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ショートストーリー 新製品の威力を試したら

作者: 夢前孝行

ぼくは住友鉛筆の商品開発部に所属しており今度マッタク新しくて強力な接着力がある両面テープを開発しようとしていた。

今までの両面テープはありきたりでそれ相応の威力しかない。

でもぼくは何としても強力な接着力の両面テープを開発しようとしていた。

いろいろ試行錯誤を行いようやく試作品が出来た。

一年余(あまり)掛かった。

住友鉛筆も筆記具だけでは利益も横ばいで今後新しい商品を開発していかなければ将来会社存続の危機にさらされる。

その一環としてぼくは両面テープの新製品を作ろうとしていた。

他にも全く別分野で商品開発部では鉛筆の芯に使われているカーボンを使って燃料電池なる分野にも進出しようとしていた。

ぼくは幸い文具用品の中での商品開発だ。


試作品が出来上がったので完成具合を試してみようと思い、ある物に付けておいた。

さて! と思いながらぼくが開発している両面テープに理解を示していてくれる某大学の教授のところに行くことにした。


小一時間もして商品開発部のマネージャーの机の上に置いてある電話が鳴った。

マネージャーは丁度トイレに行っていて女子事務員が受話器を取ろうとするがナカナカとれない。

幾ら力を入れてもとれない。

男子社員に頼んだかそれでも受話器は取れない。

普通10回もコールしてでなければあいても諦めて電話を切るはずだが一向に電話は鳴り止まない。

そこへマネージャーがトイレから帰ってきた。

「かしてみろ! オレが取ってやる」

と自信満々に受話器を取ろうとしたがとれない。

おかしい! 誰だ! こんないたずらをした奴は?

と矛先が開発室にいる全員に向けられた。


ぼくはその様子を某大学の教授と一緒にモニターカメラで見ていた。

「良い物を開発したじゃないか。接着力も強力だ。これなら太鼓判が持てる」

ぼくと教授はこの様子を見て細く微笑んでいた。

実はマネージャーの電話機に両面テープを貼り受話器も両面テープを貼り付けていたのだ。


半年後この両面テープは実用化されて爆発的に売れてヒット商品になった。

                 二〇一六年七月二十三日



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― 新着の感想 ―
[一言] 教授の指示で電話に両面テープを貼ったのでしょうか??効果を試すなら違うもので実験してもよかったのではなかったか疑問に思いました。
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