五話 授業中に!?
最近、ここをこうすればよかったといったことがどんどん出てきて後悔しまくり。だが、今から変えるのは面倒だ。なので、最後まで書き終えることが出来たら修正する。
というわけで矛盾や変なところを感じても気にしないでください。それでは五話 授業中に!?をどうぞ。
「待たせたな」
SHRを終わらせずに出て行った担任は一時限チャイムと同時にそう言って入ってきた。手には不思議なものを抱えて。
「前々からやろうと思っていて作っていたこれの出番が来たな」
そう言って出したのは・・・
「ボードゲーム?」
それも、全て手書きの双六だ。
「そう、俺が休日に寝ずに作り上げた勉強双六part2だ!」
勉強双六、それはマスに書かれたマークに従い、カードを一枚引く。そのカードに書かれた問題を解かないと一回休みになるという、遊びながら勉強できる一石二鳥ゲームのことだ。この担任はたまに遊びをまじえた授業をする。たとえば、列ごとにカードを配りそのカードから連想されることを言っていくカードで連想ゲーム、単語で、漢字で、人物でしりとりをするしりとりゲームシリーズ、お題を出しそれぞれ答えを書きダブらないように多くの種類を書く他人それぞれゲームなどと勉強に関することを出しそれぞれ行う。
「先生!part2なのは何でですか?」
一度もやったことも無いのにpart2からやるので疑問に思ったのだろう。クラスのみんながその一人の疑問に同意するように頷いている。
「それは訊かないでくれ」
さっきまでのテンションからがらりと変わり落ち込んでいる。
「どうしてですか?」
「それは、せっかく作り上げたpart1が破れてしまったことを思い出してしまうからだ。・・・せっかく三日三晩寝ずに作り上げたものをあんな不注意で・・・ブツブツ・・・」
ぶつぶつとなにやら後悔している担任は大きな溜め息をつく。
「はぁ・・・おっと、今はこんな事をしている場合じゃない、時間は限られているんだ。よし、やるからはんごとにあつまれ・・・って、もう始めてるのかよ!」
担任が落ち込んでいた間に学級委員長がクラスをまとめ準備を終えてさいころを振っていた。
「少しくらいは聞いてくれても・・・ってコラッ!先生の番を抜かすんじゃない!」
そう言って生徒の輪に先生も入っていく。だが、そんな輪に外れたところに優はいた。これはいじめの類ではない。ちゃんとグループに入っているし、避けられているわけでもない。
でも、輪から外れている。それは、自分から外れているのだ。そして、みんなはそのことを気にしていない。
ある者はかかわりたくない、面倒だ。またある者は友達として付き合えない、かかわりずらい。そして、これは今では少数ではあるが優の過去を知っていてかかわらない、よく思っていない。そのほかに先生方は諦め、態度が気に入らない、頑張ってはいるが何も変わらない。
と理由は良いほうにも悪いほうにもそれぞれだが、そのどれも根本的に同じなのは優の態度や気持ちである。
いったい、優にどのような過去があったのだろうか?
そう思うのは近くで見てきた雪である。いや、他にもいるかもしれない。
そんな感じの中でこの担任で数学の教師の神矢進一は自分から干渉はしないが、優のことを気にかけているほうだ。たまに、こうやって他の人とかかわる機会を与えているのだから。
だが、その努力も実らず一年が過ぎようとしている。
(どうしたもんか・・・)
そう頭の中で呟く。そんな教師に一人の生徒が声をかける。
「先生、早くさいころを振ってください」
「おう、委員長さいころをとってくれ」
今は楽しむか、と考えるのを止め取り仕切っている委員長にそういった。
「はい、どうぞ」
そう言って進一にさいころを渡した。
彼女は高瀬紗希このクラスの委員長でしっかりもののメガネっ娘優等生。そう、優等生としてありきたりな見た目である。
紗希はこのクラスのまとめ役と言う位置にいて、クラスメイトの一人ひとりに気にかけており、上手くまとめている。だから、雪のことは紗希に任せれば大丈夫だろう。
そう考えながら振ったさいころは机の上を転がり、二つの机の合わせ目の溝にはまり、傾いてとまった。
「よし、六だな。1、2、3・・・」
「ちょっと、シンちゃん。それずるいよ」
「そうだ、そうだ」
さいころの目は6と3が上になってとまっている。その二つのうちの片方を選んだ進一に生徒たちには講義する。ちなみに、シンちゃんとは進一の愛称だ。
「何を言っている。ちゃんと6と書いてあるじゃんか」
「3とも書いてあるぜ」
「そうだよ。3が良くないマスに行くからといって6にするのはずるい」
「わかった、わかった。振りなおす。これで良いだろ?」
諦めたようにそう言って振りなおそうと手を伸ばすと・・・
カタッ・・・コロコロ・・・
急に机が動き、溝にはまっていたさいころが床に落ち3の目が上になってとまった。
「先生、3ですよ」
「何だ?これはいじめか?しかも、さいころまで合わせたように災厄な目を出しやがって。お前らさいころと打ち合わせでもしてたんじゃねえか?」
「何言ってるんですか〜?さいころと話せるわけ無いじゃないですか〜」
「そうですよ」
笑い声と進一に付き合う生徒たちの声。
「わかった、わかった。もう3でいい。それじゃあ、1、2、3、っと」
そういって、生徒たちとこうするのは楽しいと感じ笑みを浮かべながらコマを進める。
ガラガラッ!
そんな授業中の教室の引き戸が突然開かれた。遅刻ならこのくらいのことは普通だが、欠席者無しのこのクラスには遅刻者はいない。だが、そんな突然の訪問者に驚く者はいない。いや、生徒はいないと修正しよう。なぜなら・・・
「神谷先生!何度言えばわかるんですか!」
「八積先生ぃ!?」
そう、入ってきたのは何度もこの時間に訪れている教師の八積美月。その訪問に進一は驚き声を上げる。
そんな進一を気にもせず美月は近づく。そしていつものが始まった。
「神谷先生!今は授業中なんですよ?わかりますか?いえ、聞くまでもありませんでしたね。現にこう騒いでいたのですから」
「いや、でも・・・隣のクラスは移動教室でいないことだし―――」
「隣だけに迷惑がかかるわけではありません!いいですか、そもそも授業中では・・・」
美月の説教が始まるとそう簡単には終わらない。そう学んだ生徒たちは双六を再開する。
結局、美月の説教は賑わう生徒たちの双六が終わるまで、つまり、授業終了五分前まで続いた。
更新するのが遅い。そう感じる人はかなりいるでしょう。でも、これが僕の限界です。それでも付き合っていただけたら幸いです。
はぁ〜・・・平行していろいろすると大変だなぁ〜。