ギリシャ神話、白銀の時代 ポセイドンの暴虐とデメテルの放浪 大戦争ギガントマキアー
《1》 ポセイドンの暴虐。
《2》 アテナとの都市名を巡っての対立。
《3》 コレー(ペルセポネー)、を誘拐する、ハデス。
《4》 放浪する、デメテル&彼女を犯す、ポセイドン。
《5》 オリュンポスの神々VSギガース達による、大戦争ギガントマキアー。
以上の順で、今回はギリシャ神話を語りましょう。
《1》 ポセイドンの暴虐。
ポセイドーンの性格は荒ぶる海洋に喩えられ、粗野で狂暴な性格で、しばしば傲慢な人間たちを罰した。
また、高潮や嵐といった自然現象の脅威によって罰することもあれば、海に住まう巨大な怪物に都市を襲わせることもあった。
当時、神々と人類の関係は今日のような個々の関係ではなく、各共同体との関係であったため、傲慢な人間が住まう共同体ごと罰することが基本であった。
神々の中での地位は極めて高く、全物質界を支配しているだけあってその威厳は並外れているが、神々の王ゼウスには逆らえないようである。
イーリアスではゼウスと口論をする場面もあるが、ポセイドーンは怒りながらもゼウスの主張を受け入れている。
しかし、かつてはポセイドーンがゼウスに対して反乱を起こしたこともあり、実力はゼウスに比肩することを示している。
ポセイドーンの反乱は、イーリアス内のみでしか言及されておらず、ホメーロスの創作とも言われている。
《2》 アテナとの都市名を巡っての対立。
ポセイドーンは、アテーナイの支配権をめぐりアテーナーと争ったといわれる。
2人がアテーナイの民に贈り物をして、より良い贈り物をした方が、アテーナイの守護神となることが裁定で決まった。
ポセイドーンは、三叉の矛で地を撃って塩水の泉を湧かせ、アテーナーはオリーブの木を生じさせた。
オリーブの木がより良い贈り物と見なされ、アテーナイはアテーナーの物と成る。
この結果に納得がいかなかった、ポセイドーンはアテーナイに洪水を起こしたが。
ゼウスが仲介して、アテーナイのアクロポリスにアテーナーの神殿を、エーゲ海に突き出すスーニオン岬にポセイドーンの神殿を築き、2人は和解した。
アテーナイのアクロポリスには、この塩水の泉が枯れずに残っていたこのといわれる。
この他にも、ゼウスやヘーラー、ディオニューソス、ヘーリオスとも領有地争いを起こしている。
《3》 コレー(ペルセポネー)、を誘拐する、ハデス。
冥界神ハデスが、コレー(ペルセポネー)、に恋をしたのは、女神アプロディーテーの策略であるとされている。
ペルセポネーが、アテーナーやアルテミスにならって、アプロディーテーたち恋愛の神を疎んじるようになったことに対する報復として、冥府にさらわれるように仕向けたのである。
ある日、ハデスは大地の裂け目から地上を見上げ、その目にニュンペー達と花を摘んでいたペルセポネーが映る。
そこを、アプロディーテーの息子エロースの矢によって射たれ、ハデスは美しいペルセポネーに恋をした。
コレーに恋をしたハデスは、コレーの父親であるゼウスのもとへ求婚の許可を貰いに行くが。
ゼウスは、コレーの母親である、デメテルに話をつけずに結婚を許した。
ハデスは、水仙の花を使ってコレーを誘き出し、大地を引き裂くという荒業を用いて地下の国へ攫っていくが。
母と地上を恋しがって泣く、コレーに対して、それ以上強引な行動に出ることが出来ずに事態は膠着状態に陥ってしまった。
デメテルが、心優しい彼がこのようなことをするはずがないと考え、ゼウスの陰謀であると気付いたとも言われる。
四季の始まり。
ペルセポネーは冥府にあって、一口の食物も口にしなかった。
しかし、女神はヘルメースがゼウスよりの使者として訪れ、彼女の地上への帰還を伝えに来たとき、うっかりしてハーデースの勧めを受け入れザクロの実を4粒食べてしまった。
ハーデースの支配する冥府では、そこの食物を食べたものは客として扱われたことになりそこに留まらなければならない規則となっていたが、ペルセポネーはこの禁を犯してしまった。
《3》 コレー(ペルセポネー)、を誘拐する、ハデス。
オリュンポスでは、ペルセポネーが行方知れずになったことを不審に思った母デーメーテールが、太陽神ヘーリオスから、ゼウスとハーデースが、コレーを冥府へと連れ去ったことを知る。
女神はゼウスの元へ抗議に行くが、ゼウスは取り合わず、冥府の王であるハーデースであれば夫として不釣合いではないと発言。
これを聞いた、デーメーテールは娘の略奪をゼウスらが認めていることに怒り、オリュンポスを去って地上に姿を隠す。
女神は地上で老女の姿となり、炬火を手にして、各地を放浪して娘の行方を探る。デーメーテールは地上を彷徨していたあいだ、各地で様々な伝承を残す。
もっとも有名なものは、女神がエレウシースを訪れたときの物語で、エレウシースの秘儀はこの神話から始まっているとされる。
デーメーテールは大地の豊穣を管掌する大女神であったため、彼女がオリュンポスを去った事によって、地上に大規模な不作や凶作をもたらした。
ゼウスはデーメーテールに娘の帰還を約束するが、コレーが冥府にある間、食物を一切、口にしていないという条件をつけた。
《4》 放浪する、デメテル&彼女を犯す、ポセイドン。
アルカディアに伝わる神話では、デメテルは娘を捜して地上を放浪していた際、ポセイドンに迫られた。
デメテルは彼を避けて牝馬の姿となり、オンコス王が飼う馬群の中に紛れ込んだ。
しかし、ポセイドンは彼女を発見し、自分も牡馬に変身して女神と交わった。
この結果、デーメーテールは一人の娘と名馬アレイオーンを生んだ。
娘の名はデスポイナと呼ばれるが、これは単に女主人の意に過ぎず、実際の名は密儀の参加者以外には明らかにされていない。
この時、ポセイドーンに対する、デーメーテールの怒りはすさまじく。
怒りの女神エリーニュスと呼ばれたほどであった。
風光明媚で名高い、ラードーン川の流れで沐浴するまで、女神の怒りは続いたとされる。
《5》 オリュンポスの神々VSギガース達による、大戦争ギガントマキアー。
巨人は、ギガースあるいはギガンテスと呼ばれ、巨大で濃い毛を生やし、腰から下は竜の形をしていた。
この巨人は、クロノスによりウーラノスの性器が切り取られた際に、滴り落ちた血をガイアが受胎し、産み落とされたものとされている。
予言により、この巨人には人間の力を借りなければ勝利は得られないと告げられており、オリュンポスの神々は負けはしないものの、巨人に打ち勝つ事ができなかった。
このため、ゼウスは人間の女アルクメーネーと交わり、ヘーラクレースをもうけ、味方とした。
ガイアは、ギガースの弱点を克服させるために、人間に対しても不死身になる薬草を大地に生やしたが。
これを察知した、ゼウスによっていち早く刈り取られ、遂にギガースがそれを得ることはなかった。