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どーも。久しぶりの投稿ですね。はい。

すみません………。

小さい頃から父の代わりにドミお兄様が暗殺の稽古に付き合ってくださいました。昔からお兄様はとっても強くて私の憧れです!

いつもお兄様は、息も絶え絶えになる私に言うんです。


『もう、やめよう……?』


それに私は、きっぱりと応えました。


*****


「ドミお兄様、お久しぶりです!元気にしてましたか!?」

「うん!ボクはこの通り元気さ!」


ニッコリと笑うお兄様は、まじ天使です!この笑顔で何人の女性の心を射止めるのやらです。

こんなお兄様と血が繋がっているはずなのに、どうして私は………いえ、くよくよしても仕方ありませんね!うぉし!


「んー、でも、今の状況だと怪我人さんになっちゃうかも……」

「え?」


よく意味が分からなかったので、お兄様を見上げると、視線が合いません。しかも、『怪我人さん』って。可愛すぎですかぁ!?

一人で盛り上がっていると、お兄様が降ってきた脚を受け止めました。……………ん?え、降ってって。


「こらぁ!お嬢様!なにドレスでかかと落とししてるんですか!?」

「別に良いじゃん」

「良くないです!」


お嬢様をこんな子に育てた覚えは、私にはありません!


「まあ、それは置いといて。……おい、ドミル。なに人の使用人をたぶらかしてるの?」

「面白いご冗談を。これは兄妹愛と言うものですよ」

「兄妹愛でそんな密着する訳ないだろうが!」

「え〜。あ、もしかして」


お嬢様と私の頭の上に『?』が浮かぶ。もしかしてってなんですか?

クイッとお嬢様を引き寄せると、お兄様はお嬢様の耳元で言いました。


「エレリー。もしかして、ヤキモチ焼いてるの?」


しかもイケボで。羨ましいです。はい。


ぽかーんと魂な抜けたような顔をするお嬢様。はっと、我に返ると真っ赤になって殴りかかります。


「あたたたぁ〜」


まあ、頭にグーパンは痛いですよね。すごい勢いありましたし………。

その後、お嬢様はさっきやられたようにお兄様の耳元で、


「次やったら絞め殺す」


って言って逃げるように走って行きました。

んー、もっと、ロマンチストな言葉だったら「きゃぁ!」って、盛り上がれたのですが、あれはもう「ひぃぃ!」ですよ。怖いですよ!

まあ、当の本人であるお兄様はにへらっと笑って、嬉しそうにしているんですけどね。


「ララ?エレリー様追いかけなくていいんですか?」

「…ん、あ!そうでした!ではまた、お兄様!」

「うん……!」


ひらひらと手を振られ、私は走ってお嬢様を追いかけました。


*****


「嗚呼、早く帰りたいぃ………」

「もうちょいで、帰れるんですから、ちょっ、頑張って、ください………!」


ぐでーっとしながら歩くお嬢様を支えて前に押しながら、国王と王妃、そしてアラン様が待つ大広間に向かう。


「あれ?もしかして、お嬢様、重くなりま………」

「んん?なんか言った?」

「え、あ、いえ。なにも…」


扉の前に来ると槍を持った兵士が二人立っていた。

お嬢様は、優しい笑みを向けて「お疲れ様です」と言った。てか、さっきと人が違いますね、お嬢様。あ、兵士様達、めっちゃメロメロになってる〜。


開かれたドアの先には、きらびやかな世界ときらびやかな人物たち。その中にはアラン様もいます。

一段上の段差にある椅子に座るアラン様がとても遠い存在に見えてくる。乙女ゲームをしていた時の感情と一緒だ。


液晶越しに彼を想っても、次元が違うし結ばれることもアラン様に触れることさえできない。こんなもどかしい感情からは昨日までの出来事が嘘のように思えてくる。




アラン様の隣にいれるなら…………、



「エミリー・ルーセント、ただいま参りました。」

「おはよう、ルーセント公爵令嬢」

「おはようございます、国王陛下、王妃殿下、王太子殿下」


私はお嬢様の隣で、ただ顔を伏せて腰をかがめて挨拶が終わるのを待ちます。モブキャラにはそれらしい仕事です。


お嬢様は、今一番の王太子妃の有力候補です。それがとても羨ましくて、何処かがモヤモヤして喉の奥が苦しくって。


きっとヤキモチって、こんな感情なんでしょうね。

観覧ありがとうございました!

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