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幸せを君に

エピローグ




 あの優しい手はきっと君だ。優しい兄の手を忘れるはずがない。いつもあの手が助けてくれた。転んだ時に差し出された手。車椅子を押してくれた手。冷たい頬を温めてくれた手。でもその手はいつもボロボロで冷えていた。それはきっと働き者の手だ。お兄ちゃんの手が大好きだった。喧嘩なんてほとんどしなかったけど、双子の上の子はどっちだっていう小さい頃にした大喧嘩でもその手は最後まで優しかった。


「ごめんね。」


そう言って頭を撫ででくれた。君は悪くないのに。その時に、だからこそ君はお兄ちゃんなんだと納得した。

 君はどこへも行けない体をどこへでも連れて行ってくれた。君のおかげでどこへでも行けた。あったかくて心地よくていつまでも続いてほしかった夢。 

 

 夢が覚めて一人を理解して泣いた。夜に溶けるように静かに泣いた。もうこの幸せは終わる。そう思ったら怖かったし悲しかった。いつか、一人でも寂しくないし大丈夫だといった。そうしたら君は、一人になんかさせないし、僕を一人にしないでと言った。君は素直で正しかった。一人は寂しい。本当は一人なんて嫌だし寂しいけど、でも一人にするのは君のほうじゃない。だからどうしたらいいか考えたんだ。一人で泣いたあの夜に。君を一人にしてしまう前に、君にできることを。


 君は幸せをくれた。あの幸せは夢なんかじゃない。どんなに体が変わっても変わらなかった日常。一緒に何度も見た夕陽。この世界のどこかに幸せがあるのなら、それは君と過ごしたあの時間。あれは紛れもなく幸せだった。あの時間は君との二人だけのもの。君を一人にしてもそれは変わらない。



 その幸せを君にあげよう。



ここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。

前回に伝えたいことをほぼほぼ書いてしまったので特に書くことはないのですが、あるとすればただただ皆様への感謝です。


これから新しい作品がまた出来た時、また皆様に会えることを楽しみにしています。

そのためにもぜひコメントなどいただけますと幸いです。


まともな挨拶もできない私ですが、これからも頑張らせていただきます。よろしくお願いします。



終。


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