聖書の堕天使エグリゴリ・巨人ネフィリム ノアの方舟 オギュゴス王の大洪水
《1》 堕天使エグリゴリー・巨人ネフィリム。
グリゴリ【Grigori】あるいはエグリゴリとは旧約聖書偽典『エノク書』に出る堕天使の一団。
原義は、【見張る者】・【ギリシア語、【 ἐγρήγοροι】という意味である。
エノク書、第6章によると、ヘルモン山に200人の天使たちが集まった。
彼らのリーダーはシェムハザで、そのほかアラキバ、ラメエルなど20名が天使たちの長であった。
彼らは互いに誓いをたて、人間の娘たちを妻にめとった。
その際、人間に禁じられた知識。
剣。
盾。
胸当て。
等など、武器の作り方。
腕輪。
眉毛の手入れの仕方。
呪術。
薬草。
占星術。
~~などを地上の人間たちに教えたます。
それによって、男は武器で争うことを、女は、化粧で男に媚を売ることを覚えました。
結果・・・地上には、不敬虔や姦淫など、様々な悪行がはびこることになったという。
堕天使と女性たちとの間には身の丈3000キュビト、【1350メートル】、にもなる巨人ネフィリムが生まれた。
彼らは地上の作物はおろか。
鳥。
獣。
人間。
ーー等などを食い尽くし、最後には巨人同士での共食いまで始めた。
やがて、滅び行く人々の声が地上に届きます。
ミカエル。
ガブリエル。
ウリエル。
ラファエル。
ーーと言った、四人の大天使達が地上を見下ろしては暴虐が行われているのを見た。
神は、大洪水によって、地上のものを滅ぼすことにした。
ラメクの子ノアとその家族だけは助けるため、ウリエルを遣わした。
神は、ラファエルに命じて、アザゼルをダドエルの穴に閉じこめさせた。
ガブリエルに命じて、堕落した者たちを相争わさせた。
ミカエルに命じて、シェムハザとその仲間たちを、大地の地下の下に永遠の審判の日まで閉じ込めさせた。
ネフィリム【Nephilim】は、旧約聖書の創世記および、民数記。
旧約聖書外典【続編】のヨベル書、エノク書などにあらわれる種族の名で、一般的には巨人とされる。
名前の意味は、天から落ちてきた者達であるという。
ネピリムとも表記される。
創世記、第6章1~~4節によれば、地上に人が増え始め、娘たちが生まれると。
神の子らは人の娘たちが美しいのを見て、おのおの選んだ者を妻にした。
こうして、神の子らと人間の娘たちの間に生まれたのが、ネフィリムであった。
彼らは、大昔の名高い英雄たちであったという。
民数記、第13章32~~33節ではカナンを偵察した、イスラエルの一隊が。
そこにすむ民は巨人であり、ネフィリムである。
彼らアナク人は、ネフィリムの出だと、モーセに語る場面がある。
ヨベル書、7、21~~23によれば、巨人たちが人の娘をめとり、そこからネフィリムが生まれたとされる。
ネフィリムは、みな仲たがいをして共食いをし、お互いを殺しあったという。
この箇所では、ネフィリム以外に。
エルバハ。
ネピル。
エルヨ。
ーーという三種の名称があげられているが、それらも巨人を現していると考えられる。
第一エノク書、7章では地上に降りて人間の娘と交わった天使たち、グリゴリによって、巨人が生まれたという。
巨人の体長は、3000キュビット1350メートル。
ギリシア語のエノク書では、3000ペーキュスもあり、人間達の食物を食べつくすと共食いを行ったと言う。
古代イスラエルと敵対した民族や国家を、邪悪と強調するための象徴的描写とも考えられる。
《2》 聖書、ノアの方舟。
主は地上に増えた人々の堕落を見て、これを洪水で滅ぼすと。
主と共に歩んだ正しい人であった、ノア【当時500~~600歳】、に告げ、ノアに方舟の建設を命じた。
方舟はゴフェルの木でつくられ、三階建てで、内部に小部屋が多く設けられていた。
方舟の内と外は木のタールで塗られた。
ノアは方舟を完成させると。
妻と、三人の息子と、それぞれの妻。
そして、すべての動物のつがいを方舟に乗せた。
洪水は40日40夜続き、地上に生きていたものを滅ぼしつくした。
水は150日の間、地上で勢いを失わなかった。
その後、方舟はアララト山の上にとまった。
40日後、ノアは鴉を放ったが、とまるところがなく帰ってきた。
さらに鳩を放したが、同じように戻ってきた。
7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。
さらに、7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。
ノア601歳の1月1日に水が乾き始め、2月27日に全ての水が乾いた。【創世記第8章13~~14】。
ノアは箱舟から出て良いとの指示を受け、家族と動物たちと共に方舟を出た。
そこに祭壇を築いて、焼き尽くす献げ物を主に捧げた。
主はこれに対して、ノアとその息子たちを祝福し、ノアとその息子たちと後の子孫達。
そして、地上の全ての肉なるものに対し、全ての生物を絶滅させてしまうような大洪水は、決して起こさない事を契約した。
主はその契約の証として、空に虹をかけた。
《3》 オギュゴス王の大洪水。
オギュゴス王は、ギリシャ神話に登場する巨人であると言われた人間達の王様です。
ポセイドン・ウラノスなどの様々な神の子と言われてます。
しかし、聖書との関連性があるので、こちらに記載しました。
オギュゴス王は、ボイオーティア地方の中心にある都市テーバイ(テーベ)、の創始者とされている。
地理学者のパウサニアスによれば、オギュゴスはエクテネ(テーバイの先住民)、の王だったとか。
ギリシャ神話で最初の世界規模の洪水である『オギュゴス王の大洪水』は彼の治世中に発生し、その名前は彼に由来する。
伝承によると、オギュゴスは大洪水を生き延びたが、多くの人々が死に絶え、この王の死後、荒廃したアッティカには189年間王がいなかったという。
オギュゴス時代の大洪水。
ギリシア民族の動向を追跡できるのは、BC1750年。
この地方に、大洪水が発生する少し前の時代からである。
確認される最古のギリシア人は、クレオポンポスとその妻クレオドラである。
クレオポンポスの子パルナッソスは、それまで散らばって住んでいた人々を一か所に集めて住まわせて集落をつくった。
パルナッソスは、鳥の飛び方による占いを発明したと言われ、ドドナの巫女が鳩の飛び方を見て予言していたこととの関連を想起させる。
パルナッソスの名前は、デルポイの北に横たわる山の名前となった。
パルナッソスがつくった町の名前や詳しい位置については不明であるが。
大洪水により消滅し、逃れた人々はパルナッソス山の高みに逃げ延びて、新たにリュコレイアの町をつくったと伝えられる。
古い町は、パルナッソス山の北を流れるケピソス川の南岸にあったものと思われる。
この大洪水はデウカリオーン時代のものであったとする史料もあるが、つぎの理由により、誤りである。
父デウカリオーンが住んでいた頃に、テッサリア地方で大地震があり、川が堰き止められて大洪水が発生しているが。
地形的かつ距離的に見て、この大洪水がパルナッソス山付近に達することは考えられない。
その後、テッサリア地方に攻め込んで、ペラスゴイ人を追い出した、デウカリオーンの時代にも大津波が発生します。
小アジア沿海地方、およびその島々やサモトラケ島、コリントス地峡近くのメガラ地方やアテナイの町も被害にあっているが。
エーゲ海南部で発生した津波が、パルナッソス山麓まで及んだとは考えられない。
ケピソス川流域の住民をパルナッソス山の高い所に移住を余儀なくさせた大洪水は、デウカリオーンの時代よりも前の出来事である。
よって、テッサリア地方の場合と同様に地震などを原因とした、山塊の崩落などによる長期的な川の堰き止めによって、発生した大洪水であったと思われる。
ケピソス川は、ボイオティア地方にあるコパイス湖に流れ込むが、この湖は、この時の大洪水で生じたものと思われる。
⭐️ オギュゴス王の大洪水は白銀の時代・デウカリオーンの大洪水は青銅の時代とも。
歴史家ヨセフスは、ヘブライの家長アブラムがヘブロンの近くに住んでいたときに住んでいた巨人の名前として、オギュゴスに言及しています。
さらに、旧約聖書で、バシャンの王であった、巨人オギアスとも呼ばれる、オグ。
申命記3:11で巨人として描写され、ヘブライ人は、彼がノアの箱舟造りを助けたと見なします。
したがって、ノアはオギュゴス王が箱舟の甲板にとどまるのを許しました。




