食卓の戦争
第三回
家に叔母がやってきた その2
「えっお婆ちゃんが家に来るの?」嬉しさを感じながらそう子供達は言った。
「うん、今週の土曜日に来るの。」「でも、何で急にお母さんから家に来るって言っただ?」そうお父さんが言った。
「なんか最近、長崎のお母さん家に顔を出してないでしょそれで電話がかかってきて孫達の顔を見たいって」
「そうか、それは困ったな。なんせうちの母親は、すぐに人を色眼鏡で見るからなぁ。そして君のことも」両親二人達は、お母さんがくることをあまり納得は、してはいなかったが、子供達は食事中に叫びまくっていた。
パンパンパン「いつまで寝てるの!早く起きなさい!」いつものように長女が、フライパンとお玉を持って叩きみんなを起こす。
いつもの様に毎朝が騒がしい。家の中は、走り回ったりあれがないだのこれがないだの叫んでいる。
そして子供達を見送り、「よし始めるか。」そう言い腕を絞り散らかっている部屋を掃除することにした。
そして、とうとう土曜日がやってきた。いつ来るのかドキドキしながらその時を待っていた。
ピンポーンインターフォンが鳴り急いで玄関まで、行きドアを開ける。「どうぞ!」と言うと、「お久しぶりです幸子さん」不機嫌な顔でそう言った。一秒でも早くこの場から出たいと思った。
「お婆ちゃん久しぶり!」孫達の元気な声が聞こえると、途端に表情を変え「あら、こんなに大きくなって元気にしてた?」と、満面の笑みでそう答えた。
すると、想像もしなかった事が起きた。勝手に冷蔵庫を開け入っている物を見たのだ。「へぇこんな物を入れているのね。」余りにも失礼にも程がある。
「お母さん、勝手に冷蔵庫を開けないでくれよ!いくら何でも」
「あら正弘久しぶりね」途端に、話を変えた。全くだ、早く帰ることを願う二人だった。そんなこんなしていると外は、もう暗くなっていた。
「それじゃあもう、お母さん帰ったら親父一人で、待ってるだろ。」
「どうせ早く私を帰らせたいんでしょ?」
「そっそうじゃなくて」そう言うとお母さんは、むすっとした態度になり長崎に帰って行った。「やっと帰った!ごめんあんなお母さんで」と畏まった表情で言うと
「全然、貴方がいたから何とか持ち堪えれた。ありがとう。」
「何言ってるだ、お母さんは君のことを変な目で見過ぎなんだよ!君は、いい人なのに。」
そして、一日が終わった。