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それは命の泉沸く  作者: 渡海
食料集積都市レットクラッカー
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エリナ

朝起きて俺は食堂に降りていく、昨夜ガラス瓶を作るのに夢中になって遅くまで起きていたからか起きるのは少し遅かった。

 昨日作ったガラス瓶は全部ポシェットに入れて置いた。

 これで入れ物が無いって状態にはならないだろう。


食堂に降りると昨日の夜より人が少なくなっていて子供達は食事の終わった食器を片付けたり食堂の掃除をしていた。

 俺がテーブルに着くとヴィルくんが俺の所に走って来て俺に声を掛けてきた。


「おはよう、センさん昨日ミズアメ?ありがとう。母ちゃんと妹と一緒に食べたよ。

 美味しかったです、朝ご飯はどうしますか?」


ヴィルくんは俺に水飴のお礼を言いながら注文を取ってくれた。

 

「どういたしまして、注文はスープとパン、それとサラダをお願します」


俺が微笑みながら注文するとヴィルくんは頷き厨房へ掛けていく。

 その様子を見送ると少し暇になってしまった。

 

俺が暇になって食事が来るまで待っているとアマンダが洗い物をしていたのかエプロンで手を拭きながら俺に近づいて来た。


「おはようさん、今日はどうするんだい?」


アマンダはそんなことを聞いて来たので、俺は今日の予定を話して置くことにする。

 出掛ける事を言っておかないと宿側も困るだろうと考えて話した。


「今日は酒を売り込みに行くのと買い物も少し」


俺が予定を話すとアマンダは笑いながら頷き。


「分かったよ、じゃあ昼はいないんだね」


アマンダの言葉に俺は頷いているとヴィルが料理をトレーに乗せて帰って来た。

 

「お待たせ、パンとスープとサラダで130リルです」


ヴィルくんは勘定を俺に言って来たので俺はポシェットから小銅貨2枚を取り出し渡す。

 するとヴィルくんは一度厨房に戻り直ぐに戻って来た。


「センさんお釣りです」


ヴィルくんがお釣りとして出してくれたのは7本の鉄の棒だった。

 なるほど銅貨の下は鉄貨なのか、まあ買い物の釣りは出るだろうしこれからよく使うことになりそうだな。

 俺はヴィルくんから鉄の貨幣を受け取るとお礼を言った。

 俺の礼を聞いたヴィルくんは離れていき、アマンダも「ごゆっくり」と声を掛けて戻っていった。


俺は二人を見送った後食事を始めた。

 スープとパンは昨日と同じだったがサラダはまだ食べて無かった為美味しいか分からない。

 俺はサラダを一口食べて首を傾げてしまった。

 うん、生野菜だ!それ以外の味が無い。まあドレッシングなんて作るのが難しいんだろうな。

 先ず油が高そうだ、騎士団ではオリーブオイル使っていたけど、普通に考えて高いよな~。

 これじゃあ野菜嫌いになる子供とか良そうだ。まあそれしか食べる物が無ければどうしようも無いんだけど。


俺は肩を落としながらポシェットから空き瓶を取り出しそれにマヨネーズを出してサラダに掛けた。

 それからフォークで突き刺し口に入れる。

 久しぶりのマヨネーズに俺は顔を綻ばせていると不意に横から声が掛けられた。


「ねえ、おいちゃん、それなに?おやさいすきなの?エリナおやさいすきくない」


突然掛けられた声に俺はビクリと身体を硬直させてからそちらを見る。

 するとテーブルの端に顎と両手を乗せた女の子と目が有った。

 あ~この子確かヴィルくんの妹だよな。名前まだ聞いてないよな。


「初めまして、俺はセン、君は?」


俺が自己紹介をすると女の子は右手を上げて俺の自己紹介に元気よく返事をしてくれた。


「あたしエリナ、5さい!ねえねえおいちゃん、おやさいにかけたのなに?おいしいの?」


エリナちゃんは自己紹介すると同時に俺に質問を投げかけて来る。

 俺はその様子に微笑み細く切られていたニンジンにマヨネーズを付けてエリナちゃんの口に突っ込みながら説明する。


「これはマヨネーズって言う調味料だよ。野菜に掛けると美味しくなるんだ」


俺が説明している間にエリナちゃんの口に突っ込んだニンジンは兎が食べる様な速さで亡くなり。

 ニンジンを食べ終わったエリナちゃんは目をキラキラさせながら勢いよく話し始めた。


「うん!おいしかった。マヨネーズってすごいんだね、エリナにもおやさいたべれたよ」


エリナちゃんはそう言うとトタタと厨房へ走り込み、今起きたことを両親に大きな声で報せていた。

 その様子に俺は笑い食事を再開する。

 

少しするとアマンダがエリナちゃんに手を引かれ厨房から出て来る。

 そうして俺の前まで来ると謝罪をしてきた。


「センさんすいませんね、うちの子が迷惑かけたみたいで、それでそのマヨネーズ?ってのは何なんですか?」


アマンダの質問に俺は材料の説明をすることにした。


「マヨネーズは植物油と卵それに酢と塩を混ぜたものです。作り方は簡単ですから教えましょうか?」


俺が説明するとアマンダが顔色を悪くする。

 そして俺の話を聞くや否や頭を下げてきた。


「そんな高価な食材で作られてるなんて思わなかったよ、娘が済まないね。

 卵なんて一個1000リルするし、植物油も一瓶1万リルはするからね。簡単には作れないよ」


アマンダは顔色を悪くしていた訳を言う、その答えを聞いて俺は納得してしまった。

 まあマヨネーズ作るのにかなりの量、油を使うからな一回に使う量作るのでも卵と植物油で2000リルは掛かりそうだな。

 他にも酢と塩が必要だがこっちは少量だからそんなに問題ないけど、一回使うたびに2000リルはキツイよな。


「マヨネーズおいしかったのにな~。エリナ、マヨネーズかけたサラダならたべれるよ」


エリナちゃんはアマンダの顔を見上げながらアマンダの右手を両手で握り左右にブンブンと振り回しながら言う。

 そんなエリナちゃんを困った顔で見て空いていた左手を頬に当てていた。

 

俺はその様子を見て心の中で懺悔した。

 本当にすいません!俺が考えなしに食べさせたのが悪いよな。

 だからと言ってタダで上げるのは甘やかし過ぎだろうか?でも子供の好き嫌いが治るなら親としては欲しいだろうな。

読んでくださりありがとうございます。


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