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ホピ族の第二世界トクパ 氷による終焉

 第一の世界が焼き尽くされている間、人々は蟻人間と地底で平和にくらしていました。


 彼らの家は、地上に住んでいた時の状況とよく似ていました。


 生活する為の部屋。

 食物を蓄える部屋。


 等の部屋が有りました。


 室内を照らす為の光も存在しました。


 蟻塚の砂の中にある微小な結晶が太陽の光を吸収していました 。

 人々は、両目の後ろにある、中枢の内的な視覚を使う事で、

 結晶の放つ、光の反映を見ることができたのです。


 ただ、彼等は一つ悩みの種があったのです。

 それは・・・食糧が底をつき始めたと言う訳でした。


 ソッツナングが、第二の世界を創造するには長くはかかりませんでしたが。

 第一の世界が炎で滅びた後、冷えるまでに、かなりの時間がかかったのです。


 食糧が不足してきた、原因は上記の通りのためでした。


 そこで、人々は。


 苦労して集めた食物をそんなにくださらなくて結構です。


 と、遠慮を言ったが。


 あなた方は、お客様です。

 私達の物はまた、あなた方の物です。


 と、蟻人間は答えたのだった。


 こうして、蟻人間は自分たちの食糧を人々に分け与え続けたのでした。


 彼らは毎日、自分たちの帯をきつく締めた。

 今、蟻の腰が細いは、この為です。


 それから、第一の世界。


 火山の炎熱による焼き尽くし・・・は冷えました。


 ソッツナングは、それを清めた後、第二の世界を創造し始めます。


 海だった場所は陸に。

 陸だった場所は海に。


 と、変えて、ソツクナングは地上の様相を一変させます。


 これにより、第二の世界に生まれた人々。


 彼等はかつての悪しき世界について、何も知る事がなかった。


 全てが完了したので、ソツクナングは蟻塚の屋根を叩いて呼びかけた。


 わたしの造った、この第二の世界に入りなさい。

 前ほどは美しくないが、それでも美しい世界である。

 増え、幸せに過ごしなさい。

 しかし、創造主との掟を心にとどめなさい。

 創造主に対する讃美の歌が聞かれる内は。

 貴方方は私の子であり、私に近い。



 こうして、人々は第二の世界に現れた。


 そこは広大な陸地で、人々は急速に増え。

 地の四隅に広がり、地球の裏側にまで広がる。

 人々は霊において一致していて、頭頂の中枢コパピから、互いを見て話すことができた。


 この扉がまだ開いていたので、かれらはソツクナングを身近に感じた。

 また創造主に讃美の歌を捧げ続けていた。

 しかし、獣と共に生活することは許されなかった。

 獣は野生化し、人々から離れて行ったのだ。


 動物から離れたので、人は自分の仕事に励む。


 家を建て。

 村ができ。

 その間を結ぶ道路ができた。


 手で物を作り、蟻人間のように食料を集めた。

 交易を始め、互いに物を売買し始めた。


 問題が起こったのは、この頃である。


 必要な物は全て、第二の世界にあった。

 しかし、それ以上の物を人々は求め始めた。


 人々は、不要な物の為に、ますます交易を進める。

 得れば得るほど、ますます物を欲しがった。


 状態は深刻化した。


 それは。


 与えられた良き生活。


 そこから、自分が一歩一歩離れている事に、人々が気付かなかったからである。

 人々は、創造主へ讃美の歌を捧げることを忘れ。

 売り買いし、蓄えたものを讃美しはじめた。


 起こるべき事が、やがて起こる。

 人々は争い始め、村同士の戦いが起こった。


 それでも、どの村にも創造主の歌をうたい続ける僅かな人々がいた。

 悪しき人々は、この人たちを笑い者にしたので、彼らは心の中で歌うようになった。


 それでも、ソツクナングは人々の波動センターと地球のそれとを通してこの歌声を聴いていた。

 ある日、不意にソツクナングは彼らの前に現れた。


 あなた方の糸が、この世界の上で切れかかっているとクモ女が訴えてきた。

 実に悪しきことである。

 クモ女はあなた方の指導者だった。

 そして、あなた方はこの情勢が始まるまで、よくぞ向上してきた。

 この様になった今、私と叔父のタイオワは、何らかの策を講ずることに決めた。

 私達は、あなた方を安全な場所に移して直ぐに、第二の世界を滅ぼすことにする。



 こうして、第一の世界の時と同じく。

 ソツクナングは蟻人間に命じて人々を地下に避難させた。


 人々が安全に避難すると。

 ソツクナングは南極と北極を守っている双子に持ち場を離れるように命じた。


 双子が持ち場を離れると。

 世界はバランスを失い、回転が狂って、二度もひっくりかえった。


 山々は大音響と共に海になだれ込み、海と湖は陸に被いかぶさった。

 それらが冷たい生命なき空間を巡る間に、世界は厚い氷に閉ざされた。


 第二の世界は、こうして終わりを告げた。


 第二の世界は長いこと、生命のない氷の中に閉ざされたままであった。

 しかし、地底では人々が蟻人間と共に幸せに暮らしていました。


 ソツクナングは双子に、両極に戻るよう命令した。


 大きく身を震わせながら、惑星は再び回転し始めました。

 地軸の周囲を滑らかに回転し、宇宙の軌道に乗ると。

 氷は再び溶け始めて、世界は温暖になった。


 ソツクナングは、第三の世界を創造するべく行動を開始した。

 大地と海を整え、山々と平原に樹木を追い茂らせ、あらゆる形の生命を生んだ。


 こうして、地球に人間が住めるころになると。

 ソツクナングは前のように正しい仕方でキバにやってきて、こう言った。


 扉をあけよ、あなた方の出てくる時が来た。

 再び、キバの屋根が外されると、彼は人々に助言をあたえた。


 私はあなた方が、この新しい第三の世界にまた生きるよう、あなたがたを救った。

 だが、あなた方はこれから言う、二つの事を何時も覚えておかなくてはならない。


 まず、わたし(ソツクナング)を尊び、お互いを尊ぶこと。

 そして、第二に山々の上から調和に満ちた歌を唄うこと。

 創造主に対する讃歌が聞こえなくなった時には、あなた方が再び悪に陥った時である。


 こうして、人々は梯子を伝って、蟻人間のキバから抜け出し、第三の世界に現れた。

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