。彼は僕を兄と呼ぶのは色々理由があるが今は割愛、僕の前世のことで手一杯だし「あぁ大丈夫だよ」返事もそこそこに今僕らは帰路に立っている。護身のテストは文句なしの合格、想定外の敵を対処したことから二人揃ってその後の試験もパスとなっちゃったので残りの期間は一人で前世の知識や力を確認しようと考えていた。


家に着くと幼馴染みが料理を作って待っていた。


「あら、お帰り、テストは合格出来たみたいね。」

そう言うのは姉のような同い年リリネル、彼女とは家が近かったこともあり良く交流していた。小さな頃から料理を作っていたため貴族のレヘアからはプロレべルと称されるのだが彼女はそこまでじゃないと謙遜している、レヘアは知らないが僕達二人はそれ以上の料理人がいるのを知っているからだ。こちらも気になる話だろうがこれも機会があれば。話を戻そう、このように帰ってきた僕らに料理を振る舞い3人で話している。親は共に働きに出ているが愛情を持って育てられたのは確かなのは分かる。今回のテストはある事情で応援席が設けられていたので見に行くと息巻いていたが、仕事の依頼で遠いところに行くことになったので特に母は悲しそうだったのはこの家にとっていつもの光景でもあった。

料理を3人で食べるなか、その後の試験がパスとなったことを伝えるとリリネルはかなり驚いていた。

「パスしたって本当なの!?今回の試験官、あの王子が来てしかなりきつい人になったと聞いてたんだけど」

「実際にパスしちゃったんだからしょうがないでしょ」

「でも、何で僕までパスしたんだろ?実際に動いたのは兄さんでしょ?」

「それを補助してサポートしたからだろ?あの試験官も言っていたじゃないか、一人でやっていたならうさんくさいから流石に後も受けてもらう予定だったが協力する選択を出来たのは正しいと」

「でもズルみたいじゃん」

「・・・まぁレヘアはテストを全て受ける気でいたし、そこは分からなくはないけどね」


ちなみに彼女は昨年たった2つの試験でパスしちゃっている。レヘアのように全て受ける気だったのでその時の彼女はかなり荒れたことは明記しておく。

そんな他愛もない話をしながら時間は過ぎていきあっという間に夜となり一人になった僕は力がどこまで使えるか確認をとりたかったがいつのまにか寝てしまっていた。


「やあ、少年」

その夢の中で僕は高位的な何かと会い、そこでとんでもないことを聞くこととなる。

「君は勇者の記憶を継いだだけだ、力の使い方や手順を知っているだけの人間だ」そういう言葉を聞いたその後すぐに雰囲気が変わる。

「いや、言い訳しているように聞こえるだろうけど言わせてくれ、そのまま魂を今の君に転生させようとしていたけど前世の君が何故か起きていて力はいらないから普通に生きることを望んだんだ。」

共に転生した魂のことを考えれば力がないと会えなくなるかもとは言ったらしいけど・・・

「ならなおのことない方がいい、その転生先が悪者とかだったらどうする?」

「この力は強力すぎるものだ、魅入られたら邪道に入るか入らされるかどちらかにしかならない」

「普通に生きていく奴に重荷を背負わせるモノじゃない」「転生は願ったりだ、だが力は受け継がん」

「それでもと言うなら知識だけだ、知識なら正しく使うことが出来るだろう」

「それにアイツなら転生先で力を放棄する可能性が大いにあり得るから対処方法を考えるなら知識が必要になる」

「いいな?それで、力は転生した人物が付ければいい」


「という感じで君には勇者の知識だけしか受け継いでいない、彼の魂も確かに君の中にあるがよほどの事態でなきゃ表に出て来ない、君の口調が変化していないのが証拠だ」


「・・・つまり、知識を上手く使っていけことなんですね?」


「そういうこと、君がその知識で何を成すのかは君が決めなさい。彼もそれを望んでる。後、彼と同じように転生している誰かにも会ってあげて、今は遠く離れているけど、正しく使えば会えるはずだから」 


「・・・まだ会えるか分かりませんが何とかやってみます。」

そうして目覚めた僕は知識を生かすために勉強を始めようとしたのだが・・・


「君は一体何者だい?」

その翌日、かの王子に声をかけられることになる。

多分昨日の一件だろうけど平民何ですけどこっち?

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