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チェロキーの予言 白い眼の怪物

もう時間がない。


ワケあって、私には時間が無くなった。


まだ、時間があれば後から書き直します。


しかし、そうでなければ、これと次の回が最後になる。

 《1》 チェロキーの予言。



 それは、1986年にアラスカ州フェアバンクス。



 ーーと、言う都市で、南北アメリカ先住民の代表が集まって会議を開いた時にだ。


 チェロキー族、リー・ブラウンによって世界に公開されたものである。


 以下は、その要約である



 予言の伝えるところでは。



 鉱物の周期。

 石のサイクル。


 ーーと、呼ばれている時代があったと言う。



 そして、時を経て、植物の周期による時代に移る。


 さらに、植物のサイクルによる時代も、やがて終わりを迎えると。


 つぎには、動物の周期が始まった。



 ここで言う、周期・サイクルと言うのは、時代が大きな輪を描いて廻る事を意味している。


 ネイティブの宇宙観では、時間は一直線に続いている物ではない。


 時間も、また大きな輪を描いている事になっている。


 時の輪である。


 これを、サイクルと、ここでは呼んでいる。



 1986年になぜ、南北アメリカ先住民の代表がアラスカに集まって会議を開いたかと言うと。


 当時が、ここで言う動物のサイクルが終わりかけていたからであった。


 地球各地で動物たちが姿を消しはじめていた。


 そうやって、動物のサイクルが終わった。


 そうして、本格的なヒューマン・ビーングのサイクルが始まりかけていた訳だ。


 人間の周期に、全面的に移行すると。


 我々にあたえられていた最高最強の力が、いよいよ人間による物として解放される事になる訳だ。



 実は、人間の周期は昨日今日にはじまった訳ではない。


 それは、ご存知の事と思う。


 人間のサイクル」は数万年前にはじまっている。


 それこそが、ネイティブ・タイムである。


 チェロキーの言い伝えではだ。


 人のサイクルが始まった時、グレイトスピリットが姿を現した。


 そして、地球上の人たちを一堂に集めて、こう言われた。


 私は、これから貴方達を地球の四方向に派遣する事にする。


 やがて、時が経ると、それぞれの方角に向かった人たちは、肌色が四色に変わってしまうだろう。


 皆を送り出す前に、貴方たちにいくつか教えておく事がある。


 貴方達は、これを元々の教えオリジナル・ティーチングスと呼ぶ事になるだろう。


 いずれ、また皆が寄り集まり、この教えをわけあう事があればだ。


 この地球上で平和に生きていけるし、偉大な文明が出現するかもしれない。


 私は、あなた方に二つの石版を授けることにする。


 時の輪が回っているあいだ、これらの石版をけして大地に投げ捨てるような真似をしてはならない。


 兄弟たち、姉妹たちの中で、もし誰かが、石版を大地に投げ捨てた場合だが。

 人間に苦難が降りかかるだけではなくて、地球その物が死んでしまうような事が起こるだろう。



 そのような言葉を伝えたあと。



 グレイトスピリットは、私たち一人一々に責任と守護すべき物を、お与えになった。



 グレイトスピリットは、赤い人であるインディアン達には、大地の守護者として役目を与えた。



 このサイクルの間だが。


 我々は、大地の教えについてだが。


 大地から育つ植物の事。

 口に入れる事ができる食べ物の事。


 癒しの力をくれる、薬草による事などを学ぶ事になった。



 そうすれば、他の姉妹たちや兄弟たちとともに我々が今一度集まった時にだ。



 そうした教えを、みなで分けあう事もできるかもしれない。



 この大地には、なにか良きことか起こる事になっているのだ。



 次に、グレイトスピリットは南に向くと、黄色い人たちに風の守護者として、役目を与えた。


 その人たちは、皆が学ぶべき、スピリチュアルに進歩するために、空についてと。

 そして、地球の呼吸である息について、学ぶことになっていた。


 皆が、今一度、集合する時には、この人たちは知識を分けあう事になっていた。



 そして、グレイトスピリットは、今度は西に向き直った。

 それから、黒い種族である人たちには、水の守護者として役割を与えた。


 この人たちは、水による教えを学ぶことになっていた。


 水は、世界を形作っている主要な要素の中でも第一の地位にある。


 また、最も控えめであって、最も強力な物である。


 私は長老たちから、こう教わったことがある。


 肌の黒い人たちが、いずれ水による教えを持ってくるだろうと。



 さらに、グレイトスピリットは北の人たちに向かいあうと。


 白い人たちに火の守護者としての役割を与えた。


 世界にある物は、多くをよくよく見れば、その中心に火がある事がわかるだろう。


 電球は、白人の火だというものたちがいる。


 車の内部をよく見れば、中心で火花が飛んでいる事がわかるだろう。


 飛行機の内部にも、汽車内部にも、火を見つけることができる。


 火は全てを呑みこみ、なおかつまた動く。


 大地の上を動き回り、我々をもう一度人間・家族として、一つに繋ぎあわせ始めた者が。

 他ならぬ、白い人たちの姉妹や兄弟だった事は、そういう理由による。



 それから長い長い時が流れた。



 グレイトスピリットは、それら四つ色の人たちに、それぞれ石版を二枚ずつ与えた。


 我々、赤い人たちに与えられた石版は、アリゾナのフォーコーナー地区。

 そこににある、ホピ・インディアン居留地サード・メサの上で守られている。


 私は、かつてある黒人に、彼等の石版がケニヤ山から麓にあるという話を聞かされた事がある。



 ⭐️ ケニア山。



   ケニア中央にある火山で、標高5199メートル。



ククユー族の人たちが守っているらしい。あれは15年ほど前のインディアンのスピリチュアルなギャザリングでのことだった。


 サウスダコタから来ていた、あるメディスン・マンが。

 その会場中央に、ビーズで形作られた、メディスン・ホィールを置いた。


 メディスン・ホィールは、四つの色と四つ方角を表した物だった。


 彼が、会場のみんなにたずねた。



「これが、どこで作られた物か、おわかりかな?」


「モンタナじゃないかな? あるいはサウスダコタか? ひょっとしたら、カナダのサスカチュワンかもしれんな?」


 みんなが、口々に答えた。



 すると彼が口を開いた。



 これは、ケニヤからきたものだと。



 メディスン・ホィールの作り方だが。


 ビーズの使い方といい、色具合といい、我々が作る物と瓜二つだった。



 黄色い人たちに与えられた石版は、チベットの人たちが守っている。


 仮に、アリゾナのホピ・インディアン居留地から地球の反対側に通じる穴をずっと掘っていくと。


 チベットに出るのだ。



 チベット人たちの言葉で、太陽だが。


 ホピ族たちの言葉では、月を現す。



 ホピ族たちの太陽と言う言葉だが。


 チベット人たちの月を現す。



 ヨーロッパ人たちの伝統を守り続けている国は、スイスだ。


 スイスでは、それぞれ家族が自分の家に伝えられた仮面を持っている。


 それを、皆で持ち合う日という風習がある。



 それぞれ、家族が自分の家の色というものをまだ知っているのだ。


 全員がそうだというわけではないが、シンボルがなにかをまだ知っているものたちもいる。


 これら、四種類からなる人たちは、それぞれが偶然のように山々に囲まれた中で暮らしている。



 それぞれ、四種類の人達は、それぞれが自分に与えられた方角に行く。


 そして、自分たちに与えられた教えを学ぶことになった。


 いつだったか。


 さほど、昔ではない頃のニューズウィーク誌にだ。


 人類の食べている食べ物の十のうち八つが西半球でもともと作られていたものだという記事があったが。

 それは、赤い人達が教えを、地球と地球から生える者たちの教えをだ。


 しっかりと、守護してきた事のあかしであるだろう。



 我々には、我々が兄弟として、姉妹として、再び相まみえることができた時にだ。


 互いに、教えを忘れないでいた事を確認しあってだ。


 そうして、行う事になる皆の前で見せるべき、聖なる握手が与えられている訳だ



 ホピ族に与えられた石版には、最初の姉妹たちや兄弟たちが。

 それぞれ、亀の姿をとって、大地を横断してきて、その姿をあらわすと記されていた。


 それらは、確かに人間ではあるかもしれないが、やって来るときには亀の姿形をしていると。


 その時期が近づいた時、ホピはそのために特別な村でだ。


 はるばる遠くから大地を横断してやってきた亀たちを出迎えることになっていた。



 ある朝、彼等は朝光の中で立ちあがり、朝日が差し込んでくる方角に目をこらした。



 どこまでも続く、沙漠のはるか向こうから、スペイン人と言う征服者たちがだ。

 各人が、さながら亀がごとく見える鎧甲を身にまとって、こちらを目指してやって来るのが見えた。



 まさしく、それは大地を横切ってやって来る亀たちのように見えた訳だ。



 そこで、ホピの人たちは村を出て、スペイン人たちを出迎えた。


 そして、握手をしようと手を差しのばしたが、スペイン人はつまらない謀事を返してきた。


 その事があってすぐ、北アメリカ大陸中に、厳しい時代が訪れるとの知らせが広められた。


 兄弟姉妹や、或いは全て人の中にある神聖さを忘れてしまったかもしれぬ者達が居る。

 これがために、地球に生きる者たちが苦しむ事になるだろうと。



 そこで、部族という部族が、しかるべき人間たちを山に送る。


 自分たちが、生き延びるために、どうすればよいかについてのヴィジョンを求めさせた。



 その頃、ミシシッピ大盆地のなかだけでもだ。


 ざっと10万もの町があり、盛り土をする文明で知られていた。



 町という町が、そうした巨大な盛り土のうえに建設されていた。



 この大きな盛り土群は、今もそこに残されている。


 なぜ盛り土をしたのかというと、厳しい時が訪れる事が分かっていたからだ。

 なんとか、地面から離れたところで生き延びることを学びはじめようとしたのだ。



 彼等は、いかにすれば、苦難の時を乗り越えて生きながらえる事ができるか。

 それを、知るために人びとを送り出して、ヴィジョンを見させようとした。


 彼等は、予言の中で、そこに集う人たち全てへと。


 万物の中にある神聖さについて思い出させるようにしなくてはならないと、告げられていた。



 もし、それができるのならば。



 その時には、地球に平和がもたらされるだろうと。



 けれどもし、それがかなわなかった時には。


 つまり、われわれがひとつの人間家族としてまとまることができなかった時には。


 グレイトスピリットが、その御手で、地球をつかまえられて、激しく揺さぶる事になると。



 西海岸を治める酋長エルダー達は、あの連中が、いずれ黒いリボンを作りはじめる事を予言していた。



 ⭐️ 黒いリボン。



 舗装された道の事。



 そして、この黒いリボンから上を一匹、虫が動き回るだろうと。


 この虫を、あなた方が大地上で見るようになった時は、地球が最初に震える御印であると。


 そして、地球が最初に震えた時、あまりのふるえの激しさにだ。

 その虫は、大地から放り出され、やがて虫は空を飛びながら動きはじめるだろう。



 そして、この地球による震えが収まる頃までにはだが。


 この虫たちは、世界中を自由に空を飛び回るようになると。



 虫の背後には、土ぼこりが、もうもうと舞う道ができる。


 そして、最終的には、地球の空という空は、ほとんどが。

 この舞いあがる土ぼこりによる道で汚されてしまうことになる。


 その結果、訳が分からないような病気が、たくさん引き起こされる事になるだろう。



 そう、大地の上を動き回る虫。


 今では、それはどこにでもいるし、誰の目にも入る。



 1908年、T型フォード車が始めて大量生産にかけられた時だ。



 エルダーたちは、最初に地球が揺さぶられる時が間近に迫っていることを知った。



 そして、それが第一次世界大戦だった。



 第一次世界大戦において、飛行機は始めて広く使われるようになった。


 それは、空に放り出された虫だった。


 これを見た時、彼等には、やがてとても重要な何かが起ころうとしている事がわかった。


 この大地にある西海岸において、平和を作ろうとする試みが起きる事になっていた。


 エルダー達は、それを固唾をのんで推移を見守った。



 やがて、彼等の耳に、サンフランシスコで地球から各国々により同盟が作られようとしている。


 ーーと、言う知らせが届きはじめた。


 そこで、1920年ごろ、エルダーたちが、アリゾナで一堂に会した。


 そして、みなで時の大統領であるウッドロー・ウィルソンに宛てた手紙を書いた。


 エルダー達は、そのときに作られつつあった国々による連盟へと。

 インディアンも、ふくまれるかどうかを、その書状で問いただした。



 ⭐️ 国際連盟、正確には連合軍。



 アメリカ最高裁判所は、インディアンが住む居留地は、アメリカ政府とは分けられている。


 また、半ば独立国と見なすべきとの判断を示していた。


 リザベーションは、アメリカの一部ではないが、合衆国によって保護されている土地であると。


 しかし、居留地がどんどん自分たちの所から離れていく事をあの人たちは望まなかった。


 だから、事は重大事だった。


 連中はリザベーションを独立した国のように見る事を望まなかった。


 だから、あの人たちは返事をよこさなかった。



 そして、ネイティブ・ピープルは国際連盟による国の枠から外された。


 これで、輪は未完のまま終わってしまった。



 あの時、国際連盟と言う国による輪には、南側に

南扉が設けられていた。



 南の扉は、黄色い人たちが開ける物だった。


 西側の扉は、黒い人たちが開ける物だ。


 北の扉は、白い人たちが開ける物だった。



 しかし、東の扉には、人が配置されていなかったのだ。


 エルダーたちは知っていた。


 人類による輪が、このように未完成なままであるなら、地球上に平和が訪れる事はないと。


 四つ色である人たちが、一つの輪を分けあって腰をおろす。


 そして、それぞれ伝えられた教えを皆で共有できた時、始めて地球にも平和がもたらされるのだと。



 だから、彼等には、これから起こるだろう事がわかっていた。


 物事の速度が少なからず速まるだろう。


 地球をまる事、覆いつくすように蜘蛛の巣が張られる。

 人々は、蜘蛛の巣を通じて、会話を交わすようになる。



 話をするために、蜘蛛の巣が地球周囲に作りあげられた時にだ。


 東方から、命の御印が姿をあらわすけれど。


 しかし、それは傾いたままの死を運んでくる。



 それは、太陽を引き連れてくるだろう。



 だが、太陽その物はいつ日にか、東ではなく西方に高く昇るだろう。



 ⭐️ 傾いたままの印&太陽



   ナチス鉤十字&日本帝国の旭日旗。



 エルダーたちはこう言った。



 東に太陽が昇るのを見る。


 そこより、東で命の御しるしが裏返しになり、傾いたままであるのを見る時にだ。


 とてつもない死が、この地球にやってくる事を、お前たちは知るだろう。



 グレイトスピリットが再び、その手で地球をつかまえて激しく揺さぶる事になる訳だ。


 この時、震わせ方は、最初に行った震わせ方などとは比較にならないぐらい激しい物になるだろう。


 命の御しるしが裏返しのまま傾いている形を、我々はスワスティカと呼ぶ。


 また、東に昇る太陽とは、日本が掲げる旭日旗の事だ。



 これら、二つのシンボルはアリゾナにある石に彫り込まれている。


 それら、シンボルを掲げた二つの旗を目にした時にだ。

 エルダー達は、それが地球が再び揺さぶられる印である事を知ったのだった。



 守護されるべき火のより悪い誤った使われ方は、灰がつまった瓢箪ヒョウタンと呼ばれている。


 その灰がつまった瓢箪ヒョウタンが空から落ちるだろうと彼らは言った。


 それは、人々をして、大平原を焼き尽くす野火の中にある草葉が如くにしてしまうだろうと。


 そして、その後は、いくつも季節が過ぎても、なに一つ地面から生えてくることはないだろう。



 原子爆弾、それが灰のつまったヒョウタンのことである。

 また、アメリカの歴史上で最も堅く守られた極秘事項だったが。


 エルダー達は、1920年には、既にそれについて話さなくては成らない思いに駆られていた。


 あの時、彼等が国々の連盟に加わる事ができていたならばだ。

 当然、彼等はその事について話をし、それが間近に迫っていることを伝えていただろう。


 エルダー達は、時の大統領ルーズベルトになんとか接触を持った。

 そして、灰のつまったヒョウタンを使用する事を思いとどまらせようとした。


 なぜなら、それを使う事は地球にとてつもない影響を及ぼす。


 また、結果として、さらに酷い破壊をもたらして、三回目の地球が揺さぶられる事。



 つまり、第三次世界大戦につながるだろうからだ。



 地球が、二回目に激しく震えて、灰のつまったヒョウタンが空から落ちる様を見る事になった後。


 この大地に、もう一つある外れで平和を作る試みが為されるだろう事を彼等は知っていた。



 西海岸における平和の試みが失敗に終わった。


 それで、彼等は特別な家を、ここ亀の島にある東海岸に建設する事になるだろう。



 この家には、地球から、ありとあらゆる国々や人びとが集まってくる。

 そして、雲母の家と呼ばれることになり、沙漠上にある雲母みたいに、それは輝くだろう。



 それから、エルダーたちだが。


 あの人たちが、まるで沙漠の雲母みたいに光を反射するガラスをつかってだが。


 国際連合ビルを建設する様を眺めはじめ、遅からず、それが雲母の家であることを知った。


 こうして、地球の上に生きる人々は全て、そこに行くべきであるという事になった。


 そして、エルダーたちは一堂に会して、その事を話しあった。


 1920年代の時には文書を送ったが、返事はもらえなかった。

 それで、今度は雲母の家にある正門前まで直接でかけていくべきだと言う事になった。


 なぜなら事態は、はるかに悪くなっているようだったから。



 そこで、いくつかの部族を代表するエルダーたちが車でニューヨークまで出向いた。


 国際連合が開かれたとき、彼らは雲母の家の正面入り口の前でこう伝えた。


 我々は、北米・先住民族を代表する者である。


 地球各国、皆さんの前で、お話しをさせていただきたい。


 我々に話をさせるかどうか。


 それを、皆さん方が検討できるように、答えをいただくまでに、四日間という時間を与えよう。



 彼等は、そのままニューヨーク州にあるシックス・ネーションズ居留地である一つに退いた。



 そして、四日後に再び国際連合のビルの前に戻ったのだ。


 地球上、各国々に住む人達は、インディアンが入り口のところまで訪れた事。


 それを確かに聞いたのだと、私は信じている。



 彼等は、インディアンたちを議場に入れるかどうかを投票できめることにした。


 彼等はインディアンたちが、何を言おうとしているのか聞きたかったに違いない。


 だが、アメリカ合衆国は拒否権を持つ五つ国の一つだった。


 にもかかわらず、先住民族による自主独立の気運が高まっていた頃でもあった。


 それにより、かなりの関心を抱きはした訳だが。



 わたしが思うに、結局のところ。


 彼等は、ネイティブ・ピープルが国連の中に入る事を拒否した訳だ。



 エルダーたちは、他にも地球のうえで起こることがわかっていた。



 だから、彼等はまたシックス・ネーションズのリザベーションに撤退した。

 その事について話しあい、改めて時が迫って来つつあることを確認した。


 1949年のことだった。



 エルダーたちは、こう言った。



 合衆国を、四つの地域に分けて、毎年ギャザリングを持つ事にしよう。


 集まりを、白いルーツの平和ギャザリングと呼ぶことにする。



 ギャザリングが、実際に行われるようになったのは、1950年代になってからだ。


 とともに、ある特定の人をだが。


 英語によって、これらの予言について解説するため、通詞として、エルダー達は初めて認定した。



 これら通詞のうちで、私が何度も何度も耳を傾けた物は、トーマス・バンヤッカが語る話だった。



 彼は、石版に記された物を英語で話すことを長老たちから認められていた。


 また、その人生を、ひたすら翻訳するために費やしてきた。


 彼等は、みな我々に向かって、そのギャザリングについて語りはじめた。


 あなた方は、自分等が生きている内に、人類が自分達を作り上げている青写真を見つけはじめると。


 それが到来する様を、その目で見ることになる。



 今では、それはデオキシリボ核酸と呼ばれているが。



 彼等はこうも言った。


 あの人達は、これら青写真を断つ事もすると。



 ⭐️ デオキシリボ核酸。



  DNAの事。



 それは、今では遺伝子組み換えとか、遺伝子接合と言われているものだ。


 彼等はさらに、連中はこの地球に新しい動物を作るようになる。


 こうした、新しい動物たちが我々を助けてくれるようになると考えるようになるだろうとも語った。



 なるほど、それ等はどうやら我々を助けてくれそうではある。

 だが、おそらく孫や曾孫たちは、それによって苦しむ事になるだろう。



 かなり、昔の事になるが、エルダーたちがこう言った。


 連中は、このような者たちを世に放ち、利用するようにもなるだろうと。


 この遺伝子組み換えは、さほど遠くない将来に解き放たれる事になるだろう。


 新しい動物たちが作られよう。



 エルダーたちは、それについて、こう話した。



 あなたがたは新しい動物たちを目撃することになる。


 昔の動物たち、人びとがすでに消えたと思いこんでいた動物たちですら、帰ってくるかもしれぬ。


 あちこちでそうした動物たちを見つけることになるだろう。


 それらが、再び姿を現しはじめるのだ。


 貴方がたは、イーグルが夜中に空の最も高いところまで飛ぶ。

 そのまま、月に着陸する姿を目撃する現場に立ちあう事になるだろう。


 それが起こる時、ほとんどのネイティブ・ピープルたちは眠りについているだろう。



 鷲が、空の最も高いところを飛んで、月に舞い降りる時にだ。


 ネイティブの者達が寝ていると言うが、これは教えが失われたことを象徴的に意味する。



 つまり、我々は教えが失われた時代にいるのだ。


 イーグルが月面に着陸した時は、1969年の事だ。

 連中は、月から鷲は舞い降りたと言うメッセージを地球に送ってきた。


 伝統的に、北はイヌイットの暮らす地域から。


 南は、南米アンデスの民であるクエチュアスの人びとの土地までだ。


 我々は、ここでお伝えする予言をこれまでのところ共有し続けている。



 物事の動きがスピードを増していく様を見るようになる時だ。

 地球上で、生きる人たちの動きも、いや増しにましていくことだろう。


 孫たちの世代は、もう祖父母になる時間はないかもしれない。


 男子も女子も親にはなれても子供たちを持つ時間はないかもしれない。


 時間の流れがさらにさらに速まるように見える。


 エルダーたちはわれわれに警告を与えた。


 物事の速度が早くなっていくような時には、お前たちは、スローダウンしなくてはならぬと。


 時代が早く動けば動くほど、我々はスピードを落とさなくてはならない。


 物事の動きが速くなる時には、地球が三回目に揺すられようとしている訳であるから。


 グレイトスピリットは、これまでにも二回この地球を揺すられた。


 第一次世界大戦も、第二次世界大戦も、われわれが一つの人間家族であることを。


 我々、一人一々が兄弟であり、姉妹として、互いに挨拶を交わすべきだった事。


 それを思い出させるための物だった。



 地球が揺さぶられた後。


 ともに、より集まって輪になるチャンスが、過去に、二回我々には与えられたのだが。


 我々は、その機会をミスしてしまった。



 今エルダー達は、地球が三回目に揺すられる時の御しるしについて話しておられる。


 あの人たちは。


 エルダーたちが使う言葉で言うなら、空の家となる物を、これから造るらしい。


 1950年代に、すでにその話を耳にした。



 彼等は家を造り、その家を空に放り投げると。


 人間が、空に永住するようになるのを見たらだ。



 その時が、グレイトスピリットが地球を正に掴もうとしている事を貴方達は知る時である。


 そして、その時にはグレイトスピリットは、これまでのように甘くはない。

 何故ならば、片手ではなく、両手で地球をつかんで揺さぶる事になるだろうからだ。



 今度、つまり三度目に、グレイトスピリットが地球を揺さぶる時にはだ。


 空の家から、下にある地球に向かって、灰がつまった瓢箪ひょうたんが落とされるはずだ。



 エルダー達によればだ。


 その頃には、大地より上に余りにも広大で、どこまで続いているか、とても見渡せないぐらいにだ。


 かなり、大きな村ができている事になっている。



 そして、さまざまな予言によれば。


 その広大な村は。



 石の村。

 石の平原。


 ーーと、呼ばれている。



 それらの石は大地から空に向かって伸びている。



 それぞれの石が、余りにも高くそびえている為にだ。

 村から遠くまでは、とても見渡せないのだそうだ。



 そうした村という村のそれぞれ中心には、ネイティブ・ピーブルがいるだろう。


 彼等は、石の平原上を、それぞれがさながら実が詰まっていない貝殻がごとくに歩いている。


 エルダーたちは。



 実のない貝殻。

 貝の抜け殻。


 ーーと、確かに言った。


 それは、ネイティブ・ピープル等が自分たちの伝統に対する理解をすっかり失っている。


 そうして、内側が空っぽになってしまっているということなのだ。



 彼等は、こう言った。



 イーグルが月に舞い降りた後。


 石の大平原に暮らす人達だが、そこから離れてしまう者たちも居る。


 彼等は、昔ながらの生き方を学び、自分を生まれかわらせようとする者達が現れはじめるだろう。


 何故なら、そうやって新しい一日がはじまるのだから。


 だが、そこまでするのはほんの限られた数の人間に過ぎない。


 多くは、そのまま石平原にとどまるだろう。



 エルダー達が言うには、やがてそのときが来る。


 朝日が昇ってきた時には、そこに確かにあった石の村が。

 夕方には、大地からのぼりくる蒸気に包まれているだろう。



 それは、立ちのぼる蒸気としてやって来る。



 石の村は、中心地から数多くが、瞬時にして蒸気に姿を変える。


 その時、町に残っていたネイティブ・ピープルたちだが。

 彼等は、目を覚まして石の村から出て行かなかったが為に、一瞬にして蒸気になってしまうだろう。


 エルダー達は地球が三回目に揺さぶられるときはそうなるのだと言っている。


 あまり見たくないような光景ではあるが、それでも生き残るものは生き残る。


 我々は、それを生き延びるだろう。



 そして、それを生き抜いた後。


 その時にも、また地球上に生きる人たちによる間で、輪を作ろうと言う試みが起こる。


 そして、今度は、ネイティブ・ピープルも仲間に加わるために請願する必要はない。


 はじめから輪に加わるように招聘される事だろう。


 エルダー達に言わせると、その時までには人々による我々に対する態度も一変しているという訳だ。


 人々は、我々をその輪の中に入れてくれるだろう。


 四つ方向に分かれていた、四つ色人たちが互いの知恵を分けあう事もでき、地球にも平和が訪れる。



 そのときが今迫りつつあるのだ。



 予言というのは、どんな物であれ、絶対的な物ではない。


 いつも可能性は常に残されている。


 1565年の時に、みんなで集まる事だってできた。


 そうすれば、偉大な文明を今ごろは築いていたかもしれないのだが、我々はそうはしなかった。



 いつだって、我々は、こうした予言の筋道にそって、一つに繋がることができた。


 これからだって、まだできるはずだ。


 我々が、人種や宗教に基づく不協和音をしずめる事ができるのなら。


 我々も、この第三回目である揺さぶりを体験しないでも済むかもしれない。



 エルダー達は言っている。



 その可能性は、本の僅かな物であるだろうと。


 私の目から見ても、可能性は限りなく小さい。


 だが、もはや成す術がないかというと、そうではない。


 エルダー達に言わせれば、我々にできる事は、その衝撃を和らげることである。

 そうすれば、被害はそれほどには酷い物には成らないだろうと言う。


 では、そのために、我々になにができるのか。



 それが、我々を、もう一度一つに繋ぐために、教えを分けあう事なのである。



 《2》 白い眼を持つ怪物。



 はるか昔、ヨーロッパ人が、タートル島と、その住民たちを発見する前からだが。


 チェロキー族に伝わる伝統的なストーリーが祖母から子どもたちへと伝えられていた。



 そして、チェロキー族では、老人たちが白い眼の怪物が到来する事を警告していた。


 類似したストーリーは、アステカやメキシコに住む人々の話にも見出すことができる。


 精霊が、白い眼を持つ怪物は、東の大洋を渡ってやってくると予言した。



 その怪物は悪魔に取り憑かれており、恐ろしいパワーを持つ。


 そして、行く先々で巨大な破壊をおこなうという。


 動物精霊たちは衰え、木の精霊は枯れ始めた。


 預言では、母なる地球自身が荒廃し、母なる地球の鼓動は消えていく。


 その怪物は、タートル島にいるあらゆる種族の子ども達を、全て食べてしまうと言われた。



 誰も逃げ出すことはできない。



 仮に生き残った者がいても、既に魂は死んでおり、祖先とのつながりはない。



 チェロキーに伝えられた伝説だが。


 ある日、地球があまりにも酷い状態であるために、死の歌を歌い始めるという。


 これが起きた時、敷くにやってきた白い眼の怪物に従った人々の子どもたち。


 彼等は、父親達による腕の中で、絶滅に瀕する事に自覚するとされている。


 彼等は、子供達により魂が蘇る光景を見て、白い眼の怪物が生んだ、子達をガイドするために待つ。



 僅か少し、真実の保持者が現れる。



 白い眼の怪物に打ち勝てるほどに強くなる。


 そして、母なる地球を健全な姿に戻せるのだ。



 タートル島の子どもたちを正しい方向に戻すことができる。



 そして、種族は平和に過ごしていく。



 動物や木の精霊が蘇り、そして、白い眼の怪物は、もはや存在できない。

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