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11月30日 花嫁奪還大作戦その4 中学生になったら♪

PM1:05



「うろなタン、小天狗一人捕まえました!

『小天狗仮面Aは校内にはいない』そうです!!」

「ありがとう、千草ちゃん!

あとは仮面Aだけですから頑張りましょう!!」



うろなガールから次々に小天狗発見情報が入って来たことにより、

思ったよりも早く小天狗仮面達を捕まえることができた。

あとは小天狗数名と仮面Aこと、真島祐希くんだけである。





「ちぇ、もうちょっとは頑張れるとおもったんだけどなー。」

「清水先生、呪文を使うまでもなく、

すごいスピードで迫って来たしね。」

「女の子たちのエネルギーもすごかったよね。

みんなが隠れる場所一生懸命考えたんだけど、

僕たちも結構すぐに見つけられちゃったし。」

「あと小天狗で残ってるのは

山辺ん家の出だけか。

不肖の師匠として弟子のあいつには

活躍してほしいもんだ。」

「いつから弟子にしたんだよ、ダイサク。

あと不肖の師匠じゃなくて、普通不肖の弟子とかで

使うんじゃなかったけ?」

「ホビー高原でカードゲームの相手をしてやったりも

してるんだぜ。

ただこんなに早く捕まっちまっちゃ、

偉そうなこと言えないがな。」

「でもまあ、低学年の子の面倒もしっかり見ているから、

ダイサク君は偉いよね。

師匠はどうかは別として、良いお兄さんではあると思うよ。」

「は、はずかしいこと言うんじゃねえ!」




捕まった小天狗仮面達は仲良く談笑中。



天狗君から聞いた夏の大冒険を経て、

さらに成長し、

互いの絆を深めてくれたみたいだ。

来年、彼らがうろな中学に入学してくるのが

本当に楽しみだよ。






そんなことを考えていると

うろなタンタブレットに待ちに待った報告が。



「うろなタン。

出、じゃなかった、最後の小天狗発見。

『小天狗仮面Aは天空より至る』だって。」

「鈴音、別に逃げやしないから、そんな全力で押さえ込まないでよ。」

「セリちゃん達も頑張ってるんだもん。鈴音も頑張るの。」



金井君の弟分は、

同い年の姪っ子さんに捕まってしまったらしい。

彼女も日生家の女の子達と同様、

見せ場が出来て良かったな。






「ありがとう、鈴音ちゃん!

出君もお疲れ様。

清水先生、これで最後のヒントみたいですが、

天空って?」



うろなタンこと、神楽子ちゃんも

最後のヒントの曖昧さに困惑気味である。



カラスマント達の行き先が

書かれた紙が入っているという金庫はすでに

発見している。

あとはユウキ君を捕まえて彼がもっていると

思われる鍵を入手出来ればこの試練はクリアの

はずなんだが、

そう簡単にはクリアさせてはくれないよな。



とはいえ天狗君のオマージュであることを考えれば、

大凡の見当はつく。

校庭で天空といえば。





「さあ、追いつめたよ、小天狗仮面。

最後の勝負だ、

『そろそろそこから降りて来たら』どうだい?」

「•••ばれちゃ、しょうがないか。

いくぜ、マゾ清水!

とう!!」





そう言って校庭の大木から飛び降りて来る、

ユウキ君。



運動神経の良さそうな彼なら大丈夫なんだろうけど、

他の子ども達も見ているから、

後で山崎先生辺りからお叱りを受けるんだろうな。

まあ、でも今は野暮なことは無しでいこう。






「さあ、どうする。

呪文つかっちゃう?」

「ふふふ、挑戦的だね。

それじゃあ、受けて立ってあげようか。」

行くよ!」

「負けないぜ!!」



校庭を一杯に使ってガチな

鬼ごっこを始める俺とユウキ君。






「頑張れ、ユウキ君!!」

「砂場を経由して距離を稼げ、ユウキ!!」

「ユウキ、そっちの遊具ゾーンも使って!!」

「「「「頑張れー!!!」」」



俺が全力でないとはいえ、

タツキ君や小天狗達の応援、

そして北小コンビのアドバイスを受けて、

見事に俺から逃げていくユウキ君。


周囲で見ていたギャラリーもクライマックスということで大盛り上がっている。




さてさてここから本気を出して捕まえるというのもありではあるが•••、

お、あんな所に!

よし、手柄は彼女に譲るとしようか。




俺がそろっと速度を緩めると、

ユウキ君もいつでも走り出せる態勢を

保ちながらも、一旦ストップした。


誘導成功。




「へへ、そんなんじゃ、俺は捕まえられないぜ!」

「仲間の応援を得てさらに強くなれるか。

君の先生になれるのが今から楽しみだよ。

でもね。」

「でもどうしたんだよ。」



勝ち誇っていたユウキ君であったが、

俺の不敵な笑みに怪訝な表情を浮かべていた。


そして次の瞬間、



「ユウキ君、後ろ!!」

「な!!」

「小天狗仮面捕まえた!!」



無防備なユウキ君の背後から

俺の目配せに反応した藤崎咲夢ちゃんが

飛びかかったのだった。



こうして彼ら小天狗軍団が課した試練は

うろなタンチームの協力もあり

無事クリアとなったのだった。





PM1:15



「あちゃー、そういえば向こうに藤崎がいること完全に忘れてた!

親父が元プロ野球選手だけあってめっちゃ運動神経いいんだよな、あいつ。」

「3年生なのにバスケやったときもこっちに負けてなかったもんね。」

「くそー、1対1の勝負だったのに卑怯だぞ、マゾ清水!」

「ユウキ君にはダイサク君たちが色々アドバイス送っていたんだし、

おあいこだよ。

それよりも藤崎さんの位置を確認して、ユウキ君の動きを上手く

誘導していたのがやっぱり見事だったよ。

やっぱり中学校の先生はすごいな。」

「むー。中学に上がったら絶対ぎゃふんと言わせてやるからな!」

「ははは、楽しみに待ってるよ。」



悔しそうな表情で金庫の鍵を渡してくれたユウキ君に

俺は満面の笑顔で、

それでいて挑発的な目線をもって応えたのだった。



南小のゴールデンコンビに北小の兄貴分達。

彼らをうろな中学の四天王みたいな感じに育てられたら•••

うん、実に楽しみだな。






「そ、それでは清水先生、

金庫の鍵を開けて下さい。」

「サンキュー、うろなタン♪」



最後ということで気が抜けたのか、

キャラが元に戻りかけていた神楽子ちゃんに

声をかけながら、

俺は彼女が抱えている金庫の鍵を回したのだった。



扉の中から現れたのは

『カラスマントはARIKAで待つ』とのメッセージカードと

何枚かの寄せ書きである。



『野球部でエースで4番になる!』

『世界の色々な出来事を知りたい。』

『英語がペラペラになりたい。』

『生徒会に入ります!!』



そこに書いてあったのはうろな北小、南小の6年生を

中心とした生徒達が書いてくれた

『中学生になったらやってみたいこと』という決意表明であった。


これを見たら、司さん泣く程喜んでくれるだろうな。

全く粋な演出を考えてくれるよ。





俺がそんな風にジーンと感動に浸っていると、

小天狗軍団、うろなタンチームが一緒に

並んで最後のメッセージを送ってくれた。



『清水先生、梅原先生、ご結婚おめでとうございます。

僕たち小学生は先生達に中学校で沢山のことを教えてもらえるのを

楽しみにしています。

これからどうぞよろしくお願いします!!!』

「子ども達の祝福がお二人にはあります。

カラスマント達からしっかりと奥さんを取り返してくださいね。」




「こちらこそよろしく!

待ってるからね!!

うろなタンもお疲れ様!!!」



俺はそう言って小学生達やうろなタンの挨拶に応えると

改めて自転車に飛び乗った。



さて大分時間がかかってしまったが、

次のポイントに大急ぎで向かうとしよう。

悪ガキ共、次のイベントも楽しみにしてるぜ!

シュウさん達の企画、『うろな町』計画に参加させていただく作品です。


更新が一週間程空いてしまってすいません。

とりあえず本業の山は越えたので、

何とかもう一度ペースを立て直して、

ラストへと歩みを進めたいと思います。


漸く最初の部分を書き上げられました。

次は中学生組に活躍してもらう予定です。

どうぞよろしくお願いします。

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