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9月2日 色々ハチャメチャ始業式

AM9:30




「校長先生、ありがとうございました。

それでは続いて二学期から皆さんと一緒に過ごすことになる

転入生を紹介したいと思います。」



色々あった夏休みも終わり今日は

中学校の始業式である。


日生の片割れが

事故に巻き込まれたりもしたけど、

最終的に誰も欠けずに夏休み明け

登校して来てくれたのは、

実に嬉しい限りだ。




ただいま校長先生のお話が終わり、

これから萌ちゃんたち

転入生の紹介に入る所。

ちなみに不肖この清水が司会役である。


夏の終業式まではこの司会は

司さんの役割だったのだが、

炎天下(結局くもりだけど)の中

大変だということで、

無理を言って変わってもらったのである。


しっかり務めて司さんを安心させてあげないとな。





「それでは転入生の皆さん、

前に並んでもらいますか?」


俺の声に合わせて、

木下先生が転入生達を朝礼台の横に並ばせてくれる。


今回2学期にしてはかなり多くの転入生が前に並んでいるし、

温泉津さんみたいに今朝は来られない転入生もあと何人かいるみたいだ。

本当新町長になってから、町への移住者が増えているよなー。

まあ、中には馴染みの顔もチラホラいて

純粋に移住者ばかりって訳ではないんだけども。






「それでは折角ですので、

一人ずつ壇上で名前と学年、

あと何か一言お願いしたいと思います。」

「「「「「ええ!?」」」」」

「「「「「おーーー!」」」」」

「し、清水君、なに勝手に!」

「まあまあ先生方、

あいつも考えがあってのことですから。」




俺のいきなりの無茶ぶりに対し、

仰天する転入生達と、

だるーい始業式が

何か面白い展開になってきたことに

良いリアクションをしてくれる生徒達。

そして台本にない俺のアドリブ唖然とする管理職達と、

苦笑いでそれを宥める司さん。



いやいや、こういう機会にアピールすることは

今後を考えても大事ですって。

カラスマント達の水着コンテスト見て、

こういうのも良いって改めて思ったもんな。

教室での自己紹介はもっとディープに行くとして、

軽くでいいからやってもらいましょう!

そして司さん、フォローサンキュー。





「では最初は鹿島さんからお願いします。」

「え、ほ、ホントに台の上でやるんですか?

き、緊張するよー。」

「「萌ちゃん頑張ってー!」」

「涼ちゃん、香乃子ちゃん!!

うん、萌頑張る!!!

皆さん、始めまして!

鹿島萌(かしまもえ)と言います。

この前までうろな総合病院に

入院してましたが、

初めて普通の学校に通うことができました。

分からないことが多いと思いますが、

精一杯頑張りますので、

困った時は助けてください。

お願いします!」

「あれ、水着コンテスト出てた娘じゃねえ!?」

「色白でかわえー。」

(ギロ!)

「合田っち、何で俺らを睨むんだ!?」



文芸部の連中のエールも受けて、

見事一番槍をやり遂げた萌ちゃんが

若干顔を赤くしながら台から降りて来る。




うんうん、こういうのを通して

度胸を付けてくれたら嬉しいよな。

合田、あとでちゃんと褒めてやれよ。







萌ちゃんのおかげで場が盛り上がったため、

その後の子達も緊張しながら何とか

やり遂げることが出来た。



渚ちゃんは大分緊張しちゃって

「•••青空渚(あおぞらなぎさ)です•••よろしく•••」

みたいな感じだったんだけど、

「あ、ARIKAの子だ!

セイレーンの妹さんで、

発明家なんだよな、確か?」

「あの子すげー頭いいらしいぜー。」

「渚ちゃん、勉強教えてねー!!」

と夏休みに遭遇した奴も多かったのか、

反応は上々だった。

隆維•涼維なんかがフォローの必要がなかったことに

少し驚いていたぐらいである。




そんで一番目立っていたのは

如月瑠奈(にょげつるな)です。

とりあえず全校男子、いや女子も含めた

全員に宣言しておきます!

如月レイはボクの嫁なので、

文句のある人はかかって来てください!!

以上です。」

「ル、ルナーー!!

なに、言ってるのーー!!!」

「すげー、全校生徒の前で公開告白しやがった、

あの娘ーー!」

「レイちゃん、水着大会から狙ってたのに、

いきなり先制パンチかよ。

でもあの娘もめっちゃ可愛いよなー。」

「精霊ってあんなんばかりなのかよ•••

何か不幸の予感がする•••」

「学校の平和を乱すようなら、

陰陽師の私が許さないよ!」

「ルナちゃん、レイちゃんとそっくり!

どんな関係なのかなー、

気になるーーー!!」

と最後に登場して全校生徒にいきなり嫁宣言をかました、

如月さんだった。

そのナナメ上な発言と可憐な容姿によって、

生徒は更にヒートアップ。

彼女の名は一発で全校生徒に覚えられた

ようだった。





•••あの娘、うちのクラスなんだよな。

正直この後クラスでの自己紹介がどうなるか、

怖いんだが•••

まあ、こんだけインパクトがあれば

十分馴染んでくれるだろうが。


転入生が多いから萌ちゃんとか

渚ちゃんの校内案内は、

顔見知りである

合田辺りに任せようかな。

•••今のあいつは俺には

逆らえないからな。

まあ、校内合法デートみたいな

もんだから、

役得だと思ってくれよ。



よし、それじゃあ、締めの一ネタ行きますか!




盛り上がりすぎたことに若干の懸念を

覚えながら、

最後にしっかり締めようと

呼吸を整える俺。






「では全員紹介が終わりましたので、

これで終業式を終わらせていただきます。

皆さん、二学期も仲良く過ごしてくださいね。

•••あ、そうだ、もう一つ皆さんに

お知らせがあります。

皆さん、右手にいる梅原先生を見てください。」

「おいおい、本当にここで発表するのか?」


一斉に梅原先生を見る生徒達。

流石に恥ずかしそうな司さん。

すでに事情を知っている生徒もいるはずだが、

みんな興味津々の様子である。





「先生の左手の薬指を良く見てくださいね。

あと私の左手も。」

「あ、指輪ーーー!!

しかも清水先生のと同じー!!!」

「ついに清水、やりやがったのか!!!」

「マジで!鬼小梅ゲット!!」

「ということで大体お分かりですね?

はい、知っている人もいると思いますが、

私と梅原先生は先日結婚しました。

でも学校ではこれからも梅原先生と

呼んでもらって大丈夫ですよ。」


恥ずかしそうに左手を上げる司さんを見て、

もう大興奮となる生徒達。

みんな、良いリアクションをありがとう。





「それと先生の左胸を良く見てください。

うさぎのマークがついているでしょう。

あれは『にんぷうさぎ』という

この町独自のマタニティマークです。

あのマークを付けている人は

仮にお腹が大きくなくても妊婦さんですので、

皆さんバスや電車では席を譲ってあげてくださいね。」

「•••ということは!?」

「キャー、そこまでいっちゃったの!!」

「はい、先生のお腹には双子の赤ちゃんがいます。

みなさん、是非、先生を気遣ってあげてください。

それでは今学期も一緒に頑張りましょう。」

「マゾ清水がエロ清水にランクアップしやがったー!!!」

「この鬼畜ロリコン教師ー!!!」

「鬼小梅が鬼子梅に!!なんてこったい!!!」

「パパ清水にママ小梅!!

何、この学校ーーー!!!」

「小梅先生、おめでとー!!

そして清水先生、マジもげろーーー!!!」



俺の衝撃の2大告白により

校庭は最高潮大混乱となり、

皆始業式があったことなど完全に忘れて

ただただ熱狂していた。




これが後々まで語り継がれる

「うろな中学校伝説の始業式」

の顛末である。


シュウさん達の企画、『うろな町』計画に参加させていただく作品です。


ようやく新学期に来ることが出来ました。

転入生達の活躍に期待しましょう。

この子も出してというのがあったら

追加しますので言ってくださいね。


転入生としては

小藍さんの青空渚ちゃんと

*天燕*さんの如月瑠奈ちゃんを出させていただきました。

アッキさんの温泉津さんは放課後に来た感じだったので、

ああいう記述にさせていただきました。



小ネタ出演していただいた皆さんもありがとうございました。

とにあさんより日生隆維•涼維くん、日生鎮くん、

シュウさんより町長さん、

深夜さんより河野さん、桜沢さん、

寺町朱穂さんより稲荷山くん、芦屋さん、

桜月りまさんより人ではないですがにんぷうさぎを、

アッキさんより鬼子梅ネタをお借りしました。


さて次話では

新居への引っ越しと最終決戦のために

9月後半へとワープしたいと思います。

その間も清水達は普通に学校にいますので、

自由に使ってやっていただけると幸いです。

それでは2学期もよろしくお願いします。


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