2.おきゃくさん
「こんにちはおにさんたち、僕らの村に何かごようですかー?」
今日もきのこかりに出かけようと村を抜け出そうと
すると村の入り口にとーってもかっこいいおにさんときれいなおねえさんに大きなおじさんと馬にのったおにいさんがいました
「こんにちは、ボウズ…一人か?」
大きなおじさんは僕のあたまをなでなでしながらお話してきました
「ううん、今かーさんと二人しか村にいないのー
みんないまねーあそびにいってるのー」
「そうか…ならボウズのかーさんに会わせてくれるか?」
「えー…でもあやしい人についていったらだめってかーさん言ってた」
よくかーさんが「あやしい人を見付けたらすぐに逃げなさい」って言ってたしな…あ、もうお話しちゃったけど…だいじょーぶかな?
「少年、大丈夫だ…俺たちは怪しいものではない」
とかっこいいおにさんは言いました…うーむ
どうなんだろ、いいのかな?この人たちあやしい人じゃないって言ってるし…いいかな?
「わかったー!いーよ」
◇◇◇
俺たちは世界を滅ぼそうと企む魔王を倒すため旅をしていた
その旅の途中、焼け焦げた小さな村を発見する
近づくと血の臭いが漂っていた
魔王の僕、魔物は血の臭いの漂う場所によく現れる
なのでよく戦場にも魔物は現れ兵士たちを食いちぎっていく
ここを通る人に万が一があるため、俺たちはその村を消そうと考えていると目の前から一人の少年が現れ笑顔で
「こんにちはおにさんたち、僕らの村に何かごようですかー?」
と語りかけてきた
少年は村人は母親以外皆何処かへ行ってしまったと行っていたが、それは嘘だと村に入ってすぐにわかってしまった
村の中には大量の人の骨が散らばっていた、その中には魔物の死骸も何十体も存在している
あまりの酷い光景に聖女は嘔吐を繰り返していた
騎士は顔色を真っ青に染めていた
「かーさん、おきゃくさーん!」
そんな彼らなどお構い無しに少年は地面に散らばった骨を踏み砕きながら一つの家だったものの中へと入っていく
この中にいる少年の母親に何故こうなってしまったのか、それを問おうと中にはいるとそこにはぼろ切れになってしまった女の衣服を着こんだ人間の骨が壁に寄りかかっていた
「かーさん、この人たちねーあやしくないひとたちなんだよー!」
その骨の元に歩みより少年は骨に向かって話を始める
「へへー、そうでしょーあやしくないひとたちでしょー」
まるでそこに誰かがいるかのように少年は会話を始めていると突如、少年の後ろの壁が砕け落ちた
そこには大きな二つの角を生やした魔物が少年を襲おうと突進をする姿が
「ボウズあぶねぇ!」
傭兵が少年に向かって叫ぶが少年は会話に夢中で全く動く気配がなかった
俺は直ぐ様少年の背後に立ち、国王から授けられた聖剣を抜き魔物に向ける
このまま突進をしてくれば俺が真っ二つにしてやる
そう考えていたが、突然俺の背後から大きな水の塊宙を舞いながらが現れ、そして魔物の顔を包み込んだ
「ゴッゴゴッ!!…ガボッ…ガガ…!ゴ…」
魔物はまるで海のなかで溺れているかのように苦しそうに口から泡を吐き出す
そして、数分で魔物は泡を吐き出さなくなった
「い、いったい…な、なにが」
グシャ…グシュ…
騎士の戸惑った声と共に魔物の顔を包み込んだ水は魔物の顔から離れたと消えるかと思いきや水は剣のような姿に形を変え、魔物をその剣で切り刻み始めた…まるで紙を切っているのように容易く…
「…一体なにが…」
もう魔物は魔物の姿をしていなかった
水は満足をしたかのように何処かへ戻っていく
そこは少年の足元からだった…