第四の世界ツワカキ 【現代】
分かれる前に、いっておかなければならないことがある。
ソツクナングは、第四の世界の岸辺に立っている人々に向かって言った。
この第四世界の名は、ツワカキ、つまり完全な世界である。
その理由はいずれわかるだろう。
かつての世界ほど美しくも、楽でもない。
高いところや低いところ、熱と寒さ、美しいところや荒れたところがある。
あなた方に選びとれる全てのものがここにある。
あなた方が何を選ぶかが、創造の計画を今度こそ遂行できるか、あるいはいつの日かふたたび世界を滅ぼすかを決定するのだ。
さあ、あなた方は分かれて違った道を進み、地の全てを創造主のために所有せよ。
あなた方のどの集団も、星のあとに従うように。
星が停止した場所があなた方の定住する場所である。
行きなさい、あなた方は善霊から助けを得るだろう。
あなた方の扉を開けたままにして、私が語ったことをいつも覚えておくようにしなさい。
こうして、彼は姿を消した。
人々が岸辺から離れ、内陸へと入っていくと、低い風の音がまたきこえてきた。
辺りを見渡すと、ハンサムな男が目に入った。
あなたですか?、音を立てたのは?。
男はこう答えた。
そうだ。あなた方が道を探せるよう、私が音を立てたのだ。
私がわからないか?、マサウウだ、この陸地の守護者、世話役である。
人々は、マサウウを知っていた。
彼は第三の世界の世話人の長だったのだが、やや尊大になり、創造主の御前で謙虚さを失ってしまったのである。
霊であるため、彼は死ぬことができなかった。
そこで、タイオワは彼をその役目から外し、死と地底世界の神としたのだった。
この地底での仕事は地上ほど楽しいものではなかった。
そこで、第三の世界が滅びたときに、タイオワは彼にもう一度チャンスを与え、次の第四の世界の世話人に抜擢したのである。
この世界で出会った最初の存在だったため、人々はマサウウを尊んだ。
この陸地に住むことを許可してくださいますかと彼らは尋ねた。
よろしい、大地の所有者としてあなた方を許可しよう。
指導者になっていなだけますか?。
それはできない、私より偉大なお方が、あなた方にはたすべき計画を与えているのだ。
前の世界が海中に没したときに、この新しい陸が突き上げられて地球の背骨となった。
あなた方がいるのは、その西側斜面だ。
しかし、まだ移住は始まっていない。
あなた方はまだ、星を追って定住する場所に辿り着く旅を始めていないのだ。
私が指導者になる前にそれを終えていなくてはならない。
しかし、あなた方がまた悪しき道に戻るならば、私は大地をとり上げてしまうだろう。
私が世話役で守護者だからである。北に行くと、寒さと氷に出会うだろう。
そこは、この陸の裏門にあたる。
この裏門を通って入ってくる者たちは、私の許可を得ていない者たちだ。
さあ、行って私の許可によって土地を求めなさい。
マサウウが消え去ると、人々は集団に分かれて移民を始めた。
また会おうと彼らは互いに呼びかけ合った。
われらが第四の世界は、こうして始まった。
その名は、完全な世界ツワカキ。
方角は北、色は黄白色。
主なるものは、木ではジュニパー、鳥ではフタロウ、動物ではピューマ、また混ざり合った鉱物シクヤパラがあった。




