第4話 探検
<4ヶ月経過>
はい、お久しぶりです。カイトです。
ジジイが出て行って4ヶ月経ちまして、今度こそ落ち着きを取り戻しましたよ。
本当ですよ?
あれだね、今考えるとなんであんなにキレていたのかと思うね。
あのあと、一頻り叫んで疲れたから飯を食ったのよ。
そしたらね、一気に落ち着いたわけ。
お腹が減ってたんだな、うん。
人間腹が減るとイライラしちゃうもんね。
知らないうちにお腹が減ってたみたいだわ、まあ、3ヶ月も何も食ってなかったらそうなるわな。
だから、あれからは定期的に飯を食うことにしたんだよ。
いやぁ、ここの冷蔵庫はすごいね。
なんでも出てくるんだよ。
いや、おまえ何言ってんの?って顔してるのはわかるぞ。
俺もそう思うだろうからな。
むしろ俺なら「あ、関わらない方がいいタイプの人だ」とか思っちゃうね。
間違いない。
でもまあ聞いてくれよ。
えっとね、なんかね、冷蔵庫についてる機会に欲しいものを打ち込んでね、それから冷蔵庫を開けるとね、頼んだやつが出てくるのよ。
Amaz○nもびっくりの速さだわ。
翌日に届くどころか、数瞬だもんね。
まあ、欲しいもの選ぶのに時間がかかるけどさ。
最初に星を選択するんだけど、4回目くらいで、地球を登録したもんね。星の数が多いんだよ!
でも、なんでも出てくるのはいいよね。
あ、もちろん基本は飲食物だけだけどさ。
鉱物を主食にしてるやつがいるのか、鉱物含めて結構なんでも出てくるんだけどね、火薬とか。
火薬とかどう調理すんだよ。焼くのか?燃えないのか?わかんねぇよ。
ってな感じで、怖い食べ物?に頭を悩ませつつも一月が経ったわけですよ。
もうあのジイさんがいつ来るのかわからんよね。
忘れられてるのかな?忘れてんだろ〜な〜。
だって、最初の話では1週間だったんだよ?
それがもう4ヶ月経ってるんだ。
これで、忘れてませんでしたって言われたらもう嘘だよな。
マジでしばくよな。
話は変わって、今まで食事以外に何もしていないのか?ということについては、否だ。
さすがに、何もしないのは退屈に過ぎるからな。
かといって、この空間にあるのは寝室、キッチン、ダイニング、砂時計、それに転生用のセット一式(めんどいからまとめるゾ☆)ぐらいだから、今は暇な時間に筋トレとかランニングしかやることがないorz。
でも、ずっとそんなことを続けてるとこの空間でも鍛えることができるようでどんどん身体?が軽くなって短い時間でこなせるようになってきました!
最初は1日腹筋背筋スクワット50回ずつできればいい方だったのに、始めてから一月経った今では1日に余裕で1000回はイケるもんね。
ランニングに関しても、はじめは1km走るのに7分くらいかかってたのに今では10kmで20分くらいだからすごい成長だと思うんだよ。
うん、わかってる。
この成長はおかしいってことぐらい、ちゃーんと理解してる。
だって、中学生の頃でも速いやつで1km3分くらいだったもん。
高校生の頃の10kmマラソンじゃだいたいみんな50分がいいところで、速ければ40分台だったと思うもん、よく知らないけど。
でもさ、ここは地球とは違うわけだし。
世界が違えばいろんなことが変わってくるでしょ?
変わっててもおかしくないでしょ?
………………ん?なんか大事なことを見落としてるような気が…………。
なんだろう?
まぁ、いいけどさ。ってわけでこの成長速度は気にしないことにしたわけですわ。
つーことで、今日のメニューこなしてくるわ。
今日はちょっと頑張って筋トレ各5000回、ランニング100km行ってみよう。
<5ヶ月経過>
はい、さらにひと月が経ちました。カイトです。
なんかね、もうね、この生活に慣れてきてしまいましたよ。
もうずっとこのままでも十分に幸せじゃないかなぁーって感じ。
わかるっしょ?
だって考えてもみてよ。
この場所なら特に何もしなくても、ご飯はあるし、トイレは別に行きたくならないし(飯食ってるのにね?なんでだろう?)、風呂はあれば嬉しいけどなくても別に汗かくわけでもないからなくても困らんからね。
これは楽でいいよね。
でもこのままだらけてると生物的にダメになりそうだし、ダメになったタイミングであのジジイが来て転生ってなったら目も当てられないから、トレーニングは続けるけど。
さて、話は変わるが俺は今、猛烈に期待と興奮を抑えている。
別に変なもの食べて発情しているとかそんなんじゃあない。
な、なんと!
今までは見えていなかった場所が見えるようになっていたのだ!!!
バーンッ!!!
うん、効果音を足してみたがダメだな。
何言ってんのかわかんねぇわ、自分でも。
まあ、あれだよ。
面倒いから端折るけど、要は今まで使ってたダイニングその他以外の場所は真っ白だって言ってたじゃん?俺。
覚えてる?
それっぽいこと言ってるはずだから。
頑張って思い出してね。
もし言ってなかったとしたら、それはもうごめんとしか言えないわ。
まあ、見えなかったわけよ。
あたり一面真っ白な空間だったわけよ。
それが、今朝起きたら見えるようになったのさ!
なんとそこには、たくさんのドアがっ!!!
まあ、ビビるよね。
ここって第3休憩室って言ってたのに、部屋の中に部屋作るとか、バカのやることじゃん。
金持ちのバカのやることじゃん!!!
閑話休題。
話戻すわ。
要するに、なんか、どうやって立ってるのかわかんないけど、真っ白な空間の中にポツポツとドアが点在してるんだよ。
意味わかんない?
大丈夫、俺もわからん。
あー、あれだ。どこでもいけちゃう未来のドア的なやつが今現在、6個ほど見えてるのさ。
時計の位置からして、ジジイの出て行ったドアとは真逆なんだけどな。
ジジイにはこれが見えてたはずだから、よく間違えなかったな。
もしかしたら、俺が見えてないだけでまだまだあるかもだしな。
だって、見渡す限りの真っ白な地平線だし。
どこが壁かもわからん部屋だしな。
とりあえず、今から、部屋の中に突入してくるわ。
I'll be back!!!