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24/202

第四の世界ツワカキ 【現代】

 分かれる前に、いっておかなければならないことがある。


 ソツクナングは、第四の世界の岸辺に立っている人々に向かって言った。


 この第四世界の名は、ツワカキ、つまり完全な世界である。


 その理由はいずれわかるだろう。


 かつての世界ほど美しくも、楽でもない。


 高いところや低いところ、熱と寒さ、美しいところや荒れたところがある。


 あなた方に選びとれる全てのものがここにある。


 あなた方が何を選ぶかが、創造の計画を今度こそ遂行できるか、あるいはいつの日かふたたび世界を滅ぼすかを決定するのだ。


 さあ、あなた方は分かれて違った道を進み、地の全てを創造主のために所有せよ。


 あなた方のどの集団も、星のあとに従うように。


 星が停止した場所があなた方の定住する場所である。

 行きなさい、あなた方は善霊から助けを得るだろう。

 あなた方の扉を開けたままにして、私が語ったことをいつも覚えておくようにしなさい。


 こうして、彼は姿を消した。


 人々が岸辺から離れ、内陸へと入っていくと、低い風の音がまたきこえてきた。


 辺りを見渡すと、ハンサムな男が目に入った。


 あなたですか?、音を立てたのは?。



 男はこう答えた。


 そうだ。あなた方が道を探せるよう、私が音を立てたのだ。


 私がわからないか?、マサウウだ、この陸地の守護者、世話役である。


 人々は、マサウウを知っていた。


 彼は第三の世界の世話人の長だったのだが、やや尊大になり、創造主の御前で謙虚さを失ってしまったのである。


 霊であるため、彼は死ぬことができなかった。


 そこで、タイオワは彼をその役目から外し、死と地底世界の神としたのだった。


 この地底での仕事は地上ほど楽しいものではなかった。

 そこで、第三の世界が滅びたときに、タイオワは彼にもう一度チャンスを与え、次の第四の世界の世話人に抜擢したのである。


 この世界で出会った最初の存在だったため、人々はマサウウを尊んだ。

 この陸地に住むことを許可してくださいますかと彼らは尋ねた。


 よろしい、大地の所有者としてあなた方を許可しよう。


 指導者になっていなだけますか?。



 それはできない、私より偉大なお方が、あなた方にはたすべき計画を与えているのだ。


 前の世界が海中に没したときに、この新しい陸が突き上げられて地球の背骨となった。


 あなた方がいるのは、その西側斜面だ。

 しかし、まだ移住は始まっていない。

 あなた方はまだ、星を追って定住する場所に辿り着く旅を始めていないのだ。

 私が指導者になる前にそれを終えていなくてはならない。


 しかし、あなた方がまた悪しき道に戻るならば、私は大地をとり上げてしまうだろう。

 私が世話役で守護者だからである。北に行くと、寒さと氷に出会うだろう。


 そこは、この陸の裏門にあたる。

 この裏門を通って入ってくる者たちは、私の許可を得ていない者たちだ。

 さあ、行って私の許可によって土地を求めなさい。


 マサウウが消え去ると、人々は集団に分かれて移民を始めた。


 また会おうと彼らは互いに呼びかけ合った。


 われらが第四の世界は、こうして始まった。


 その名は、完全な世界ツワカキ。


 方角は北、色は黄白色シクヤングプ


 主なるものは、木ではジュニパー、鳥ではフタロウ、動物ではピューマ、また混ざり合った鉱物シクヤパラがあった。

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