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島巡り③

 

 装備のお陰か実力か、スライムと戦ってた時より早くゴブリンを倒すことが出来た。俺としては大満足の戦闘だった。俺は勝利の余韻を味が無くなるまで味わい、堪能した。体を動かして得られるこの快感は久しく味わっていないので少々長くなってしまったがそう慌てる様な旅でもないので大丈夫だろう。そして十分満足した俺はようやく歩き出した。

 延々と続く道のせいで今島のどこを歩いているのか認識出来ないでいるが、その道中ふと思い出したことがあった。ルカが言ったあの「契約」という言葉だ。

「なぁ、そういえばちょっと聞きたいことが有るんだけど」

「スリーサイズ?」

「違くて」

 まぁそれも聞いてみたいが。

「まぁいくつかあるんだけど……」

「何?」

「契約って何のこと?」

「あぁ、あれね。まぁ簡単に言えばショウがここで訓練してる間私はサポートしますって話」

「マジ? 俺そんな契約結んだ記憶は無いけど」

「契約したのは塾長さんだよ」

 なるほど。まぁいつどの様に結ばれたのかわからないが、そんな契約を結んでもらって感謝である。

「それとなんだけど、何で俺の武器杖なの?」

「それはあれだよ。塾長さんのメールに賢者の見習いが行くからって書いてあったからだよ。見習いと言えど賢者でしょ? だったらやっぱ杖じゃない?」

「あぁ、なるほどね。メールでね」

 メール?

「メールって言った?」

「言ったけど」

 何を聞くのかと言わんばかりにルカは俺を見る。しかし皆さんも俺の気持ちがわかってくれるはずだ。こんなスライムだゴブリンだ言ってる中で何故こんな現実的な言葉が出てくるのか。

「え? 何? ルカ携帯持ってんの?」

「うん。ほら」

 ルカがポケットから携帯電話を取り出して見せてくれた。しかも最新式だったりする。

「妖精も携帯持ってるんだ……」

「うん」

「じゃあもしかして……塾長との契約もメールで?」

「そだよ、って何その顔。アハハハハハ」

 笑うなら存分に笑うがいい。俺はキミが思うほど理解力のある人間ではない。

「いや、そりゃ驚くって! まさかこんなとこに携帯なんてあると思わないもん」

「ふーん……そんなもんなんかね。まぁでも確かに携帯持ってるのほんの数人かも。私だって塾長さんとかと連絡取らないといけないから持ってるけど、それが無ければ持ってなかっただろうしね」

 色々とルカは言ってるが何と言ったらいいか……非現実を受け入れたら現実が混ざっていたような、例えるなら酢豚に入っているパイナップルを食べてしまったようなそんな感じ……伝わらなかったら申し訳ない。

「ま、まぁいいや。またなんかあったら聞くよ」

「そ、んじゃ全速前進~」

「おっしゃー!」

 今聞いたことを忘れたい、とまでは言わないがなんとなくリセットしたくなった俺は無駄にダッシュするのだった。


 出発地点からどれだけ進んだか。気付けば空高くあった太陽も少し傾き、陽射しは幾分か優しくなった。お陰で気温が下がり動きやすくなった。これで距離が稼げるはずだ。と言っても島の全体図がわからないからどれだけ稼げるのかわからないのが残念だが。

 本日二度目のゴブリン戦が終わり俺がストレッチをしていると突然ルカが話しかけてきた。

「ねぇ、ショウ」

「うん?」

「そろそろ魔法使ってみる?」

 マジですか? 

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