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ざまあなんて全然平気ですよ (不倫、主人公の性格悪い)

ハッピーが続いたので、ここで胸くそなものです


不倫した女性が本音を垂れ流してるお話。

ざまぁはありますが、反省をするかは別の話

2000文字くらいです


※不揃いな部分を揃えて、気になる箇所を直しましたが、内容は変わっていません。




 奥さんから慰謝料を払えと騒がれた。

 いいよ。払いますよ。

 あなたの旦那さんが買ってくれた

 バッグや指輪を売ったお金から。



 奥さんが会社まで来たから、会社の人からは白い目で見られてるけど全然平気。


 もう充分。

 こっちは遊びだし。


 あんな馬鹿男のために、不倫相手の会社に来るとかありえない。あなたが恥をかいただけ。



 ねぇ、同性からは白い目で見られたり、小さい嫌がらせはあるけどさ、男は変わらず優しいんだよ?



「ざまあ〜? 全っ然平気だよ〜 」


「わかったから、もうやめろ」


 同僚の小林君が私のビールグラスを取り上げる。


「なーにが分かったって〜?」

「わかってるから」

「あんたに女の気持ちがわかるか! バーカ」



「一番傷ついてるのは奥さんだからな。忘れんなよ」


「……酔いが一気にさめた。どっかの受け売りみたいなセリフ言うなら帰るわ」

「なんだよ急に」

「そんなん気にする人は不倫しないから」


 私は財布から三千円をだしてテーブルに置く。

「これでいいよね。もう誘わないで」



 小林君が、待てよとか言っているが無視。



 ――わざわざ不倫を選ぶ女に、正論ふりかざすなっつーの



 理由なんてないよ。

 その時にいいなって思って

 相手はいつも優しくて束縛もしないし

 いけない事してるってスリルで燃えるし


 そもそも反省する人間は不倫しないよ


 ざまあとか言うけど

 しなきゃよかったって思っても

 事実は変わらないよ?


 私は愛してると何回も言われて

 何度も抱かれたよ?


 最後は妻に戻る? 

 そんな男が戻ってきて嬉しい?

 みじめなものね。



「言いたいことは終わった?」


「ん?」


 振り向くと小林君が呆れたように私を見ていた。



「全部、言葉に出てたよ。店の前に座り込んで何してんの?」

「……マジ?」


「大マジ、見てみなよ」


 彼が指さす方を見ると、OLさん風の集団からの、汚物を見るかのような視線。


「あらー」


 私は笑って手を振る。 開き直るしかない。


 「ビッチ」「ふざけんな」「ブスが調子乗んな」

 「体目当てって気づけ」「みじめはお前だよ」


 いただきました。罵詈雑言。

 サンドバッグになるしかありません。


「酔っ払いの戯言なんで、その辺にしてもらっていいかな」

 小林君が、彼女らを諌める。


 彼女らも少し冷静になったのか、行こうか、と

 ようやくその場を離れる。

「あなたも騙されないように」という言葉を小林君に残して。



 誰も騙した覚えないですけど。

 知った風な口聞くな。



「また口に出してるよ」

 再び呆れたような小林君の声。


「だいぶ酔ってるね。タクシーで帰る?」

「んー電車で大丈夫、多分」


 立ち上がると、思ったより足はしっかりしているから歩けそうだ。



 じゃあ行くか、と小林君が歩きだした。

 小林君の背中を見ながら、今日のやり取りを思い出す。


 ――まさかねぇ


 下心があるのだろうか…今日もわざわざ誘ってくれたし、さっきもかばってくれた……


「さっきは、ありがとう」

 隣に並び、お礼を言う。


「ん? ああ、あれはさすがにね」


「不思議と会社の子達からは言われないから、ちょっと油断してたわ」

「お前は……懲りないなぁ」


 小林君が呆れながらも、優しい笑顔を見せる。


 ――やっぱり……私に気があるっぽい?



 なんとなく、小林君の誘導する道を歩いていたけど、さすがに気づいた。


 ――やだ、ホテル街だ。そんな気はなかったのに。


「小林……くん?」


 彼は立ち止まり、私を見てニコリと笑う。


「なに?」

「わたし、そういうのは、考えてなくて」

 自惚れみたいだけど、多分勘違いじゃない。



「……俺とホテルに行きたくないって?」

「そ、そういう訳じゃなくて、今日は考えてなかったから」

「じゃあ明日なら?」

「明日、なら…いい、かな」

 上目遣いで彼を見る。

 きっと喜んでくれる、と彼の顔を見たのだが、

 そこにあるのは私の想像する顔ではなかった。


 さっき見た女たちのような顔、軽蔑の顔だった。


「俺は頼まれても嫌だよ」


 口調は優しいまま。


「近道だからこっちから来たけどさ、俺の方がそういうこと考えてなかったから」

「あ……」

 顔から火が出るとはこの事だ。


「羞恥心はまだ残ってたみたいだな。もうないのかと思ってた」

「ごめん……」


「今日は少し吐き出させようと思って誘っただけだよ。最近は仕事に支障がでてきたからな」

「……!」


 ちゃんと仕事はできていると思っていた。

 外野から文句を言われないよう、気をつけていたつもりだったのに!


「仕事くらいはちゃんとしろよ。あと俺は真面目な子が好きだから、お前は絶対ないよ。ごめんな」


 小林君はいつもの表情に戻り、終電間に合わないから急ごう、とまた何もなかったように歩き出した。



 私は、急に全てが恥ずかしくなった。

 ざまあ平気とか……

 私、めっちゃ痛い子だ。


「小林君、私タクシーで帰るから」


 これ以上は一緒にいられなかった。


「おつかれさーん。タクシー、そこに停まってるよ」

 小林君はこちらを見る事なく手を振った。



「お疲れ様……また明日……」


 私は、信用を失った、と肌で感じた。


 これからどれだけ失ったものに気づくのだろう。


 ――今さら気づいてもしょうがない……

 今までどおり、鈍感なフリして生きるだけ



 私は気を取り直し、タクシーに乗りこんだ。










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