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第八章 イントロ 3

「…くそ」

なんであんなことを言ってしまったのか。

後悔に耐えない。

だが、我々は彼に縋るしかない。

彼に頼らざるを得ない

「椎原君、言葉君はどうしているんだい?」

「調査員の調べでは、行きつけの喫茶店で寝かせられているようです。…彼は生死の境を迷っているようです」

「…そうか」

私の判断は間違っていない。

間違っていないのに。

貫地谷が…彼が…異能を渇望していた意味がやっとわかった。

「無力だ…絶望的に…」

歴木言葉という存在が希望であり、我々の強さの証明でもあった。が、それはたった1人に全てを背負わせていることとに目を瞑っているに過ぎなかった。

ときに不幸は連鎖する。それがどんな形でも。

そうだと言わんばかりに、殲滅会で轟音が鳴る。

「何事だ!?」

「ほ…報告します!…敵の…し」

「お邪魔しているよ」

百道は機関員を蹴飛ばしながら、堂々と押し入る。

「百道!」

「やぁ、皆さんご存知の百道だよ」

ヘラヘラと笑いながら、火憐の正面へと移動する。

「ここが一番の観客席だからね、ここで観ることにしたんだよ」

「…貴様!」

百道を機関員が取り囲み、銃口を一斉に構える。

「撃てぇ!」

火憐も百道に向けて打つ。

だが、そのどれもが彼の手前で落ちる。

まるで、軌道でも変えたように。

「だから…君たち人間にはどうしたって僕らに勝てないんだよっ」

火憐以外の機関員は壁へ床へと叩きつけられる。

圧倒的な質量でも押し潰されたのか、グシャリと機関員は潰れていた。

「君はどうやら偉そうだからね、殺さないでおいてあげるよ。と言っても、彼に危機を知らせるための道具に過ぎないけどね」

「…っ」

「あ、ちなみにもう生きてるのは君しかいないよ?異能を忘れるなんてそんなつまらないことはさせないからね」

なんだと…もうすでに組織は崩壊したのか。

この数秒で…なんて化物だ。

「ここで世界の崩壊を一緒に眺めようよ。なに、少し世界が平らになるだけだ。僕らがやってもやがて君みたいな人が世界を再建するよ」

「…なぜ無意味なことをする。そこまでわかっていて、なぜ世界を破壊しようとするんだ」

「あはは、これはただの遊戯(ゲーム)だからさ。飽きるまで遊んで、飽きたらやめる程度。その程度の、遊びでしかないよ」

「遊び…だと」

理解ができない。

理解が及ばない。

「…ば、化物」

火憐は恐怖する。

目の前の化物を。

人の形をした化物を。

「正解。君たちは僕たちを軽んじ過ぎだよ、まぁ彼が"強過ぎた"みたいだったけどさ。いずれ彼が出てきても、僕が殺すから君らにはもう希望はないけどね」

笑いながら、百道は告げる。

「さぁ、英雄がいない間のボーナスゲームだ。とことんスコアを上げるとしようじゃない」

ニコニコと笑いながら、席に座った。

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