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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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おはじき

困り切っているアマンダの顔を見て俺は有ることを閃いた。


「エリアちゃん、賭けをしよう。ここに取り出したのはおはじきっておもちゃだよ。

 このおはじきで勝負をしよう、もし俺に勝てたらこの瓶に入っているマヨネーズを上げよう。だけど負けたら我慢するんだよ?いいかい?」


俺はエリナちゃんに話しかけながらキラキラと光るおはじきを見せる。

 するとエリナちゃんはそちらに目を奪われアマンダの手を離す、手を離されたアマンダは済まなそうに微笑み頷いた。


そして俺はエリナちゃんに説明をしようとして、二人の後で興味深そうこちらの様子を窺っていたヴィルくんと目が有った。

 俺は手招きをしてヴィルくんを呼び寄せるとヴィルくんはこちらに走って来たので、ヴィルくんが来た所で説明を始めた。


「ルールは簡単五個のおはじきをあらかじめ置いておく、それに向かっておはじきを指で弾いて、置いてあるおはじきにぶつけて一番遠くに弾き飛ばした人の勝ちです」


俺は正式なおはじきのルールを知らなかったためボーリングのルールを取り入れながら遊び方を説明した。

 俺の説明を真剣に聞いていたヴィルくんとエリナちゃんは二人とも大きく頷く。

 2人が頷いたことを確認した俺は長いテーブルの端へ行く、行く途中に5個のおはじきを置くと端についておはじきを指で弾く。

 弾かれたおはじきはテーブルを滑り5個のおはじきにぶつかり移動させた。


「こんな感じでやって一番遠くに置いてあるおはじきを動かした人の勝ち、どうだい?分かったかい?」


俺が説明と実演をすると二人は頷き俺がいたテーブルの端に来る。

 俺の所に来た2人におはじきを手渡して弾かれたおはじきを元の場所に戻して開始の合図を送った。

 

合図と共に先にエリナちゃんがおはじきを指で弾く、弾かれたおはじきはテーブルを滑り置いてあったおはじきに当たった。

 だがエリナちゃんの弾いたおはじきは置いてあったおはじきを少し動かすだけで止まってしまう。


「あうぅ、とまっちゃた~」


エリナちゃんは止まったおはじきに駆け寄り口を尖らせながら悲しそうに呟く、だが何と言おうとおはじきが動くことはない。

 俺はエリナちゃんの頭を撫で慰めながらおはじきを並べ直す。

 

おはじきを並べ終わった所で待っていたヴィルくんに合図を送る。

 ヴィルくんは妹の失敗を見ていたからか中指に力を入れておはじきを弾いた。

 ヴィルくんのおはじきはスピードを付けてテーブルを滑り、置いてあるおはじきに近付いた。

 だが勢いが付きすぎたせいか、それともコントロールを誤ったためか、ヴィルくんの弾いたおはじきは斜めに滑り、置いてあるおはじきには当たらずテーブルから落ちてしまった。


「あ~失敗した!何でだろう?力入れすぎたからかな~」


ヴィルくんは失敗した原因を反省しながら肩を落とした。

 俺はそんな2人に笑い掛けながら話し始めた。


「残念だったね、2人にはおはじきを渡して置くよ、練習して俺に勝てる様になったらまた挑戦してくださいね」


俺はそう言うとテーブルに置いてあったおはじきを集めヴィルくんに渡す。

 するとエリナちゃんがヴィルくんに走り寄り声を上げた。


「おにいちゃんずるい!エリナもほしい!」


エリナちゃんがヴィルくんにおはじきをねだり始めた。

 まあこうなることは予想が出来ていたから、俺は直ぐにポシェットからおはじきを同じ数取り出しエリナちゃんに声を掛けた。


「エリナちゃん、まだあるからこれで練習してください」


俺が言いながらエリナちゃんの手の平におはじきを乗せるとエリナちゃんはおはじきを握りしめ「うん!」と元気な声で返事をした。

 そんな様子に困ったように眉を下げていたアマンダが済まなそうに声を掛けてくる。


「何かセンさんには世話になりっぱなしだね、なんかお礼がしたいんだけど、何か無いかい?」


アマンダがそう言ってきたので俺は少し悩んでから頷き話し始めた。


「そうですね、でしたら毎回食事の時に俺の言う調理方法でメニーラビットの串焼きを付けてくれるってのはどうですか?」


俺がそう言うとアマンダは怪訝そうな顔で首を傾げた。そして少し警戒しながら聞いて来る。


「そのセンの言う調理法ってのは凄い高い材料を使うとかじゃないよな?マヨネーズよ付けろって言われたら家が破産しちまうよ」


マチルダの警戒に気付き、俺は笑顔になり説明し始める。


「いや調味料は俺が用意するから、焼くときに何度か漬けてくれればいい。

 昨日串焼き食べたときにどうしてもタレで食べたくなったんだ、頼めないですか?」


俺がそう言うとアマンダは悩んでから「旦那に話してみる」と言うと厨房に行ってしまった。

 俺はアマンダが離れたので手早く食事を終えてしまう。

 遊んでいたためスープが冷めてしまっていたのがなんとも言えなかった。


食事を済ませて俺はタレを瓶にあらかじめ出して置く、本当は陶器の甕に入れた方が良いんだが、空いている甕が無いか聞いてみるか?

 俺はそんなことを考えているとアマンダが筋肉質な黒髪に近い茶髪に茶色の瞳の優しそうな男を連れてきた。

 

「こっちはあたしの旦那でウィリアムってんだけど調理を主にやってんだ。

 あたしが事情を説明したら旦那がお礼も兼ねて挨拶したいって言うから連れてきたよ」


アマンダが男を紹介すると男は一度頭を下げてから話し始めた。


「初めまして、俺はウィリアムって言います。家族が色々お世話になってるみたいで、俺も貴方の酒が凄い美味かったんですが値段が高くて手が出ませんでさぁ。

 それで妻の言うにはお礼として串焼きを頼まれたとか、俺で良ければそのぐらいお安い御用でさぁ」


ウィリアムが快く受けてくれたので俺は瓶に入ったタレを渡しながら説明を始めた。


「実はを焼くときに焼く前と焼いた後にこのタレに付けて出してほしいんです。

 この瓶のままじゃあ入れにくいと思いますので口の広い甕が有ればそちらに移します」


俺が簡単な説明をするとウィリアムは頷き一度厨房に戻っていった。

読んでくださりありがとうございます。


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