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6月3日 新妻のいる風景

AM5:30


ピンポーン。


こんな朝早くから誰だよ。

体が重くて動きたくない。

無視だ。無視。

もう少し眠ろう。


ピンポーン、ピンポーン。

「うなー」


梅雨、いちいち反応しなくて、いいって。

まったく、しつこいセールスだな。


ガチャガチャ。


え、鍵が開けられてる!

ピ、ピッキング?

やばい、どうしよう!


「まったく本当に起きないんだな。

おー、梅雨、おはよう。

今ご飯をあげるからなー。」

「うなー」


ん?

この声は梅原先生?

•••あ、そうだ、朝来てくれるって

ことで鍵渡したんだった。

夢のような話だから

まだ十分この幸運を現実のこととして

受け止められていないらしい。


「むしゃ、むしゃ」

「いっぱい食べて、はやく大きくなれよ。

さて、それでは人間のご飯も作りますか。

昨日のフリフリエプロンはやはり恥ずかしいから、

これでいいよな。」


梅雨のごはんを用意しおえると

梅原先生は朝食の用意を始めたようだ。

まだ眠たいが、

さすがにこのまま寝ているのもなんだろう。

とりあえず、起きて手伝いを、

•••ぐほ!


ベッドから体を起こし、

台所の梅原先生を見た所で

その姿に悶絶してしまった。


か、割烹着!!

すでに小学校の給食の時間にぐらいしか

見ることはできない絶滅危惧種ともいえる恰好。

しかし台所に立つ妙齢の女性が着ていると、

なんともたまらん新妻スタイル!!

梅原先生が俺のためにあの恰好で朝食を

作ってくれてると思うともう辛抱できない!!!


「ん?清水起きたのか?

とりあえず、顔でも洗ってこい。

今調理で手が離せんから、食器を出して

ごはんでもよそってくれると助かる。」


もちろん、お手伝いはさせていただきます。

しかしその後ろ姿を見て、

据え膳食わずは日本男児の恥。

不肖清水渉、行かせていただきます。


「そうだ、今日の味噌汁はタマネギと

じゃがいもなんか入れてもいいか?

これは好みが分かれる所かもしれないが。」

「私が食べたいのはあなたです。」

「ひや!」


俺は味噌汁の具を聞いてくる梅原先生を

後ろから抱きしめた。

腕の中でビクッとする割烹着姿の想い人。

あー、生きててよかった。


「あ、朝から何発情してるんだ、

この万年発情男!!!」

「ぐゔぉ」


梅原先生のひじうちがもろに

みぞおちに入り悶絶する俺。


でも、これもいい。

本当に良い朝だ。


「うなー」


梅雨、お前が来てくれて

ホント良かったよ。







AM6:30


「じゃあ、しばらくしたら

出発しろよ。

くれぐれも二度寝しないようにな。

あと弁当忘れないように。

つーゆー、また明日会いにくるからな。」

「うなー」

「おー、舐めてくれるのか、ありがとう。

じゃあ、またな。」


朝食後、弁当を完成させた梅原先生は

まだぼんやりと着替えている俺を

残して先に出発して行った。


うーん、次はどうやって一緒に

登校することを飲ませるかだな。

まあ、今の状態だけでも望外のものだ。

じっくりいくとしよう。




そんなことを考えていると

窓から梅原先生の声が聞こえて来た。


「あ、芦屋、なんでこんなところに!」

「少し朝早く目が覚めてしまったので、

パトロールついでに町内をまわりながら

登校していたんです。」

「ああ、清水が言ってた陰陽師で

スパイがなんとかってやつか?」

「そうです。先生、妖狐に

心当たりはありませんか?」

「あるわけないだろう。」


どうやらうちのクラスの転校生、

芦屋梨桜と遭遇してしまったらしい。

和美人って感じの芦屋と梅原先生の

ツーショッットは是非見てみたい

気もするが、正直芦屋って、

得体がしれなくて苦手なんだよな。

表面的には明るく元気なんだが、

一体何を抱え込んでいるのやら。


「梅原先生ってこのあたりに

お住まいなんですか?」

「ま、まあな。」

「そういえば清水先生もこの辺りに

お住まいだとクラスメートから

聞いたことがあります。

二人はお付き合いされているという

噂は、本当ですか?」

「ば、バカな。

誰がそんなことを言ってるんだ!」

「仲良くさせていただいている稲荷山君が。」

「あの白髪頭ーーー。

武道の時間、どうなるか、覚えてろよ!」


どうやら怒りの矛先が

稲荷山に向くことが決定したらしい。

最近芦屋に引っ張り回されているらしいが、

思わぬ巻き添えを食らったようだ。

うちの学校では剣道が

中学で必修となった武道の内容であり、

担当はもちろん梅原先生である。

その時彼がどうなるのかは•••、合掌。

稲荷山強く生きろよ。


俺は教え子の尊い犠牲を噛み締めながら、

着替えを済ませると、

最後に梅雨を一撫でして家を出た。


「うなー」


見送る梅雨の鳴き声を背に、

学校へと駆けて行く。

朝稽古で会えるとはいえ、

途中で梅原先生に追いつけないかと

楽しみにしながら。


さあ、今週も頑張ろう。


シュウさん達の企画、『うろな町』計画に参加させていただく作品です。


「割烹着梅原」を投入しました。

もちろんこの画像も小林先生に回っています。

今度は何を着せようか?


また寺町 朱穂さんの中学生陰陽師芦屋さんを

お借りしました。

勝手に朝のパトロールとかさせてしまいましたが、

大丈夫でしょうか?

あと稲荷山君を、白髪頭呼ばわりした上に、

後日梅原にボコられる展開にしてしまってごめんなさい。

もし問題がありましたら遠慮なく言っていただければと思います。


次は6月4日火曜日に商店街へ行ってきます。

何屋さんを出そうかなー。

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