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岩田信市語録

岩田信市語録

(グットマン2代目店主)執筆

画家にして、ロック歌舞伎の演出家にして、パフォーマーにしてジャズ喫茶グッドマンのオートーだった岩田信市氏の発言の数々のトミームトマスターだった店主が、記憶を辿って原稿を寄せてくださいました。以下に編集して紹介いたします。(編集部)




一 =皆軽く見るがシューマンは深いぞ

二 =マックス・ローチのタイコは、盆踊りのタイコのようだ

三 =Mのコンサートは下手だったが良かったぞ。上手下手よりも行動力だ

四 =A(早番のバイト)のようなコーヒーの滝れ方はいかん一杯づつMは滝れろ五=古いものは良い古ければ古いほど良い良いから後生に残ったのだ

六 =大切なことは構成力

七 =芸術家っぽくなるな芸術家づらするな

八 =知ったかぶりして人前で話すな本当に体験したことだけ話せ

九 =絵の具は混ぜせると濁る人も同じ

十 = ゴダールはアマチュア わざと他人のやらないやり方で映画を作っただけ 目先のことだけ、-リュフォーの方がまし


十一 =クリムトは画家というより職人

十二  =出来ないことは言うな

十三 =知識人とは偽物集団知っていることしか知らないバカ

十四 =キング(牧師)は本物マルコムXはニセもの

十五 =絵も音楽もボーダーというものはない十六=クリムトよりもクノップフの方がいい十七=日本語で話せることは日本語で


十八= ランポー流行りだが、マラルメの方が良い

十九= 知識だけのやつらが多すぎる

二十= 短歌ならまず子規さんだ

二十一 =フォーレの歌曲集を聴いてみろすごいぞ

二十二 =井の中の蛙大海を知らず(I談)されど空の蒼さを知る(M談)

二十三 =金銭的に細かい奴はダメだ金は使ってこそ生きる

二十四 =皆と同じことをしてはいかん

二十五 =ヤマハ(のレコード)が二割引から一割引になった.M交渉してこい

二十六 =M君にはジャズと本があるオレにはクラシックと絵と本がある

二十七 =そんなに大きいか俺の声

二十八 =旅行で良かったのは、1インド2東京3韓国4京都はおもしろかったな、二人とも泥だらけでな(田んぼに転続して)


二十九 =友をつくるな友となれ

三十 =ゼロ次元というのはな次元が無いからゼロ次元なんだ

三十一 = 一にデッサン二にデッサン

三十二 =ジャズの前に日本の古典がある文楽もいいゼロ次元は能に近い皆シテだが

三十三 =クラシックもジャズも歌謡曲も曲名だけでなく演奏家歌手で聴け特にクラシックは


三十四 =新しいものは追い続けろ






岩田信市語録解説

三=名古屋市公会堂でのライブの時、私は十九才だった。そのライブに岩田さんは来てくれた。その時の感想です。一番前の真中の席に座っていた。

四=Aというのが早番のバイトで、彼がコーヒーの作り置きをポットに貯めておく。それを鍋で温めてお客さんに出すから、うまいわけがない

十=ゴダールは、わざとカメラを傾けたり、ベッドシーンのコマをカットしたり繋げたりしている。我々には、それが目新しい感じがした。しかし岩田さんはそれを素人っぽいと感じたわけ

二十ニ=これは岩田さんと私の応答。この、よく知られた諺を岩田さんが言った。それに私が応じた。

二十五=輸入版が二割引だったのが一割引になった。それで私に値交渉に行けと言った。それは私がたびたびヤマハへ出入りしていたからであって、岩田さんが値交渉をするのがイヤだったから、というのではない。交渉の結果、値段は元通り二割引になった。

二十八=インド旅行から帰ってきて、カレーパーティをやったが、その時岩田さんは、「カレーは手で食べろ」と言った。ドライカレーに近いものだったが、皆さん手で食べた。

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以上、小野崎氏に頼まれて、古い記憶を手繰ってみました。また、少しコメントが必要と思われるものには付けたしました。他に思い出すのは、グッドマンのコーヒー。あれは松屋コーヒーの一番安いのを使っていた。岩田さんがそれでいいと言うから。でも僕は不満だった。ジャズ喫茶だけど喫茶でしょう。少しは香りのあるコーヒーを淹れたかった。それから砂糖もだけど、グラニュー糖でないと喫茶店らしくない。僕が頼んでグラニュー糖にしてもらった。とにかく岩田さんという人は、レコードとオーディオに集中している人で、グッドマンの核心的な所にしか関心が無かった。その他のことはどうでもいい。肝心要の所にしか目を向けない人だった。それからこれも想い出のひとつ。ある時、ベートーベンの話をしていて、私が「熱情」が好きですと言ったら、それは交響曲の何番だ?と訊かれて、もうビックリでした。岩田さんはクラシックが大好きなんだけど、音楽そのものにだけ関心があって、周辺の知識には全く関心がなかった。それでこういうハプニングが起きたのである。

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