アルディスの計画4
「…あいつ、俺のこと女だと思ってやがった…」
サフィールの耳元で呟くアルディス。
「何だかなぁ……」
二年前の自分が女だと思われていたことにショックを受け、ぼやくアルディス。
「お前、綺麗だからな」
サフィールが慰めるように微笑みながらアルディスの髪を撫でる。
「女と思われてたんじゃ…、そりゃ分かんねーよなぁ。
約束もこれで反故だな」
「バッカみてー……」
髪をかきあげて、呟く。
「…慰めてくんない……?」
サフィールに微笑みかける。
「ああ…」
さふぃーるの首に両手をかけて、目を閉じたまま顔を寄せていく。
「……ん……」
唇が触れ、吐息が誘うように漏れる。
アルディスの細い腰を抱き、触れるだけのキスを角度を変えて、何度か繰り返す。
繰り返される優しいキスを受けて、薄く開いた唇が更に深いものにしようと開きかけた時、急に腕を引かれて、椅子が音を立てて転がった。
椅子から無理やり立ち上がらされて、一瞬何か起こったのか分からなかったアルディスだったが、捕まれている腕の先を見ると、そこには無表情ながらも機嫌の悪そうな表情を浮かべるデュークスが立っていた。
「…何、お前…」
キスの邪魔をされて不機嫌そのもののアルディスの視線を受けながら、デュークスはアルディスの腕を離そうとはしなかった。
「俺に用があんなら後にしてくんない?
キスの途中で邪魔するなんてヤボだろ?」
「………」
「俺が何しようがお前には関係ないだろ?
その手、離せよ」
デュークスを睨みつけるアルディス。
掴んだ腕の力を少しも緩めず、アルディスを見つめるデュークス。
「離せって…」
アルディスの言葉は最後まで続けられることはなく、その言葉はデュークスの唇に塞がれてしまった。
「…!」
デュークスの腕を跳ね除けてキスから逃れようとするが、その力強い腕から逃れることも出来ず、閉じた唇を無理やり開かされ、口腔に舌を入れられ、婪に弄られた。
「…んっ…や……」
弱々しく、デュークスの胸を押しやるその腕が力を無くし、落とされた。
デュークスの激しいキスに意識を飛ばしかけ、身体から力が抜け、寄りかかるように崩れ落ちるアルディス。
崩れ落ちた身体を薄く微笑んで抱きとめるデュークス。
「なっ…、何しやがる…てめぇ……」