表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
甘いオトコ  作者: 七海
3/3

幼馴染を道連れに


結局、昨日は「ラパン」には寄らず、真っ直ぐ自宅に帰ってしまった。


項垂れて、デスクに頬杖をついてると、目のくりくりした今時清楚女子が私の頬をつつきに、来た。


「雪ちゃん、何呆けてるの?ねぇ、今日夕飯食べに行かない?」


案の定、首を傾げてサラサラヘアを揺らしながら、私の頬をつつく。


本人曰く、だってプニプニしててさわり心地がいいから…らしい。


「のんちゃん、今日も髪サラサラで羨ましいよ。私の気分は最悪…なのに…」


「ん?」


彼女の揺れる髪を見ながら、良いことを閃いて


「あっ!穂乃花ちゃん、今日カフェ行こっか!」


大きな声をあげると、穂乃花は目を丸くして頷いた。


「…え!?うん、いいよ」


「やったー」


内心しめしめと思いながら、足を机のしたでバタつかせる私。


今日は「ラパン」に行って、マスターにオムライス作ってもらおっと。とろふわ卵のやつ。


ニヤニヤしながら、デスクに向かって仕事をしていると、そっと資料が机の脇に置かれた。その手の主を目で追うと、優しくシュガー先輩がコーヒーを飲みながら、微笑んだ。


「ん?何か良いことでもあったの?顔緩んでるよ」


「いえ…特に…わっ!」


ふわっと手が伸びてきて、びっくりして目をぐっと瞑ると、その手は髪を優しく撫でて離れた。


「あぁ、ごめん、ゴミ付いてた、髪に。無意識に取ってたわ」


呆然と女慣れしたシュガー先輩を眺めていると、彼は何か考え込むような仕草をして、唇に手を当てながら、言い淀んでいた。ぱっと口を開いたその時、穂乃花が割って入って来た。


「ねぇ、雪ちゃん、今日の夕御飯、佐藤先輩も一緒に行きたいって」


「「え!?」」二人の声が重なり、驚いて私は佐藤先輩を見つめた。


「ふふ、いいですよね?佐藤先輩?」


ね、と同意を求めるように首を傾げる穂乃花。

女子の必殺技と言っても過言ではない。


佐藤は諦めたように、ははっと笑った。


「オッケー。その代わり、少し待っててくれるかな?」


「ヤッター、佐藤先輩のおごりですね」


「穂乃花ちゃんてばー…佐藤先輩、用事とか大丈夫ですか?」


「うん…」


優しく頷いた佐藤先輩の顔を見て不覚にもときめいてしまった。

私は下を向いて、ほんのり染まった頬を隠した。

どうしよう、アフターファイブが楽しみでしょうがない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ