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5月27日 その3 今週の予定

PM3:00


授業の空き時間を使って

文芸部の生徒達に頼まれていた部誌の印刷を

あらかた終えた。


この作業は高校以来あまりやってなかったのでなつかしい。

当時の文芸部のみんな元気にしてるかなー。


すると授業のプリントを印刷にでも来たのか、

梅原先生とちょうどはちあわせた。

おー、ナイスタイミング。

今週の学校回りについて相談しようと思っていたんですよ。

でも先生、職員室でまったく目を合わせてくれないんですもん。

僕泣いちゃいますよ。


「梅原先生、ちょっとよろしいですか。」


そう言って一歩近づくと

梅原先生はビクッとしたかと思うと

部屋の隅にへばりついてしまった。


「うーうー。」

と顔を赤くしながら涙目でこちらをうなりながら

睨みつけて来た。


本人は威嚇しているつもりなのかもしれないが、

正直かわいいだけです。

あー、襲いてー。

でも今はこれ以上やるとまずいだろうし、

今後の予定が優先だな。

よし、真面目にやろう。


「教育を考える会についてのお話なのですが、

今週は学校関係を中心に回りたいと考えております。

南北小学校、高校には今週伺うことについてのアポイントメントは

とってありますので大丈夫なのですが、

できればこの学校の担当である梅原先生にも同行していただければ

助かります。

今週の放課後のご予定はいかがでしょうか?」


邪気を一切消して、至極真面目に問いかけた。

まあ、梅原先生が同行っていうのは俺が単に

校外デートをしたいだけだが。


「ん、ごほん、ごほん。

そうだな。

今日と木曜日は部の全体練習に

付き合ってやりたいからダメだが

他の日なら大丈夫だぞ。

そうだな、お前だけでは他の学校の

先生に失礼がないか、心配だからな。」


意外にも俺に真面目な話をされた

先生は少々拍子抜けな様子ではあったが、

なんとか気持ちを切り替えるとそう答えた。

無理矢理威厳を保とうとしている姿が

またそそられますなー。


「分かりました。

それでは火曜に南小、水曜に北小、金曜に高校で

いかがでしょうか。

3校ともいつでもいいということでしたが、

改めて連絡をいれてみますので、

返信が来しだいお伝えします。」

「分かった。問題ない。」


それだけ伝えると俺は足早に印刷室を出た。

ただしすぐには立ち去らずにドアの前で

中の様子を伺っていると

ため息と共に一人ごちる

梅原先生の声が小さく聞こえて来た。


「はー、朝のことがあったからどういう顔を

して会ったらいいのか分からなかったが、

真面目な業務内容だったから何とか対応出来た。

本当にあいつが来てから振り回されっ放しな気がする。

いつもふざけているくせに急に真剣になったりして、

その時は結構かっこい•••いかん、いかん、

私は何を考えているんだ。

あいつは部下で私は上司。

それ以上でも、それ以下でもない。

よし、この印刷が終わったら稽古に行って

雑念を払おう。」


そう言うといつものようにおっかなびっくり

印刷機を回し始めた。


俺は悪い顔を全開にすると

静かにドアの前から立ち去った。


ふふふ、先生、いい感じに意識してくれて

いますね。

まあ、単純な人ですから今日の稽古で汗を

流せばある程度忘れてしまうのでしょうが、

それもそれでいいでしょう。

すぐに落ちてしまうのではつまらない。

長く楽しませてくださいね、梅原先生。

今週も楽しみにしてますよ。


俺は各学校の先生に訪問予定をメールで

確認するべく職員室に急いだ。


明日からいよいよ本格的に連携担当のお仕事スタートだ。

小学校でどんな梅原先生の痴態がおがめるのかも楽しみである。

今週も色々頑張ろう。



シュウさん達の企画、『うろな町』計画に参加させていただく作品です。

他の作品も「うろな町作品一覧」リンクからどうぞ♪


日をまたいでしまいましたが、

今週の予定を書いていなかったのでもう1話アップしました。


書いたように今週は火曜、水曜、金曜の夕方以降

清水と梅原が町に出かけますので、

好きな時にちょっかいをかけていただければと

思います。

こちらは寄り道も大歓迎なので好きにいじってくださいね。

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