第一章 終わり
翌日。というか、後日談。
凛をいじめたグループは一年以上の入院を余儀なくされたようで、どうやらトラウマを抱えたようだ。余程のショックで前後の記憶が不鮮明であるらしく、凛をいじめてたことや修多羅に襲われたことすら完全に忘れたようだ。要するに自業自得である。
崩壊した学校は言霊で5時間かけて直したが、色々諸々の負担で俺は再び学校で爆睡した。
「・・・・・ふが」
外を見ると再び夜。時計を確認すると短針は6時を指していた。
「やっと、起きたのね」
「・・・・なんでいんだよ」
異能の暴走の影響で相当疲れているはずなのに、翌日登校とはさすが世界大会の覇者だ。
「あり・・・・がとう」
「は?何がだ?」
「助けてくれたからよ」
「当たり前だろ。お前の中じゃ違くても、俺は友達と思ってるからな。数少ない友人を無くすなんて俺には耐えられないからな」
会話に際してどことなく違和感を感じていたが、それは修多羅が本を読んでいなかったからだ。
「お、仲良いねお二人さん!」
バーンと教室の扉を荒々しく開け、ポーズを取るのは凛だ。
「部活終わったからさ、遊びに行こうよ」
「ああ」「そうね」
俺たちは3人で帰る。
そこに化物などおらず、ただの友人3人で。