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15 ゴブリンの巣の探索3

戦闘および残酷な描写・表現があります。

「なぁ、レオナール。念のためこの巣全部探索してからにしないか?」


「他に強敵がいるなら、それでも良いけど、その言い方だと違うわよね? 大丈夫、普通のゴブリンなら、頼まなくても応援の人たちが狩ってくれるわ」


「な、なぁ、もしかしたら何か臨時収入になる財宝の類いも見つかるかもしれないだろ?」


「ナイトの装備にしても、暫定キングの装備にしてもたいしたことなかったもの。あまり期待できないわね。

 それにザコ相手ならともかく、強いかもしれない敵との戦闘前に、ムダに荷物増やすのもね」


「それ、オルト村のダンジョンで聞きたかった台詞だな、おい」


「やぁね、豆は一応役に立ったじゃない」


「たまたまで、ただの運だろ! だいたい狙ってやったわけじゃないくせに!!」


「あの時はそういう気分だったんだもの。どうせろくに金になるものなかったじゃない、ミスリル合金以外」


「さっきあんな強そうなやつとやり合ったのに、まだ足りないのかよ!」


「倒せたのはルージュのお陰だし、自分で倒したとは思えないもの。どっちかと言えば、ルージュの補助の介錯役?

 もっとこう、思い切り悔いなく、全身全霊で全力で斬った!って気分になれないと、つまらないわよね」


「あれだけ大量に斬ったのに、まだ足りないのかよ、この脳筋! お前には疲労とか倦怠とか、そういうものはないのかよ!」


「まだまだイケるわよ? 一度に囲まれたらキツイけど、あと百体くらいまでなら問題ないと思う」


 笑いながら言うレオナールに、アランはゾッとした。


「あと百体とか勘弁してくれ。どれだけ無尽蔵な体力してんだよ」


「筋力と耐久力はともかく、体力と持続力には自信があるわね」


 レオナールは胸を張った。アランが呻き声を上げた。


「くそ、まともな神経じゃお前にはついてけねぇよ、人外レベルだろ! お前と同等な体力してんの、オーガかその幼竜くらいだろ!!」


「たぶんルージュの方が、私より体力も持久力もあると思うわよ? それよりアラン、そろそろ体力に余裕ないなら、ルージュの背に乗る?」


「……お前、本当、戦闘に関係ないことには記憶力皆無だな」


 アランはガックリと肩を落とした。


「え? だって私はアランをおぶって戦闘なんかできないわよ?」


「誰もそんなこと期待してねぇよ! お前に言ったはずだよな、俺に体力筋力、運動神経その他を、求めるなって!」


「そうだったかしら、記憶にないわ」


「ああ、そうだろうとも! お前ってそういうやつだよな!! 自分が興味ないことは、どれだけ言ってもすぐ忘れちまうんだ!

 言うだけ無駄で徒労だってわかってて、ついやっちまう俺が悪いんだよな!!

 下手にお前が人間の言葉理解して会話が通じてるように見えるから、うっかり期待してバカを見るんだ!!」


「なに? それ、盛大なひとりごと? 頭のおかしい人みたいに思われるから、ひとりごとを大声で叫ぶのはやめた方が良いわよ?」


 怪訝そうに、首を傾げて言うレオナール。


「……いっそ悪意や邪気があった方が、マシだよな」


 アランは深い溜息をついた。自分は何度失敗したら、学習するのだろうと、自己嫌悪する。

 何をどう言い替えても理解できない相手と会話するのは無駄に疲れる。

 自分の言葉が、気持ちが少しでも相手に伝わっているのなら、これほどの徒労感はないだろう。そして、たぶんこの相方は、一生このまま変わらないだろうということもわかっている。


(結局、俺が諦めて、他に方策を考えるしかないんだよな)


 気分を落ち着けるため、目を閉じて深く息を吸い、ゆっくり吐き出し、呼吸を整え、熱くなった頭をクールダウンさせる。


(平常心、平常心。俺が冷静にならないと、こいつは何処まで暴走するかわからない。放置すれば、問題しか起こさないんだから、俺は自分に出来ることをしないと)


 ふぅ、と息を吐いて、目を開く。


「とりあえず小休止を取ろう。お前自身は疲労を感じてなくても、これだけ連戦が続いてるんだ。大なり小なり、疲れはあるはずだ。

 何があるかわからない。移動する前に、水と干物類で軽食を取ろう。水分はもちろん、糖分や塩分は取っておいた方が良い」


「わかったわ。ルージュはたくさん食べたから、腹ごなし休憩かしら」


「きゅう?」


 ルージュは不思議そうに首を傾げた。


「ドラゴンの生態は、良くわかってないからな。伝説だと、人と比較すると無尽蔵、あるいはそれに近い体力と魔力を持つと言われてるらしいが」


「ふぅん、それはすごいわね」


「幼竜も同じかは知らないぞ? 何しろ、幼い竜を育てたという記録とか事例は聞いた事がないからな。

 もしかしたら、高位貴族や王族、あるいは神殿などで秘匿されているだけかもしれないが、俺の調べた限りは見つからなかった。

 ドラゴンに関する専門家がいるなら、話を聞いてみたいが、たぶん無名の俺が訪ねても門前払いだからな」


「わからないなら、無理して調べなくても良いわよ。別に特に困ってないから。まぁ、そういうのはアランの趣味や習慣みたいなものなんでしょうから、好きにすれば良いけど」


「まぁ、趣味と言われたらそうかもしれないが」


 アランは複雑そうな表情になった。例え無駄でも、一応レオナールのためにも調べておいた方が良いと思ったのだが、自分が興味を持ったから調べたというのも事実である。


 アランはなるべく汚れていない場所を探して腰を下ろし、背負っていた荷物から、水筒と干した果物を取り出した。レオナールは干し肉を食べるつもりのようである。

 ルージュが干し肉に興味を示したが、レオナールが一切れ与えてみると、しばらく咀嚼していたが、不思議そうに首を傾げ、それ以上は興味なさげにそっぽを向いた。

 代わりに、周囲の警戒に当たることにしたようである。邪魔にならないように、尻尾を立てて直立して、左右に首をゆっくり振る様子は、見ようによっては愛らしく見えない事はないが、それに絶対騙されるものか、とアランは考える。


「やっぱり加工した肉より生肉の方が好きみたいね」


「そりゃ、ドラゴンだから、そうなんだろうな。あの前足じゃ、調理や加工なんかできないだろうし」


 肉を調理・加工するドラゴンなんてものが存在するなら、ちょっぴり見てみたい気もするが。


(ドラゴンとか、1頭いれば十分だよな。まともに全部賄うことになると、食費が大変なことになるし)


 アランは少し塩気のついた干したプラムやオレンジ、ナッツなどをゆっくり咀嚼しながら、ぼんやり考える。


「で、アランはここを出たら、何処へ向かえば、いると思う?」


 レオナールの言葉に、アランは顔をしかめたが、渋々答える。


「……他に、巣が見つからないようなら、お前が最初に見つけた巣だろ。入り口付近は変わらないように見えても、もしかしたら、この数日で拡張されている可能性もゼロじゃない」


「なるほどねぇ」


 レオナールが感心したように頷いた。


「でも、そっちは今頃、アドリエンヌやオーロンたちが向かってるはずだろ?

 だとしたら、俺達が行っても、最悪無駄足になるかもしれない。だから、一応念のため、他を探索してから……」


「ふぅん、で、アランが行きたくない方角は?」


 レオナールの質問に、渋面になるアラン。それを見て、レオナールはクスクス笑った。


「なるほど、じゃあ、あっちの巣に行きましょうか」


「……なんで、お前、俺の顔見ただけで、わかるんだよ」


「う~ん、何となく? 良くわからないけど、ピピッと来るのよね。不思議よね」


「嫌な特技だな、それ」


 アランがぼやくと、レオナールは肩をすくめた。


「難しいことや面倒なことは、良くわからないのよね。興味のある事だけに、勘が働く感じかしら?」


「お前にとっては都合の良い特技なんだろうな、それ。でも、ここ、たぶんこの森のほぼ中央だろ?

 ここにこれだけ広い巣があるんだから、他のどの場所にあってもおかしくないってのは、わかるだろう?」


「でも、ゴブリンの巣がいくらあっても、それを養うための食料は、無限じゃないわ。

 やつらが、森の外にまで狩りに出てるっていうなら、ともかく。でも、森の外にも被害が出ているなら、とっくにその情報や被害報告が来ていても、おかしくないでしょ?」


「……まぁ、そうだな。人間の被害が皆無ってわけじゃなさそうだが。でも、念のため、苗床になってる人の被害者がいないかだけ、確認しておかないか? 放置すれば、被害が拡大するだけだ」


「あぁ、そう言えば、建前の件があったわね。面倒くさいし、早くあっちへ行きたいけど、一応確認した方が良いのかしら?

 でも、私たちに出来ることって、被害者がこれ以上苦しまないために、とどめを刺してあげる事くらいでしょ」


「仕方ないだろ。助けられるものなら、助けてやりたいけど。囚われているだけの状態の人がいる事を、期待するしかない」


「アランって、時折良くわからないわね」


 レオナールが首を傾げる。


「面倒事や厄介事は苦手だが、別に人助けが嫌いってわけじゃないぞ。他にやってくれる人や、責任持ってくれそうな人がいれば、そっちに任せるけど。

 嫌なことは、なるべくやりたくないけど、他にやるやつがいなければ、仕方ないから自分でやるってだけだろ」


「ふぅん」


 わかったような、わからないような顔で、レオナールは頷いた。アランは、わかってないんだろうな、と考えて、苦笑した。


「たぶん、俺が、何でも出来る有能かつ万能人間だったら、何でも無条件にでも、請け負うだろうさ。でも、そうじゃないからな。

 自分より出来そうなやつに振った方が良いし、確実だろ。自分で出来そうにないこと、最後まで責任持てそうにない事は、最初から手を出さない方が良い。……後がキツイからな」


「まぁ、そんなどうでもいい話は、ともかく」


 レオナールの言葉に、アランは思わずガクッと来る。


「他には、どんな敵がいると思う?」


 ワクワクした顔で聞いてくるレオナールに、憮然としながら、アランは答えた。


「そんなの俺にわかるはずないだろ。でも、たぶんあのナイト級はいるんじゃないかな、何の根拠も無い想像で、憶測だが。

 あと、クイーンがいたんだろ? どんなだった?」


「確認だけして、戦闘はしてないのよね。私が見た時は身重で、動きも鈍重だったし。

 周囲の取り巻きも、クイーンの護衛が主で、積極的にこっちに襲いかかって来なかったし」


「はっ!? おい、それ、初耳だぞ!?」


 アランが顔色を変える。


「え? そうだったかしら。でも、ほら、わかるでしょ? 他に私がクイーンを残す理由なんて、ないじゃないの」


 レオナールがケロッとした顔で言うと、あちゃぁと言わんばかりに、アランがペシリと自分の顔を叩いた。

 そして、ものすごいしかめ面で、嫌そうに告げる。


「……なぁ、それ、たぶん次世代のキングか、その候補だと思うぞ」


 その言葉に、レオナールは目をパチクリさせる。


「あら?」


 どうやら本気で知らなかったらしい。こいつは、どうしてそんな初歩的な知識すらないんだろうか、とアランは頭が痛くなった。


「お前さ、ゴブリンの動きとか、様子見ても、判断できないのか?」


「え~、だって、結局のところ、全部斬れば済む事じゃない?」


「……お前というやつは」


 アランは呻いた。


「それにしても、それ、かなりヤバイぞ。わざと秘匿したわけじゃなくても、知ってるのと知らないとでは、かなり違う。

 一応俺も口添えしてやるし、ギルマスとリュカさんはわかってくれると思うが、あのアドリエンヌとかは違うぞ。絶対、難癖または抗議して来る。間違いなくだ。

 たぶん、さっきの暫定キングは老齢で、そのクイーンは、次世代の王を生むために、巣立ちまたは巣分けしたんだと思うぞ」


 深刻な表情で告げたアランに、レオナールは満面の笑みを浮かべた。


「やったぁ! ラッキーじゃない!! やっぱりクイーン放置しておいて良かったわ! これで当面の楽しみが出来たってわけね!!

 そうとわかれば、先取りされる前に行きましょう!!」


 嬉しそうにはしゃいで言うレオナールに、思わずアランはその場に突っ伏した。


「……なんで、お前はそうなんだよ、くそっ」


 アランの嘆きをよそに、レオナールはいそいそと荷物をまとめ始めた。


「あら、アラン。何故そんなところで寝てるの? 早く移動しましょう」


「どうせ、それは決定事項なんだろうな、そうなんだろうな。お前にとっては、より強い敵を斬る事以外にやりたい事なんか、ないんだろうしな」


「ほら、早く! グチグチ言ってないで、準備してよ、アラン!!」


「お前なんか嫌いだ」


 アランはぼやきつつも、渋々荷物をまとめて、移動の準備を始めた。



   ◇◇◇◇◇



 一方、その頃のアドリエンヌや《静穏の閃光》メンバーその他は、調査予定のゴブリンの巣に到着したところだった。


「ここが、その巣か。気を引き締めて行こう。姿は、一般的なゴブリンと同じでも、強化されている上、数が多いみたいだからな」


 ジェルマンの言葉に、マイペースのフランソワーズと、言葉が良く理解できないレイシア以外の全員が、真剣な顔で頷いた。

 一見、入り口付近に、ゴブリンの姿はないように見えたが、


「気を付けて。入り口付近の壁際に、たぶん4体ほどいる」


 ダットが警告した。全員武器を構え、戦闘に備える。ジェルマンが振り返り、全員の顔を見渡し、頷いた。

 アドリエンヌとクレールとフランソワーズが、妨害魔法や攻撃魔法の詠唱を、ベルナールが支援用の精霊術の詠唱をそれぞれ開始した。

 ダットは後衛に下がり、弓矢の準備をし、オーロンは中衛へと下がってバトルアクスを正面に構える。

 ジェルマンの前に、盾とロングソードを構えたセルジュが立ち、ジェルマンがハルバードを構えた。


「……来る」


 ダットが告げると、洞穴から、槍持ち2体と、弓持ち2体のゴブリンが現れた。


「ギギャギャアッ! ギガァ!」


 アドリエンヌの《束縛の糸》、クレールの《鈍足》が発動し、遅れてフランソワーズの《炎の旋風》、ベルナールの《攻撃・回避速度上昇》が発動する。

 《束縛の糸》《鈍足》が4体全てにかかり、《炎の旋風》が、弓持ち2体を燃え上がらせた。

 そこへダットの放った矢が、槍持ち1体の額に突き立つが、傷が浅かったようで、止まらない。

 突進して来るゴブリンたちを、セルジュが盾と槍で留め、いなし、ジェルマンが向かって右のゴブリンの肩先辺りにハルバードの刃を振るう。

 オーロンは中衛へ下がっていたが、それを見て顔をしかめ、バトルアクスを振り上げ、突進した。


「うぉおおおおっ!」


 額に矢が突き立っている、向かって左のゴブリンの頭部を叩き割るように、バトルアクスを振り下ろした。

 ゴブリンの額が叩き割られ、崩れ込んだ。右のゴブリンは、傷を負っても気にする様子もなく、素早く連続して槍を突き込んで来る。

 それを防ぎ、あるいはいなすセルジュに危うさはないが、ジェルマンが何度ハルバードを急所目掛けて振るっても、動きが悪くなる事はあっても、倒れる様子がない。


「おかしいわ……! ゴブリンがあんな頑丈なはずがないのに!!」


 アドリエンヌが悲鳴のような声を上げ、オーロンが渋い顔になる。


「……まさか……な」


 オーロンが小さく呟く。が、気を取り直して、ジェルマンに加勢する。二人掛かりで攻撃すると、呆気ないほどすぐに、ゴブリンは倒れた。

 そこへ、やけどはしたものの、かろうじて生き残った弓持ち1体がよろめきながら、炎の中から現れる。


「があああっ!」


 オーロンの戦斧(バトルアクス)と、ジェルマンの槍斧(ハルバード)が、ほぼ同時に振るわれ、弓持ちの命を絶った。

 そして4体全ての絶命を確認すると、ジェルマンが苦い顔で、全員の顔を見渡した。


「……このような状態のゴブリンを見たのは、初めてだ」


 ジェルマンが言うと、硬い表情で《静穏の閃光》のメンバーも頷く。


「ゴブリンクイーンが目撃されたとは聞いていたけど、明らかにおかしいわ」


 愁眉を寄せて、アドリエンヌが言う。ダットは後ろを振り向き、周囲を警戒している。

 フランソワーズは『さすがお姉様、眉間に皺寄せてもなお、お美しいわ』などと呟いている。


「……推論というより、憶測に近いのだが」


 オーロンが口を開く。


「群れにキングが生まれると、その群れのゴブリン全てが強化される場合がある、という話を聞いた事がある」


「まさか……!」


 フランソワーズとレイシアを除く全員が目を見開き、絶句する。


「……この巣には、ゴブリンキングが生まれているかもしれないって、いうのか?」


 ジェルマンが真剣な表情で言う。


「わしも、直接見聞きしたわけではなく、人から聞いただけだからな。これがそうなのか、確信持っては言えん。

 だが、物事は一番最悪のものを想定して当たる方が、そうでないより、幾分マシだと思う」


 オーロンの言葉に、沈黙が訪れた。

思ったより長くなったので、最低でもあと4~5話以上続きそうです。

ちょっと精霊術の魔法名が適当すぎかも。他の言い換え思いつきませんでした。


以下修正。


レオナールの台詞をいくつか漢字→平仮名に


×やるのがいなければ

○やるやつがいなければ 

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