表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者伝承魔王伝  作者: 善信
17/106

第二話 其の六 上位魔族との攻防・前

ほとんど無防備にダラリと立つラルド。

攻撃に備え、斬り込む隙を狙うロッシュ。

それでも、先手を取ったのはラルドだった!


ゴウン!


重い金属音が響く!

電光石火の勢いで繰り出されたラルドの拳を、ギョウブは辛うじて盾で受け止めていた。しかし、盾は大きくへこみ、ギョウブも体勢を崩す。

「お?」

攻撃を防がれた事に心底、意外といった表情のラルド。そこへロッシュが斬りかかる!


ギィン!


またも激しい金属音!

無手にもかかわらず、ラルドはロッシュの剣撃を止めていた。

「おおおおおっ!」

「お?お?」

初手は止められたが、構うものかと次々に剣を振るうロッシュ!術式を使う余裕も隙も無かったが、【電撃剣】の能力を発動させ、身体能力を上昇させる。

体に雷を纏わせながら、徐々に鋭さを増していくロッシュの攻撃に、ラルドは驚き、そして笑った!

「こっちからも行くぞ…」

受けに廻っていたラルドが反撃を始める。


受け!捌き!かわし!弾き!

突き!薙ぎ!斬り上げ!斬り込む!


嵐のような剣撃と拳撃の渦の中で、それでもロッシュとラルドはお互いに有効打を入れる事が出来ずにいた。


「っ!」

ラルドの一撃をわずかに捌き損ね、ロッシュがほんの少し体勢を崩した。

その隙を逃がすまいとラルドが迫る!が、その動きが、ガクンと止まる。いつの間にかリシュリンによって操作された魔界の植物が、ラルドの足首に絡み付いていた。

「あ?」

ラルドが動きを止めた次の瞬間、獲物を締め上げる大蛇のごとく、ラルドの足首から這い上がってくる植物!

「鬱陶しい!」

締め付けてくる植物を引きちぎるラルド。その意識が、一瞬だけそちらに逸れる。


その隙を突いて、ギョウブが砲弾のごとく突撃してきた!


ロッシュとラルドが攻防を繰り広げていた時、へこんだ盾を捨てて、ギョウブは一撃で仕止めるべく狙いを定め続けていた。

そして、ラルドがリシュリンの植物に気を取られたその時、溜めていた力を解放し、蹴り足で床を破壊しながらラルドへ突進する!


ラルドの腹に大穴を空けんと迫るギョウブの一撃を、それでも右手でいなし、体を捻って辛うじてかわす!

「ぐっ!」

だが完全にはいなし切れず、右手はズタズタなり、胸の肉を抉られる。

「んの野郎!」

交差したため、ラルドに背中を向ける形になったギョウブに攻撃をすべく、左手を振りかぶる!


そこへ、さらなる追撃をかける者がいた!気配を消し、上空に糸で待機していたシィランである!

無音で忍び寄るその両手には、黒刃のダガーが握られ、鋭い爪を持つ四本の複腕がラルドの首を狙い、六方向から振るわれた!

思ったより長くなったので、話を分けます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ