舞台の終わりに
私の名はルーフィネシア・ドゥナ・ルーティシア。
ルーティシア公爵家の一人娘。
父上、私、弟2人の四人家族でございます。
母は幼い弟を残し、柵を捨て、創造神様の元へと旅立たれました。
好きなものは噂話と裁縫。
これは隠しているのですが、実は私、乗馬が一番好きなのです。
そうそう、噂話と言えばついこの間国王様のご落胤が…あら、失礼。
これは関係ありませんでしたね。
社交界では私の事を黒薔薇の姫と呼ぶとか。
きっとお祖母様譲りの黒髪のおかげでしょうね。
あら、また話がずれてしまったわ。
婚約者は第三皇子のハルルシェーク・フィムリアータ・ナシェリアーナ。
一応、この国の第三皇子にございます。
…?…ええ、一応、であっておりますわ。
まあ詳しい事は後程で、という事で…実は本日、私達が聖ナシェリアーナ学園を卒業する日となっております。
この貴族の為の学園の卒業式では卒業パーティーという名の社交パーティーが
行われるという決まりなのですが…実は少々余興が行われるのです。
と、言いますか…現在行われております。
「聞いているのか、ルーフィネシア嬢!」
「ええ、その様に言われなくても聞いております。
それで、確認の為にもう一度仰って頂いても?」
「っ…!!!き、貴様との婚約を今、この場で、破棄させて貰おう!!」
あらあらまあまあ。
「一応、確認の為に理由をお伺いしても?」
「貴様は身分を振りかざして三年間、ユリアナ嬢を虐めていたな!!
その貴族に相応しくない振る舞いに俺はもう耐えられない!!!」
「…あら、それだけ?」
なあんだ、つまらないの。
こちらの台詞に顔を赤くした彼はまるで林檎のようね。
あら、林檎と言えばそろそろ林檎の花が咲く頃かしら?
地方だけど確かアーネスト男爵の領地の方で…あら、失礼。
こちらも関係がありませんでしたわね。
「き、貴様っ…!!それだけとは良く言えたものだ!!!!」
まあ何て見苦しいのかしら。
本当に私を断罪するのでしたらもっと王族らしく余裕な態度をおとりになればいいのに。
あら、でもとれませんわね。
だって王族や貴族の義務の一つである教養が欠けていらっしゃいますもの。
「それで婚約破棄を受け入れるのか?答えたらどうだ!!!」
キャンキャンキャンキャン煩いですわねぇ。
「ええ、よろしいです。
現時点をもって、国王様より与えられた私の権利において、
貴方様との婚約を破棄させていただきますわ。」
「ふんっ!初めから大人しくそうしていればよかったものを…」
さて、そろそろ頃合いかしら?
「さて、元婚約者様?私、貴方に伝えておかなければならない事がありますの。」
「…元婚約者のよしみだ、聞いてやろう。」
今からどの様な狼狽え方を見せていただけるのですかねぇ?うふふ。
「実は私達、国王様直属の隠密部隊の見習いだったのでしてよ。」
「ち、父上の…⁈いや、待て。私”達”とはどういう事だっ!!」
「はーい、実は私こと、ユリアナとお姉様の2人の麗しいペアのことでーす♡」
「な、なんだってーーーー⁉︎」
あら、最新の狼狽え方を披露していただきましたわね。
これは此方も頑張らなければいけないかしら?
「残念でしたわね。愛しいユリアナは私の妹分でしたの。
どれもこれも少し調べればわかることでしたのに…。」
私が少し隠しすぎてしまったのかしら?
確かに手加減はしたのですけどね…。
「あ、ごめんなさいお姉様。私がかなり弄ってしまったんですぅ…。」
あらあら、落ち込んだ様な顔も変わりませんわね…。
この子は昔から愉快犯ですから。
「ユリアナ…とりあえず、そういう事にしておきますわ。さて、皇子様。
貴方様の処遇については国王様自らお知らせになるとの事でございます。」
「ああ…、わかった。」
「さて、では皆様。
今日という素晴らしい日のこのちゃば…いえ、
寸劇をご静聴ありがとうございました。
それでは私どもはここから失礼させていただきますが続きをお楽しみくださいませ。
将来、国王様の前で御顔を合わせる事がない様に祈っておりますわ。」
「お姉様、流石でした…!!惚れ惚れしちゃいましたよぉ!!!!」
「あら、そういうユリアナも中々良かったじゃない。」
「ぼ、僕は…僕は…」
解説的な何か。
主人公&ヒロイン
国王様直属の隠密部隊の見習い。
2人1組の扱いを受けている。
ヒロインの主人公への愛はきっと重い。
主人公の性格は天然の様なドSの様な何かです。
皇子様
基本的に阿呆ではないけど純粋。
悪いやつではないけど純粋。
どう足掻いても純粋。