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赤毛のエイリークのサガ

 この物語は、アイスランド人の物語にして、赤毛のエイリークによる、グリーンランド入植。


 そして、ソルフィン・カルルセフニのヴィンランド探検を中心に扱う、サガです。



 同じ題材を扱った、グリーンランド人のサガと比べた場合・・・。



 探検の描写が、具体的である点。

 キリスト教色が、強調されている点。


 それに、グズリーズ・ソルビャルナルドーティルが、物語の重要な役割を果たす点に特徴があります。



 グリーンランド人のサガの中には、赤毛のエイリークのサガについての言及があります。


 なので、『グリーンランド人のサガ』の作者は、このサガを参考にしたようです。



 しかし、両者に記されている内容はかなり異なっており、互いに矛盾する点も多く見られます。



 エイリークのグリーンランド入植。


 ソルヴァルド・アースヴァルズソンと、その息子エイリークは殺人事件をおこしました。

 その事で、ノルウェーを追放されてアイスランドに移住します。


 エイリークは、アイスランドでまた殺人を犯し、追放処分を受けます。


 エイリークは、グンビョルン・ウールフスソンと言う男が西に流された時に見たという陸地を探し、そこに移住する事にした。


 こうして、エイリークは首尾よく、グリーンランドを発見し、ブラッターフリーズと言う場所に定住しました。


 エイリークは当時、ショーズヒルドと結婚しており、レイフとソルステインという2人の息子達がいました。


 ソルステインは父と共に、グリーンランドで暮らし、レイフはノルウェーでオーラーヴ・トリュクヴァソン王のもとに滞在していた。



 ソルビョルンとグズリーズの移住。


 アイスランド追放の際。


 エイリークを助けた仲間の一人。


 ヴィーヴィルの息子ソルビョルンは、経済的な理由から、娘グズリーズを連れて、グリーンランドへ移住する。


 この時、金持ちのエイナルは美しいグズリーズに縁談を持ちかけたが、ソルビョルンは断りました。


 移住先のグリーンランドで大飢饉が起き、困ったソルビョルンたちの集落は高名な女予言者ソルビョルグを招いて吉凶を占ってもらうことにする。


 ソルビョルグは、占いの準備に必要な【ヴァルズロクル】、と言う霊を呼び寄せる歌を歌える女性はいないかとみなに尋ねる。


 ただ一人、その歌を知っていたグズリーズは歌うよう求められますが、キリスト教徒の彼女はためらいます。


 結局説得されて、グズリーズが歌うと、ソルビョルグの占いは、たちまち成功します。

 ソルビョルグは、お礼にグズリーズの未来を占い。

 お前の子孫は、アイスランドで繁栄するだろうと予言する。


 その後、ソルビョルグが占った通り天候はすぐに回復しました。


 レイフの航海。


 ある日、エイリークの長男、レイフ・エリクソンはグリーンランドからノルウェーへ向かう途中。

 ヘブリディーズ諸島に流され、魔女ソールグンナと仲むつまじくなり子をもうける。


 ヘブリディーズ諸島を出帆した、レイフはノルウェーでオーラーヴ・トリュクヴァソン王に謁見し。

 王から、グリーンランド布教の任務を授かる。


 グリーンランドへ帰る途中、偶然にも小麦とブドウの木が自生している陸地ヴィンランドを発見した。


 更に、船が難破して、漂流している人びとを見つけて助け。

 以来、彼は幸福なレイフと呼ばれるようになった。


  帰ってきたレイフは、ノルウェー王の命令通り、グリーンランドにキリスト教を広めた。

 父エイリークは、なかなか受け入れようとしなかったが。

 母ショーズヒルドは間もなく改宗し、エイリークスフィヨルドに教会を作らせた。


 これ以来、2人の夫婦仲は悪くなった。


 ソルステインの航海。


 まもなく、ブラッターフリーズではレイフが見つけた陸地ヴィンランドのことが話題に登り、皆でそこに行こうということになった。


 リーダーは、エイリークの子ソルステインに決まった。

 エイリークも同行を要請され、気乗りはしなかったが皆の意見に逆らえず嫌と言えなくなってしまった。


 船に、20人と少なめの家畜、武器と食料が詰め込まれた。

  出帆当日、エイリークは金と銀のつまった箱を隠してから出ようとしたが、落馬して脇腹の肋骨を折り、上腕の付け根を痛めた。


 負傷した、エイリークは金銀を隠した罰が下ったのだ。


 と妻に打ち明け、航海に出ることを断念した。


 それからソルステインたちは意気揚々と出発したが目的地に辿り着けず、秋の終りにようやくエイリークスフィヨルドに帰りついた。


 そして、ブラッターフリーズに戻り、冬を越した。


 ソルステインの死。


 帰ってきたソルステインは、グズリーズに結婚を申し込んだのですが。

 本人からも父親からも色よい返事をもらい、二人は秋に結婚しました。


 しかし、冬になって間もなく疫病が蔓延し、ソルステインは死んでしまいます。

 その夜、しばらくするとソルステインの死体が起き上がり、グズリーズを呼び出す。

 グズリーズに会うと、神のご加護と慈悲についてとくとくと述べ。

 グリーンランドの多くのものが神を粗末にしている、と語った。


 そして、グリーンランド人とは結婚しないこと。


 財産を教会と貧しい人々に寄付することを頼んだ。


 それだけ言うと、ソルステインの死体は再び崩れ落ちるように倒れた。


 彼の亡骸は、エイリークスフィヨルドの教会に葬られた。

 夫を失い、遺産を相続したグズリーズはエイリークの家に引き取られた。

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