第二章 終わり
翌日。というか、後日談。
俺は案の定異能殲滅会へとお呼び出しとなった。
「すまなかった。自分の浅慮を恥じるばかりだ」
開幕から怒号で始まるかと思った説教だったが、どうやら思い通りにならなかったようだ。
「まさか、銀鏡があのような人物であったとは、見抜けなかった私に全般の責任がある。君にも多大な迷惑をかけてしまった。すまない」
こうも真っ直ぐに謝られると何も言えない。
「いいですよ。俺も見抜けなかったんですから、お互い様ですよ」
俺は慰めた時、火憐はすぐさま頭を上げた。
「さて、謝ったし許されたからもういいだろう。人巻き込みすぎ、空飛ぶな、ビル壊すな、えーっと交差点の真ん中に立つな」
「いやしょうがないでしょ全部!俺悪くないですよ!」
「しょうがなくない!君のせいでどれだけ始末書書かされると思っているんだ!見たまえ!この書類の数!」
確実に100枚以上はある。
「ど、どんまい」
「そこに直れ!せめて八つ当たりしてやる!」
鞭を振り回しながら火憐は走ってきた。
逃げるように殲滅会を後にし、俺は喫茶店へと足を運んだ。
「解決したのか?」
「まぁはい。なんとか」
コーヒーを飲みながら、闘華さんの疑問に答える。
「よし、じゃあこれを食わせてやろう」
闘華さんが冷蔵庫から取り出したのは、鮮やかな苺の乗ったショートケーキだった。
白いクリームの上で赤が映えていて、形も崩れていない。
「超高級店のケーキだぜ? しっかり味わって食えよ?」
「いただきます」
俺は今回の一件をケーキを食べながら振り返る。
事件。錯綜。殺気。狂気。
初めてのことばかりで戸惑うばかりだったが、今回の経験はとても良かった。
「まーぜーて」
星華さんがひょっこと闘華さんの後ろから顔を出す。
その後、三人でくだらない話をしながらケーキを食べた。