8.重罪人
◇◇◇◇
「ウ……オ…………?」
俺は目を疑った
いつものウオの髪は真っ白だったはずが、今その髪はうっすら赤くなり、透き通った海のような瞳は黒く濁ったどす黒い海色へと変色していた
ウオの周りにはあの水の泡が浮かんでいたがあの時の四足の魔物の時とは違う水の泡だった
あの時はウオの周りをふわふわと優雅に浮かんでいた、まるでウオを守るかのように
しかし、今の水の泡はまるで目の前の少女を敵視しているかのように剣、斧、ナイフ、槍と鋭利なものへと形を変え、それを少女へ向けていた
「ウオ!!!」
◇◇◇◇
「あっナナセくんだ!」
うしろからナナセくんの僕を呼ぶこえがきこえた
ふりむくとそこにはいつもかっこいいナナセくんのすがたがあった
「……ウオ、もうすぐ彼らの目的地につくからお別れの挨拶をしなさい」
「はーい」
目をパチパチしている女の子にバイバイを言った僕はナナセくんと一緒にみんながいるところへいきました
女の子はこわくてにがてだったけど、この「まおうのなんちゃら」っていう本と出会えたのは女の子のお陰だからちゃんとあいさつをした
……でも、「まおうのなんちゃら」ってまおうがもってるんだよねぇ、まおうってどこにいるのかな?
歩いていると、まちをはっけん!
まちに入ろうとしたとき、リリットさんが僕にギウロさんの大きなマントを頭からすっぽりかけられました
「いい、絶対にこれを外したらダメだからね!
……あ、あれよ、ここの日差しはウオには暑いから日焼けしないようによ!」と外したらダメと何回も言われたので頭の上に乗ったマントをりょう手でかみをかくすように下へさげるとレオさんが「偉いなーよし、良い子へのご褒美」ということで、お馬さんにのせてもらった!
そのまま、ちかくにあったまちの中にはいっていくことになったけど、気が付いたらナナセくんは知らないおじさんとお話してるし、ギウロさんもお店の中にはいっちゃったし、レオさんはごはんを買いにいってリリットさんはキラキラ光る石ころをみていてとってもひまです
そんなとき、目の前の広場がワイワイしはじめました
……おまつりかな?おまつりなら行きたいなぁ
ギウロさんに一人でどこかへいったらだめ!とたくさんいわれたので僕のま下にいるお馬さんにおねがいしてみよう!
「お馬さん……あっちいきたい」
そう僕がいうとお馬さんは首を横にふります
むむっがんこだなぁ
「う……いきたーいぃぃ!!」
「……」
ブルッとお馬さんがなくとパカパカとワイワイしているところへいってくれました
良いお馬さんだー!
ワイワイしているところへいくと人がわんさかわんさかでした
人が見つめるさきはお馬さんに乗っているおかげでみることができます
見ているさきには、木でできた大きな台のうえにピカピカのお洋服をきたおじさんとそのとなりにはボロボロのお洋服をきたおじさんがいました
ピカピカのおじさんがなにかを言うとうしろからぴっしりしたかっこいいおじさんたちが三人歩きながらゆっくり台の上にのり、ボロボロのおじさんのすぐそばにくるとピッタリと止まりました
「なにがはじまるの?」
「あ?今からあのおっさんは重罪人。
法律を犯して同性愛なんかやっちまったんだ、だから今から処刑が始まるんだよ」
近くにいたお兄さんにはなしかけてみるとお兄さんは楽しそうに答えてくれました
しょ……けい?なんでしょう、全く知らないおまつりのなまえですね
「どうせいあい?」
「知らないのか?男が男を好きになることだよ」
「え…好きになったらいけないの?」
「いけないに決まってんだろ、そもそも気持ち悪いだろ?」
「えぇ気味が悪いわ……男が男を好きになるなんてヘドが出るわ」
「しかも、あの男…結婚なんて考えてたらしいわよ……」
「気味が悪い」
お兄さんのはなしを近くで聞いていたほかの人たちが口々にそういった
「男が男を好きになるなんて…いけないことなの」
「なれば重罪人、死ぬしかないのよ」
「あ……」




