1章7
終わったので投稿します^^
「だから、別にあの人はそういうのじゃないの! ただの協力者なだけ」
「別に恥ずかしいなら言わなくていいよ」
優香は誰かと揉めているようだが、どうやら優香の腰が折れたらしい。
「もう反対するのが面倒になりました……」
話が静まってきたところで、俺はカーテンの奥を覗くと、そこでは優香と20歳ほどの女性が話していた。
「あ、あの~。どういう関係なんですか?」
俺は考えるよりも先に言葉が出てしまった。そのせいで、俺の顔を見た2人の顔には、『こいつ、もう少し手順を踏んでからその質問をしろよ』のようなことが書いてあるように見えるのだが、これは気のせいではないだろう。
「え、え~と。とりあえず、ここにいる馬鹿らしい彼女は、一応、私の母親」
「どうも、肌勢健太です。……って、はあ!」
成り行きで普通に挨拶してしまったが、気づいたら流石に思考が一瞬止まってしまった。まさか、優香の母親がここまで若いとは思わなかった。いやいや、それよりも、何故、ここに優香の母親がいるのだろうか? これは全く理解できない状況だ。
「優。この子全然この状況が理解できていないよ。まだ初心者なのかい? 優が教えていないのが悪いのね」
「違うでしょ! 何で私と母さんがこの世界にいるのかが疑問になっているんだって。それに、私はちゃんとこの世界について話したよ。母さんとは違って手順をしっかり踏んでね」
「母さんの方が手順は踏みますぅ。優とは違って大人なの」
またも一つのことで口論になる。まぁ、『喧嘩するほど仲が良い』とは言うが、一つのことでここまで言い合えるということは、普通とは比べられないほどの仲の良さなのだろう。
「あ、あの、お2人は仲が良いんですね」
2人の言い合いが一段落着いたところで、俺は素直な感想を述べる。
「え~と、肌勢君だっけ? 私と優が仲良く見える?」
「健汰、もしかして、『喧嘩するほど仲が良い』という言葉で考えた答えがそれだって言わないよね?」
「は、はい。優香が言った通りに考えました」
俺は優香の冷たい、見るだけで動物を殺せるぐらいの視線に、思わず謝ってしまった。全く反省しなければならない場所が分からないけど。
「はぁ、それは肌勢君の主観の考えだから、否定しようとは思わないけど、そもそも、一般的とか普通という言葉は、その人の考えや経験から求めたものだから、その考えは、当の本人達から言えば、自分達のことをろくに知らない人達の考えなんだよ。肌勢君は一般や普通という言葉を疑問に思ったことがないの?」
優香の母親の言葉は、当たり前のように人生を過ごしてきた俺にとって、とても考えさせられるものだった。確かに、昔は思っていた時もあったとは思うが、中学に入り、高校に入っている間に、考えもしなかった。
読んでくださり、ありがとうございました