初めてみる魔法
予定より早く更新!
誤字・脱字があるかも
目の前の女は何を言っているんだ?
一刀の頭に浮かんだ疑問だったが、すぐさまこの女はおかしいと考え、スマホで通報しようとするが、部屋に置きっぱなしな事を思い出し。部屋に取りに行こうとする。
そこへ、ルリアと名乗る美人が一刀の腕を掴んで止めた。
「ちょ、ちょっと待って下さい! 何で出て行こうとするんですか⁉︎ 何処へ行こうとしているんですか! 私ちゃんと名乗りましたよ!」
「だから何だ? いきなり『私神です!』なんて言う不法侵入者を信じるか? 普通。ちょっと通報しにスマホ取りに行くだけだ。離せ」
「い、嫌ですよ⁉︎ 何で通報しに行くって言う人を離さなきゃならないんですか! おまわりさんだけはいーやーでーす!」
ルリアはこれでもかと一刀の腕を引っ張る。
「お、おい! そんな引っ張るな・・・って、うおッ⁈」
「え? きゃ⁈」
一週間ろくに飲み食いしていなく、つい先程までは千鳥足だった一刀は、ルリアがおもいっきり引っ張ると、無駄な抵抗も出来ず、ルリアの方向へ倒れる。
普通なら一刀はこの美人へ倒れ込み、ラッキースケベな展開へと発展するだろう。
実際にルリアはこの世の女性とは思わない程の美人だ。髪は腰まで伸びた金髪、胸は修道服をイメージした衣装からも分かるぐらい、大きく膨らんでいた。多分、男じゃなくても街で見かけたら振り向いて二度見してしまうほどの美人だ。そんな美人とこんな展開になってしまったら、男・しかも思春期真っ盛りの男子高校生なら迷わずに膨よかな胸へダイブするだろう。
「ふんぬッ!」
だが、一刀は違った。
ルリアへと掛かる重力を利用し、体を右に回転させるように倒れ込み、ルリアへではなく、道場の床へと後頭部から倒れる。
『ごづん!』「いでッ⁈」
重い音と共に一刀の痛声が聞こえ、尻餅を付いていたルリアが、はっとなり一刀を見る。
「す、すいません! 一刀さん大丈夫ですか⁉︎」
ルリアは慌てて一刀を見ると、ようやくその状態に気付く。
「こ、これは・・・? 一刀さん、いったいどうしたんですか⁈ 顔の色が悪いですし、体に血の気がありませんよ⁈」
「う、うるせぇ。叫くな不法侵入者、これは、あれだ、ちょっとダイエットに失敗しただけだ」
「下手な嘘を付かないで下さい! 今の嘘で分かりました。一刀さん、貴方しばらく何も食べていませんね?」
「よく分かったな不法侵入者」
「もう不法侵入者はやめて下さい! ちゃんとルリアって名乗りましたよ?」
「だって偽名っぽいじゃん? いきなり神とかほざく怪しい奴の事を真に受けるかよ」
「どうしても信じてくれないんですね? それなら、私が神だって証拠を見せます!」
「はっ? 何を言って・・・」
一刀の言葉を遮るように、ルリアは一刀へ手を突き出し。
「我が祈りの魔術よ。彼に完全なる治癒を《完全治癒》!」
そう唱えるように声が響くと、一刀の体を緑葉色の光が包む。
「はッ⁈ な、何だ⁉︎」
とても暖かな光だった。土気色をし、血の気が無かった身体が、だんだん血の色を取り戻し、先程まで怠かったのが嘘のように消えていく。
「こ、これは⁈ いったい・・・?」
「今のは『完全治癒』という、治癒系魔法の中で最高位の魔法です」
「ま、魔法・・・? いやいや、そんな馬鹿な? いや、しかし・・・?」
「驚かしてすいません、一刀さん。でも、私が神と信じてもらうにはこうするしかなかったんですよ」
ルリアの言葉を聞き、一刀は考える。
1.いきなり派手な登場で不法侵入してくる美人
2.美人は自分は神だと名乗るが胡散臭い
3.自分を信じさせる為に魔法というものを使い、栄養失調だった体を健康そのものへと回復させる。
一刀もゲームや漫画などで魔法は知っていたが、実際目の前で見せられると、疑う。だけど、自分自身にかけられ、その効力を実感すると。信じない方がおかしいと考え、ルリアへ質問する。
「・・・分かった。お前が神だとしよう」
「ルリアです」
「・・・ルリアが神だとしよう。だったら、その神様は俺にいったい何のようだ?」
「それを話そうとしたら、いきなり一刀さんが襲って来たんじゃないんですか!」
「そうだっけ?」
「そ、そうですよ・・・まったく」
ルリアは真面目な顔つきになると、最初一刀に話そうとした事を話しだす。
「武田一刀さん。貴方には我々異世界協会より、異世界への転移権が当たった事をご報告に参りました」
「・・・・・・・・・え?」
次も出来るだけ、一週間以内に出したいです。