国境を超えて
亜希19歳の夏。
最近、亜希は仕事の事で悩んでいた。
いつもミスばかりしてる自分が嫌でイライラしていた。
ある日、亜希は1人で海へ行きボーっと考え事をしていた。
すると、どこからか風にのって歌声が聴こえてきた。
「なんて綺麗な声なんだろう。歌も素敵だ。」
亜希は酔いしれていた。その歌は、どんどん亜希に近づいてきた。
歌を歌ってたのは20代前半の色が白くて目がクリクリでまつ毛がすごく長い男性だった。
亜希は気が付けば知らずに声をかけていた。
「素敵な歌ですね。」
男性はニコリと笑い歌を続ける。
亜希も、いつの間にか鼻歌にしていた。
歌い終えた男性が「ウタ、スキデスカ?」とカタコトで聞いてきた。
亜希は「えっ?日本人じゃないの?」と心の中で呟きニコニコしながら「はい。」と答えた。
「オレ、カンコクカラキタ。ニホンニ、ウタノベンキョウシニ。デモ、ニホンゴ、ワカラナイ…」
亜希は答えた。「日本語、上手ですよ。」
「オレ、アシタ、カンコクニ、カエルネ…」
「マタ、ハジメカラ、ヤリナオシ。」
亜希は「そうなんですか?私は貴方の歌、好きですよ。」
「アリガト、オレ、ナマエ、ユン・ジエ。アナタハ?」
「あ…私は亜希です。」「アキ?アキサン、マタ、ウタ、キイテクレマスカ?」「もちろんです。私、ユンさんのファンになります。頑張って下さい!」ユンは亜希に連絡先を教えて、そのまま姿を消した。