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プロローグ
突然だが、普段から「自分が死ぬ」ということについて、考えたことがあるだろうか。もし、今自分に向かって大きなトラックが突っ込んで来たら。もし、背後から突然殺人鬼が襲ってきたら。もし、頭上に隕石が降ってきたら。そんなことを普段から考えている人間は、恐らくそういるものではないだろう。もちろん、こんなことを言っている僕ですら「あの時」までは自分の「死」についてだなんて微塵も考えていなかった。まして、それ以上におかしな事態になるなんてもちろん頭になかったんだ。
―そう、あの時までは・・・。