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初めての仲間

遅れて申し訳ないです!


誤字・脱字があるかも

一刀が『ソロガルド』に着いてから三日。彼は薄っすらとだけ見える『アズガルの塔』を目指し、野原、丘、野原、丘と見飽きた景色を眺めながらひたすら歩いていた。


「・・・はぁ・・・肉・・・飽きた・・・」


なんともまぁ贅沢な悩みだ。だが、一刀がそう呟くのも仕方がない。彼はこの三日間、最初に出会った魔物『突進牛』という名の牛を6体も狩って、それを食べ続けている。しかも、まだ最初に狩った一匹はまだ食べられる部位が残っており。マジックバックに入れて保存している。他の突進牛も同じだ。幸いにもこのフィールドには魔物が居らず(ぶっちゃけ突進牛しか見ていない)。夜は元の世界から持ってきたテントと寝袋で過ごしていた。


「お魚食べたい・・・お野菜食べたい・・・お肉はもう嫌だ・・・」


そんな一刀の願いが叶ったのか、丘を超えた彼の目の前には森林が広がっており、少し先には山も見えた。


「よっ・・・しゃあ! これでようやく肉以外が食えるぞ!」


意気揚々に森へと足を踏み入れる一刀。そしてしばらく歩くこと30分。木々が分かれ小さな広場のような場所が見えてくる、すると。


『ギシヤァァァァァ!!!』


と、何かの叫び声のようなモノが聞こえてくる。


「な、何だ?」


一刀はすぐさま木の陰に隠れ、声のした方の様子を見る。そこには


『ギシヤァァァァァ!』

『ピギィ・・・!』


小学生ぐらいの背丈をし、鋭い牙と尖った耳が特徴的な緑色の褌怪物が頭からツノの生えた兎のような魔物と戦っていた。いや、褌怪物が一方的に襲っていた。兎の魔物はその場から動かずに攻撃を受け続けている。


(何だありゃ? あの緑色の奴は多分ゴブリンだな。ゲームとかに出てきたやつにそっくりだ・・・あのデッカい兎みたいなのは・・・アルミラージュか? ツノ生えてるし。でも、何で一方的にやられたんだ?)


すると


『・・・・・・?』


アルミラージュが一刀の方をチラッと見た。


(ヤベッ! アルミラージュに気づかれたか⁈)


『・・・・・・・・・』


アルミラージュは一刀に向けていた目線を自分の腹部に向けた。


(あ? アルミラージュが目線を変えた・・・? 腹に何かあるのか?)


一刀はアルミラージュの腹部を見る。よく見ないと気づかなかったが、アルミラージュの腹部がモゾモゾと動いていた。


(・・・? 動いているな・・・ん?)


すると、モゾモゾと動いていた腹部の下からは兎の後ろ脚のようなモノが出てきた。アルミラージュはそれに気づくと、出てきた後ろ脚を隠すように体勢をズラしていた。


(まさか子供か・・・ッ⁉︎ あのデッカいの。自分の子供を守ろうと・・・)


『・・・・・・・・・』


アルミラージュは一刀にまた目線を向け、何かを頼むように目を閉じ頷く。そして


『ギシヤァァァァァ!』


ゴブリンはアルミラージュへ手に持っていた棍棒のようなモノを振り下ろした。『バゴンッ!』と嫌な音が響き、アルミラージュの体が崩れ落ちた。


『ギシヤァァァァァ!!!』


勝利を喜ぶように叫ぶゴブリン。すると、崩れ落ちたアルミラージュの腹部がモゾモゾとまた動き出し、その下からは小さなツノが生え、黒色の毛色をしたロップイヤーの子兎が出てきた。


『きゅう? きゅう! きゅう!』


子兎は親アルミラージュの体を必死に揺らし、呼びかけるように鳴いている。


『ギシャ? ギシヤァァァァァ!』


子兎に気づいたゴブリンは棍棒を振り上げ。


『ギシヤァァァァゴブラァァアアアッ⁉︎』


振り下ろそうとした瞬間。ゴブリンはいきなり何かに吹き飛ばされたように、10〜15mと飛ばされ。


『ドゴンッ!』『ゴブァァァッ⁉︎』


その先にあった木に叩きつけられた。


「・・・・・・きゅ・・・?」


子兎は一瞬何が起きたのか分からずにいたが、すぐさま目の前に立っているゴブリンを吹き飛ばした者に目線を向けた。


「・・・ちっ、助けるつもりは無かったんだけどな」


一刀だった。彼は面倒事は関係無いと思い、立ち去ろうとしていたが。倒れ、動かなくなってしまった親兎に向かって必死に呼びかける子兎を見て見ぬ振りが出来ず、子兎に向かって棍棒を振り下ろしたゴブリンを一瞬で蹴り飛ばしたのであった。


『ゴブァ・・・ゴブァァァ!!!』

「おっと、まだ生きていたのか。結構本気で蹴飛ばしたはずなんだけど。結構タフなのね』

『ゴブァ⁉︎ ギシヤァァァァァッ!』

「ん・・・?」


ゴブリンは空に向かい叫び声を上げた。すると。


『『『ゴブァァァッ!!!』』』


と、周りから多数のゴブリンらしき雄叫びが聞こえてきた。


「ちっ、仲間を呼ぶ事もするのかッ⁉︎ この子兎守りながらはキツイかもな・・・!」


ガサガサ! と音と共に、周りの草陰からはアルミラージュを襲っていたゴブリンの肩ぐらいまで背丈が小さいゴブリンが合わせて8体は出てきた。


「あのゴブリンよりかは小さいが、数の暴力でやられそうだな・・・!」

『ゴブァブァブァブァ!!!』

「・・・とりあえず、あいつ腹立つな・・・!」


一刀は高らかに笑い声を上げている小学生ゴブリンに向かい指を構え。


「最初にくたばりやがれ・・・!《手銃魔法(ハンドバレット):(ファイア)》ぁ!!!」


銃声と共に放たれた弾丸は、ゴブリンの顔に命中し。


『ゴブァ・・・ブラブァァァ⁉︎』


着弾した弾丸は膨らみ弾け、ゴブリンの頭を木っ端微塵に吹き飛ばした。


『・・・・・・(ピクピク)』


頭部が無くなり、ゴブリンの体は崩れ落ち、地面に倒れた。


「ふぅ・・・さて、次はどいつだ?」



一刀は別のゴブリンに指を向け、構える。ゴブリン達は。


『ゴブ?(アニキガヤラレチマッタ。ドウスル?)』

『ゴブ!(バカヤロウ! アニキデカテナカッタンダ。オイラタチガカテルワケナイダロ!)』

『ゴブ・・・(デモ、アルミラージュノニクハドウスルンダヨ?)』

『ゴブ!(シニタカッタラトッテキナ! オイラハゴメンダゼ!)』

『『『ゴブ!(ヨシ、ニゲルカ!)』』』


「あ、逃げた・・・」


一刀からは勝手にゴブリン達がもめ、勝手に納得し、勝手に逃げていったようにしか見えなかった。


「自分達の指揮官がやられ、力の差を知って逃げたってとこだな。それより子兎は・・・」


一刀は子兎の方を向くと。


「きゅぅぅぅ・・・!」


明らかに一刀を警戒し、身構えている子アルミラージュが居た。そして


「きゅぅぅぅ・・・きゅうッ!!!」


と、可愛い鳴き声と共に地を蹴り、そこそこのスピードで頭の小さなツノを一刀に突き刺そうと飛んでくる、だが。


「・・・・(がしっ)」

「きゅッ⁉︎」


その攻撃を一刀はまるで投げ渡された物を受け取るかのように子兎のツノを掴み止めた。


「きゅうッ! きゅうッ!」


子兎は「離して! 離して!」と言っているように短い前足でツノを掴んでいる一刀の手に触れようとするが、短いが為に全て空振る。


(か、可愛いだけど・・・! なにこの愛くるしい生き物は・・・!)


一刀は子兎のツノを掴むのを止め。両手に乗せた。


「きゅう・・・?」

「悪かったな。いきなり飛んで来たからさ、思わず掴んじまったんだ」

「きゅう・・・きゅッ」


子兎は一刀の謝罪に対して反応を見せた。


「お前。俺の言葉が分かるのか・・・?」

「きゅッ(コクコク)」

「そっか・・・少し聞きたいことがある」

「きゅ?」


一刀は子兎を両手に乗せたまま、倒れているアルミラージュの方を向く。


「あのアルミラージュはお前の親兎なのか?」

「・・・(コク)」

「・・・母親か?」

「・・・きゅ・・・(コク)」

「・・・そうか」


一刀はそう言うと、両手に乗せていた子兎を地面に下ろし、マジックバックから元の世界から持ってきたシャベルを取り出した。


そのまま近くの木の根元に行き、穴を掘り始める。


「きゅ・・・?」


子兎はそれをジッと見ていた。


「よし、これぐらいだな」


作業を終えたのか、一刀はシャベルをその場に置き、子兎の元へ戻ってきた。


「きゅう、きゅう?」

「・・・あれはお前の母親の墓を作っていてな。このまま野ざらしだと寝覚めが悪いしなっと・・・! 結構重いな」


そう言い、一刀は親アルミラージュを抱え、掘った穴へ運ぶ。子兎はその後ろをチョコンチョコンと付いてくる。


「ふぅ・・・ちょうど良い大きさだな。あとは土を被せてっと」


そうして、子兎の親は土の中へと埋められる。一刀はその埋めたあとに手頃な石を置き、両手を合わせ、合掌をした。その姿を真似したのか、子兎を後ろ足で立ち、前足を合わせた。


「・・・よし、供養完了だ・・・それじゃあ行くか」

「・・・きゅ?」

「まぁ、いきなり言われても分からないよな・・・」


一刀は子兎を両手に乗せ、説明する。


「このままお前一匹だけをここに置いていっても生き延びれると思えなくてな。今までだって母親が側に居て守ってくれたから行きてこられたんだ。でも、その母親もお前を守り通して逝っちまった・・・弱肉強食の自然じゃ、多分それが普通なのかもな。でもさ、お前を見ていると、前までの俺を思い出しているみたいでさ、放っておけないんだ。だから、一緒に来ないか」

「きゅう・・・・・・」


子兎は一刀をジッと見つめ、目線を変えて母親の墓へと向く。そして。


「・・・きゅっ!」

「おっ・・・」


子兎は一刀の両手から飛び、その胸へと飛び込んだ。


「これから宜しくな。アル」

「きゅう?」

「お前の名前だよ。いつまでもお前って呼ぶわけにもいかないしさ。アルミラージュを略しただけなんだが、覚えやすいしな。だから、アルだ」

「きゅう・・・きゅう・・・」


まるで「アル・・・アル・・・」と付けてもらった名前を連呼しているようだ。


「きゅう!」

「気に入ってくれたか?」

「きゅっ! きゅっ!」

「おっしゃ、んじゃ行くか、アル!」

「きゅっ!」


一刀はこの世界で初めての仲間、アルを加え。森を抜けるため歩き始めた。









次回の更新は出来次第になります。長らくお待たせしてすいませんです!m(_ _)m

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