表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/202

日本神話 スサノオによる龍神ヤマタノオロチ退治 海幸山幸の神話

 日本神話では、洪水神話が無いと言われて来ました。


 しかし、ヤマタノオロチの体は、大洪水や溶岩流を表していると言われてます。

 それに加えて、海幸山幸による神話も同じく人類が流されてしまう懲罰物語と言えます。



 《1》 スサノオによる龍神ヤマタノオロチ退治。


 《2》 海幸山幸の釣り針。



 古事記バージョン。


 前回、高天ヶ原での暴虐行為により、追放された、スサノオ。


 彼は、出雲国の肥河【島根県斐伊川】の上流の鳥髪【現・奥出雲町鳥上】に降り立った。


 箸が流れてきた川を上ると、美しい娘を間に老夫婦が泣いていた。

 その夫婦は大山津見神の子のアシナヅチとテナヅチであり、娘はクシイナダヒメといった。


 夫婦の娘は8人いたが、年に一度、高志から八俣遠呂智という、8つの頭と8本の尾を持った巨大な怪物がやって来て娘を食べてしまう。


 今年も八俣遠呂智の来る時期が近付いたため、最後に残った末娘のクシイナダヒメも食べられてしまうと泣いていた。


 スサノオは、クシイナダヒメとの結婚を条件に、ヤマタノオロチを請け負った。

 まず、スサノオは神通力でクシイナダヒメの形を変えて、歯の多い櫛にして自分の髪に挿した。

 そして、足名椎命と手名椎命に、7回絞った強い酒。

 八塩折之酒を醸し、8つの門を作り、それぞれに酒を満たした酒桶を置くようにいった。


 準備をして待っていると、ヤマタノオロチがやって来て、8つの頭をそれぞれの酒桶に突っ込んで酒を飲み出した。

 ヤマタノオロチが酔って寝てしまうと、スサノオは十拳剣で切り刻んだ。

 このとき、尾を切ると剣の刃が欠け、尾の中から大刀が出てきた。

 そして、この大刀をアマテラスオオカミに献上した。

 これが、草那藝之大刀、【天叢雲剣あめのむらくものつるぎ】である。


 ヤマタノオロチを退治した、スサノオは、櫛になった、クシイナダヒメと暮らす場所を求めて、出雲の根之堅洲国ネノカタスノクニ。【現・島根県安来市】の須賀の地へ行き。


 そこで、【夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁 】。

 (八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に 八重垣作る その八重垣を)、と詠んだ。




 《2》 海幸山幸の釣り針。



 あるところに海幸彦と山幸彦という兄弟が居ました。


 兄である、海幸彦は海の幸を獲ることが得意でした。


 弟である、山幸彦は山の幸を獲ることを得意としていました。



 ある日、弟の山幸彦が。



「お互いの道具を交換しよう」


 ーーと兄の海幸彦に提案しますが、海幸彦は最初は断わっていました。


 ところが。


 何度も山幸彦が言ってくるので、仕方なく、お互いの道具を交換し、今までと違う獲物を取ることにしました。


 しかし、二人とも全く獲物が獲れませんでした。

 仕方ないので、互いに元から使っていた道具に戻そうと海幸彦が言いました。


 すると、山幸彦は海幸彦が愛用していた釣り針を無くしてしまったと言います。



 そこで、山幸彦は自分が持つ太刀を溶かして、1000本以上の釣り針で償おうとしますが。

 海幸彦は一切受け取ろうとせず、元の釣り針を返せと、一点張りでした。


 困り果てた山幸彦は海辺で泣いていると、どこからともなく老人が現れ、訳を尋ねてきました。


 山幸彦が理由を話すと、その老人は。


「それならば海の神がうまく取り計らってくれるでしょう」


 ーーと言い、小舟を作って、山幸彦を乗せ、海の神かが居る宮殿へと送り出しました。


 こうして、山幸彦は無くした釣り針を求めて海の神が住む宮殿へ向かったのでした。


 元は、山幸彦が悪いですが。



 海の宮殿に着いた山幸彦。


 彼は、そこに仕えている侍女を通じて、山の神が娘である豊玉姫と出会いました。


 二人は出会った瞬間、恋に落ちます。


 豊玉姫は直ぐに父である海の神・綿津見神わたつみのかみに、とても麗しい人がいましたと心を弾ませて紹介しました。


 すると、綿津見神もとても喜び、ごちそうを用意して宴を開き、山幸彦を大いにもてなしました。


 そして、山幸彦と豊玉姫は結婚して、それから三年間、二人は幸せな夫婦生活を送ったのでした。


 兄である、海幸彦から預かった釣り針を求めてやってきたと言うのに。

 山幸彦は、本来の目的を完全に忘れたまま暮らしていましたが。


 ある日、ふと兄の釣り針のことを思い出した山幸彦は、憂鬱な気分になり深いため息をついていました。


 それを見て、心配になった豊玉姫は、父の綿津見神に様子を伝えると。

 綿津見神が、山幸彦になぜため息をついているのか尋ねました。


 そこで、山幸彦は兄の釣り針を無くしたことを打ち明けると。

 綿津見神は海にいる魚を全て集め、釣り針の存在を知っている者がいないか聞き出してくれました。


 すると、どうやらノドに何か引っかかっているタイがいることが分かります。


 鯛を調べてみると、なんと海幸彦の釣り針が引っかかっていたのです。



 こうして、本来の目的である、兄から預かった釣り針を探し出すことに成功しました。


 三年も忘れてたけど。


 釣り針を手に入れた、山幸彦に対して、綿津見神が。



「この釣り針を兄に渡す時、呪文を唱えながら後手で渡しなさい、兄は貧しくなっていき、やがて攻め込んできたら、この玉を使って苦しめなさい」


 ーーと言い、潮盈珠しおみつたま塩乾珠しおふるたまという玉を授けました。


 そして、山幸彦は釣り針を帰すために海幸彦に会うと。

 綿津見神に言われた通り、呪文を唱え後手で釣り針を渡しました。


 すると、しばらく経つと海幸彦は次第に貧乏になり心も荒んできて、ついに山幸彦のもとへ攻め込んできたのです。


 それを迎え撃つ、山幸彦は潮盈珠しおみつたまを使って水を発生させます。

 こうして、海幸彦を溺れさせたり、塩乾珠しおふるたまで水を引かせました。


 このように、山幸彦は海幸彦を苦しめて、ついには屈服させたのでした。


 そして、弟である山幸彦は、とうとう兄の海幸彦を従わせることにしたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ