オーディション3
自宅に着き、郵便受けに入っていた一通の封筒を手に取る。
差出人はR I V E R新メンバー選考会と書かれている。
みくは心臓をバクバクさせながら自宅に入り、部屋へ向かう。
「ねぇちゃん、おかえり〜。早かったね、入学式だから?」
今のは妹。
今日は土曜日で学校が休みだからとリビングでテレビを観ている。
反応している余裕はないので軽く返事をし、そそくさと部屋へ向かう。
部屋に入り勉強机横に鞄を引っ掛けて座る。
手には1次予選結果報告書類と書かれた封筒が一通。
息を飲み深呼吸をして落ち着き、封筒の端から破く。
中には三つ折りにされた書類が一枚入っていた。
開いてみると、「1次選考・通過のお知らせ」と書かれていた。
「やった!!!!!」
妹に聞こえてはいけないからと小さめに声を出し、書類を読み進める。
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ーR I V E R新メンバー選考1次選考通過のお知らせー
初めまして、真城 未来君。
R I V E R新メンバー選考会一同です。
経歴書を拝見し、協議の末、1次選考を通過となりました事を書面にてお伝えさせて頂きます。
2次選考は2週間後の4月20日、場所は当局第3スタジオにてAM10 :30開始とさせて頂きます。
選考課題である、歌唱・ダンスに関してこちらでは音響設備のみ用意させて頂きます。
音源は各自でご用意ください。
尚、既存・オリジナル、どちらでも使用可能です。
局は一般の方は無断で入れないようになっている為、受付にはこの書面をお見せください。
皆さんの参加、心よりお待ちしております。
R I V E R新メンバー選考会一同
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読み終えたみくは書類をたたみ、封筒の中にしまう。
そしておもむろに自分の頬に手をかけ、思いきりつねってみる。
「いっっったぁ〜〜〜〜」
大声を出し自分の頬を撫でて労りながら夢ではない事を自覚した。
「今の声何!?ねぇちゃん大丈夫!?」
部屋のドアをドンドンッと大きな音でノックしながら開き、妹が部屋の中を覗き込んでくる。
「あ、ごめんごめん大丈夫。何でもないよ、おっきな声出してごめん」
心配して来た妹に見えないように書類を隠しながら顔を上げ、問題ないアピールをする。
妹は少し不思議そうな顔をしながらドアから覗かせていた顔を引っ込めながら閉めた。
閉まるドアを見届けたみくは書類を元の封筒に戻してから机の中に入れ、まだバクバク鳴っている心臓を落ち着かせようとベッドに横になった。