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第64話 審判の剣

 冒険者たちも必死だった。


 戦争のあった時代には、強く求められた絶対神の加護持ち。加護キャンセラーが効かない。そんな絶対神の加護持ちも、今や失業する時代だ。


 あるとき。


 絶対神の加護持ち、冒険者だけで構成されたパーティ「審判の剣」が編成された。当初は、新しい小説の販売支援など、イベントで目立ち、金を稼ぐつもりでいた。


 しかし、このパーティに、教会が目をつけた。


 国家を超えて、大陸中から絶対神の加護持ちの冒険者がスカウトされた。そうして審判の剣は徐々に拡大されていく。公開訓練も行われ、教会の客寄せパーティとして人気になった。


 審判の剣に、寄付金が集まる。新聞で、その活躍が人気記事になる(実際には活躍などしていないのに)。


 虚構。


 小都市の新聞に掲載された、虚構記事。サリオンドレル公国が、闇属性の人間を集め、魔王軍を再結成しようとしている。


 そんな話が、話題になっていた。


 この虚構が広がるにつれ、審判の剣に集まる寄付金が大きくなっていった。教会も、後に引けなくなっていく。集まってくる莫大な寄付金には、民衆の意図があった。


 娯楽としての戦争。


 聖なる審判の剣が、不浄なる魔王軍に挑む。そういう記事を読みたい。教会の良心が、民衆の意図に負けていく。


 教会はリスクを避けるため、ついに、審判の剣を教会の所属から切った。審判の剣は、そうして独立組織になった。


 本来であれば、その権限を持たない教会連合から、巡書連璽(じゅんしょれんじ)が発せられた。責任逃れだが、わずかな良心も見られた。



サリオンドレル公国が強大な魔王軍を組成しているという、根拠なき嘘、虚構が、大陸中の民衆の間に生じている。


しかしサリオンドレル公国は、公正に査察を受け入れており、魔王軍の組成の事実は存在しないことが何度も確認されている。


審判の剣は、現在は、教会とは無関係な独立組織である。この独立組織が、新聞記者を連れて、サリオンドレル公国に不当な攻撃を加える可能性が高まっている。


審判の剣は、絶対神の加護を持った人員約120名の組織である。そのうち、警戒すべき強い加護を持つものは数名。ほとんどは戦力としては無視しうる。


サリオンドレル公国は、審判の剣より不当な戦闘を仕掛けられた場合、大陸条約における自衛権のもと、審判の剣を撃退することが許される。


ただし、新聞記者は、審判の剣に所属するものではないため、この撃退の対象とはならない。サリオンドレル公国におかれては、この点、注意されたい。



 審判の剣を撃退することは容易だ。しかし、記者だけ残して、120名全員を殲滅したら、どうなるだろう。


 面倒なことになった。


 オルセリオンたちは、この件に関して、方針を固めた。


 審判の剣の目的は、寄付金集めである。そのためのパフォーマンスとして、サリオンドレル公国に戦闘を仕掛けてくる。


 パフォーマンスであるから、審判の剣は、小規模な破壊行為をして撤退するはず。そうでなく、深刻な被害を出すようであれば、生かしたまま捕縛、または生かしたまま逃走させる。


 そんなふうに、考えていた。



第64話でした。お読みいただき、ありがとうございます。


少しでも、読めるところがあったなら、是非とも☆評価をお願いしたいです。執筆の励みになると同時に、明日もまた頑張っていこうという気持ちになります。


さて。


善と悪の対立。「わかりやすさ」を求める民衆が、戦争の火種になっていきます。普通の戦争よりも、厄介な感じがします。


引き続き、よろしくお願い致します。

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