推測ってのはいいけど。
何か方法を考えると言ったが、こんな事初めてだし何しろ未だに何が起こっているのか理解できない。
いや、物理的には理解できる。(机が浮いていることや仁志の手の周りを囲む円状のものがあること)それが魔法のものであるということが未だに理解できないということだ。
「なぁ、仁志はなんにも知らないのか?」
「し……るわけない! こんなのきーたこたァねぇ! 」
苦しそうな顔で仁志は途切れ途切れで言う。
実際的にもっている訳では無いのだがどういう原理か魔法で浮かしているはずのものの重さが直接的に腕に掛かっているらしい。
さらに困ったことに机自体を床においていても手にかかる重さは変わらないらしい。
「少し調べてみます」
「た……のムゥ!! ハッやグゥ!」
なんだその言い回しは。腕にかかる重さをかれこれ十分間以上耐えている仁志を褒めるべきなのか分からないけれど、いまはとりあえず榊がなにか答えを出すのを待つしかないな。
「わ、分かりましたよ。仁志さん、今から言うことを復唱してください!」
なにか分かったのかな。
「エルグランド! 」
「え、……ルグ、ランドっ!!」
仁志が妙な言葉を叫んだ途端仁志の手の周りにあったはずの円状のものが消えて無くなった。
「か、軽い……手がかるいぞ!! 」
「良かったです」
「ありがとうな! 榊! 」
仁志の榊を見る目が輝きすぎて、まるでアニメのようだ。
それよりも気になること。
──俺も魔法を使えるのか?
多分僕と同じ疑問を持っていたであろうクラスの一人が声を上げる。
「やってみてもいいか? ものを浮かせるなんてロマンあるだろ? 」
何かと語尾にロマンを付けたがるのは馬田 餓竜だ。
見た目はとてもカッコ良いのだが、あまりにもナルシスト性質があるためクラスではなかなかの浮きっぷりだ。
身長は僕より十センチくらい高く、この前に一度課題のことで相談した時は上から目線が怖くて怖くて……、
なんてのはいいのだが、また今のことをやるとなるとさっきみたいに……はならないか。
エルグランド……だっけ。どういう意味なんだ。
「いくよ! エルクトラム! アーンドッロマン!!」
馬田の腕の周りに先程見た円状のものが映し出される。
また、浮かすのか? 机を。
と、思ったのもつかの間。
目の前で起こったのは机が棒状の木に変わるか光景だった。
それを見た榊が言う。
「なるほど、一つだけ分かりました。さっきの動画で"その魔法を自由に操れるのは十人"だと言っていたでしょう? それは多分、魔法がランダム仕様になっているという事じゃないでしょうか」
なるほど。榊の説明は色々と省いてあるが多分こういうことだろう。
1、
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ちょっと用事出来て途中で終わっちゃいました。
明日は結構長めに書くつもりなので良かったら見に来てください!
それでは……