1章8
終わったので投稿します^^
「何だか俺って、何も考えずに生きてきたんですね。お母さんに言われて、初めて自分の無能さが分かった気がします」
俺は返事を返しながらも、未だに考え続けていると、優香の母親が急に笑いながら話してきた。
「ちょっと早いわよ、お母さんなんて」
「えっ! あ、すいません」
「だから、健汰と私は何にもないって言っているでしょ。……健汰も、誤解されるような言葉を使わないで!」
優香の母親の言葉に、俺は動揺している最中、優香は怒鳴って注意をしてくる。
「じゃあ、何て呼べばいいんですか?」
俺は怒鳴っている優香に敬語で聞いてしまう。
「そうね、変人とか、野蛮人とか、とりあえず世間一般的な人間じゃないから、世間で馬鹿にするときに使う言葉でいいんじゃない?」
「それはさすがに酷いだろ……」
優香の毒舌に、やはり優香の母親は食いついてくる。
「私は変人かもしれないけど、野蛮人ではないですよ~。そもそも、私の子供なんだから優も同じような人間でしょ」
「違いますから。私は絶対に母さんのようにはなりません。私が勉強中に『ハワイに行ってくる』とか急に言い始めて、さっさと行っちゃうこととか、私が風邪を引いている時は『今、アメリカのテレビ番組で、いい商品があったから買いに行ってくる』とか、そもそもアメリカのテレビ番組って何? ここは日本なんですけど。それに、アメリカに行くまでの費用の方がよっぽど高いのに、何で気づかずにアメリカに行っちゃうのかな」
「あ、あれは、偶々、アメリカのテレビ番組がテレビに受信されて、それが便利そうな掃除機だったから、買いに行っちゃっただけだよ」
「偶々とかないから。しかも、あの時勝ったものは掃除機じゃなくて、よく分からない変なお菓子だったよね。それに、母さん、あの時の言い訳は『テレビでアメリカに格安で行けるやつがあったから、つい行っちゃった』って言っていました。いい加減なことを言わないで」
「そんなことまで覚えていないでよ。これだから優には二度目の嘘は失敗するのよね」
「今、嘘って言ったよね。何ですか? 隠すのも面倒臭くなって、素直に白状することにしたんですか?」
それからも、親子の口は休むことなく文句や愚痴を言い合い、静まったのは、それから数十分後ほど後のことだった。
まだまだ続きまーす